59 / 67
身代わり生活スタート
そりゃ動揺しますよね
しおりを挟む
「なぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!??」
ライアンの叫びが響き渡る。
目は驚き見開き、ポカーンと音がしそうな程に口が開いている。そのまま、しばらく動きそうになかった。
その横で従者も同じような状態だった。
その様子を確認したフローレンスは、ふぅとため息をつくとそのままソファまで歩き何事もなかったかのように座った。
「ヒナ、お茶を淹れてくれる?」
その言葉にヒナタは、またフローレンスの姿へと変化した。
「はぁい。すぐにご用意しますねー。」
そして、フローレンスにお茶の用意をした。たくさん練習したので今では、美味しいお茶を淹れられるようになったのだ。
ちゃっかり自分の分も用意して、フローレンスと一緒にお茶を楽しんだ。
「このお茶とお菓子って合いますねー。」
「そうね、さすが王子が口にするものだわ。ここの料理人を引き抜けたりしないかしら?」
「さすがそれは無理じゃないですか?お城ですよ?」
「それもそうね。」
フローレンスの邸では、グレースもリタも交えてお茶をする事が日常となっていたのですんなりとお茶を楽しむヒナタだった。
「・・・・・・ちょっといいかな?」
お茶を楽しんでいたヒナタとフローレンスにライアンが話しかけてきた。
「あら?やっと戻ってこられましたね。」
「いや、その、まだ、なんだか化かされた気分なんだが・・・さっきのは見間違いではない・・・よ・・な・・。」
ライアンが話している途中だったがヒナタはフローレンスも見やり頷くと、またスライムへと戻る。そしてライアンに近づき、目の前でぽよんぽよんと跳ねてみる。
「・・・ほんとに・・・スライムなんだ・・・。」
放心状態のライアンだったが、無意識にか跳ねるヒナタを捕まえ抱き上げる。そして、様々な角度から観察し眺めた後おもむろに抱きしめた。ヒナタはなんだか観察されるのは恥ずかしく思ったが、納得してもらおうと我慢した。
ひとしきりライアンは観察すると次に両手で自分の胸にヒナタを抱き込むと優しく、割れ物を扱うように抱きしめた。
ぽよんとした感触がライアンの腕の中で感じられた。
確かに人ではなく、魔族でもないが、香りが直感が番だと訴えてくる。
ヒナタの透明に近い白い丸いフォルムがやけに可愛らしく、いつまでも撫でていたい気持ちが沸き上がる。
「俺の・・・番・・・。俺のヒナ・・・。俺の運命・・・。もう離さない・・・。」
「いえ、わたくしのヒナですから離していただきますわ。」
ライアンに抱きしめられたヒナをズルんとフローレンスが引っ張り引き剥がしたのだった。
「なんでだよっ!もうちょっとくらいいいじゃないか!」
「ちょっと口が悪いですわよ。」
「・・・・くっ、もう少しだけ、もう少しだけでいいから。」
「まさか、本当に番でしたの?だってヒナは、スライムでしてよ?」
「いや、まぁ、確かに驚いたけど・・・俺の本能が間違いないと訴えているから、俺の番はヒナだ。」
「えぇ~・・・本当みたいですわね。どうしましょう?」
ヒナタを抱え込みながら、フローレンスは本当に困ったとつぶやく。今、フローレンス達はヒナタがありきでの作戦を実行中なのだ。もし、ライアンの番と認めてしまえば連れて行かれるかもしれない。それだけは避けたい。まさかスライムが王族の番になるなど考えられなかったから、正体をバラせば勘違いでしたとなると思っての行動だったのに・・・まさか本当に番だったとは。
ライアンの叫びが響き渡る。
目は驚き見開き、ポカーンと音がしそうな程に口が開いている。そのまま、しばらく動きそうになかった。
その横で従者も同じような状態だった。
その様子を確認したフローレンスは、ふぅとため息をつくとそのままソファまで歩き何事もなかったかのように座った。
「ヒナ、お茶を淹れてくれる?」
その言葉にヒナタは、またフローレンスの姿へと変化した。
「はぁい。すぐにご用意しますねー。」
そして、フローレンスにお茶の用意をした。たくさん練習したので今では、美味しいお茶を淹れられるようになったのだ。
ちゃっかり自分の分も用意して、フローレンスと一緒にお茶を楽しんだ。
「このお茶とお菓子って合いますねー。」
「そうね、さすが王子が口にするものだわ。ここの料理人を引き抜けたりしないかしら?」
「さすがそれは無理じゃないですか?お城ですよ?」
「それもそうね。」
フローレンスの邸では、グレースもリタも交えてお茶をする事が日常となっていたのですんなりとお茶を楽しむヒナタだった。
「・・・・・・ちょっといいかな?」
お茶を楽しんでいたヒナタとフローレンスにライアンが話しかけてきた。
「あら?やっと戻ってこられましたね。」
「いや、その、まだ、なんだか化かされた気分なんだが・・・さっきのは見間違いではない・・・よ・・な・・。」
ライアンが話している途中だったがヒナタはフローレンスも見やり頷くと、またスライムへと戻る。そしてライアンに近づき、目の前でぽよんぽよんと跳ねてみる。
「・・・ほんとに・・・スライムなんだ・・・。」
放心状態のライアンだったが、無意識にか跳ねるヒナタを捕まえ抱き上げる。そして、様々な角度から観察し眺めた後おもむろに抱きしめた。ヒナタはなんだか観察されるのは恥ずかしく思ったが、納得してもらおうと我慢した。
ひとしきりライアンは観察すると次に両手で自分の胸にヒナタを抱き込むと優しく、割れ物を扱うように抱きしめた。
ぽよんとした感触がライアンの腕の中で感じられた。
確かに人ではなく、魔族でもないが、香りが直感が番だと訴えてくる。
ヒナタの透明に近い白い丸いフォルムがやけに可愛らしく、いつまでも撫でていたい気持ちが沸き上がる。
「俺の・・・番・・・。俺のヒナ・・・。俺の運命・・・。もう離さない・・・。」
「いえ、わたくしのヒナですから離していただきますわ。」
ライアンに抱きしめられたヒナをズルんとフローレンスが引っ張り引き剥がしたのだった。
「なんでだよっ!もうちょっとくらいいいじゃないか!」
「ちょっと口が悪いですわよ。」
「・・・・くっ、もう少しだけ、もう少しだけでいいから。」
「まさか、本当に番でしたの?だってヒナは、スライムでしてよ?」
「いや、まぁ、確かに驚いたけど・・・俺の本能が間違いないと訴えているから、俺の番はヒナだ。」
「えぇ~・・・本当みたいですわね。どうしましょう?」
ヒナタを抱え込みながら、フローレンスは本当に困ったとつぶやく。今、フローレンス達はヒナタがありきでの作戦を実行中なのだ。もし、ライアンの番と認めてしまえば連れて行かれるかもしれない。それだけは避けたい。まさかスライムが王族の番になるなど考えられなかったから、正体をバラせば勘違いでしたとなると思っての行動だったのに・・・まさか本当に番だったとは。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる