世界は冒険に満ちている!(笑)

みやさん

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ダンジョンの罠

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長方形の灰色のブロックが敷き詰められた壁に四方を囲まれたダンジョン。
日の光は届かない為、薄暗い。
手にはライトを持ち、足元とその周辺をほのかに照らす。
視界はあまり良くないが、壁の所々に松明が置けるようになっているので、見つけたら火を灯す。

「あまり視界が良くないなぁ。ここで魔物に襲われたらひとたまりもないぜ。」

と、壁に手をそっと近づける。
そこに何か突起物を発見した。

「これは・・・?鑑定してみるか。」

鑑定の魔法を使うと、それは明かりを灯すスイッチのようだった。罠などは無さそうだ。

「ありがたい。視界が悪いのはどうも危険だと思ってたんだ。」

ユータがスイッチを入れてみると、頭上がパッと明るくなった。先の通路まで明々と照らしてくれていた。
進みやすくなった通路だが、それでも慎重に進んで行く。

ふと、少し先の足元に違和感を覚えた。
今まで長方形のブロックが続いていた通路が途中からブロックではなく突如、草原が広がっていた。それも色とりどりのカラフルな色合いをしている。
そして草の生え方が何故か、円を描くかのように生えている。

「怪しい・・・。これは罠か?」

あからさま過ぎるが、鑑定を行うと・・・落とし穴だった。

「よし、罠を避けて進もう!」

なるべく落とし穴を回避できるように、少しずつ進む。時にはジャンプして、落とし穴を避けて行く。

落とし穴エリアをなんとか避け、先に進もうとしたところ・・・前方を見て驚いた。

崖になっており、その底は見えなかった。対岸へ渡るには細い吊り橋を渡るしかなかった。吊り橋はガタがきているのか所々ボロボロになっており、足を乗せるとギシギシと音が鳴る。

「ここを渡るしか・・・ないか。」

不安になりながらも意を決して、足を踏み出そうとした・・・その時!

「わうんっ!!」

後ろからアッシュの声が響いてきた。
反射的に後ろを振り返ると、なんとアッシュが落とし穴エリアの手前に小さい尻尾をフリフリして立っていた。

「危ないっ!アッシュ!その先に進むのは危険だ!」

しかし、悲痛なユータの叫びも虚しくアッシュは足を踏み出してしまった!
その行く先は落とし穴が待っている。

だが、そんな不安もすぐに消えた。アッシュには落とし穴があることがわかっていたのか、スイスイと避けて歩いてきたのだった。

安心して、ホッと一息ついた時だった。

もう少しでユータの所へたどり着けるという所まで来たアッシュは、油断したのか最後の落とし穴の上を通ってしまった。
落とし穴が起動する。
アッシュの体はガクンと下に落ちていく。

「アーッシュ!!」

咄嗟に手を伸ばしたユータ。
必死でアッシュを掴もうと、手をガムシャラに動かした!
その必死さが功を奏したのか、指先に何かが触れた。紐だった。
必死に紐を掴み、自分の方へと手繰り寄せる。
それはアッシュの胴体に巻き付いていた命綱のようだった。

「さすがアッシュだ。命綱をつけているなんて、やるな!」

危機一髪の所でアッシュを助ける事ができたユータは満面の笑みを浮かべ、アッシュを撫でた。
お礼のつもりかアッシュはユータの顔をペロペロと舐めていた。

1人と1匹は、難関である吊り橋に向き合った。ここは一気に進むべきか、慎重に進むべきか・・・。

「ここは一気に駆け抜けるべきだな。いつ壊れるかもわからないし、仕方ない!アッシュ、行くぞ!」
「ワン!」

対岸を見つめ、呼吸を整える。
そして・・・カッと目を見開くと一気に駆け抜ける!足下が不安定でも振り返らない。ただひたすら、足を動かした。
すぐ後ろからはアッシュも駆けてきた!

長いようで短い吊り橋を危なげなく渡りきったユータとアッシュは、顔を見合わせてフヒッと笑い合った。

辿り着いた先には小さな宝箱があった。

「宝箱だ・・・!やったぞ、アッシュ!」
「ワフっ?」

何か分からない様子のアッシュだったが、ユータの喜びようを見て何か感じたのかユータの周りを飛び跳ねるように回り始めた。

「ワン!ワン!」
「へへっ!アッシュも嬉しいか!よーし、じゃあ開けるぞー!」

ゆっくりと宝箱の蓋に手を添え、深呼吸をしてから、蓋を開けていく。

と、その時。















「ユー君!アッシュ見なかった?散歩に行こうと思ってリード付けたのに、ちょっと目を離した時には玄関に居なかったのよ。ユー君のとこに居ない?」

トタトタと軽い足音が聞こえてきた。

「あれ?廊下の電気付けっぱなしじゃない。消し忘れたかしら?・・・え、なんでリビングに敷いてたラグが廊下に?しかもダンボールも・・・。」

トタトタと足音と共にママの声が聞こえてきた。


「ママー!アッシュは、ぼくのところにいるよー!」

「あら、やっぱりユー君のとこに居たのね。もうアッシュはユー君が大好きねぇ。さあ、アッシュお散歩に行くわよー!」

「アッシュのお散歩に行くの?ぼくも一緒に行っていい?」

「もちろん!一緒に行きましょう!」

ママの笑顔と共に外へ飛び出して行くユータ。彼の瞳にはワクワクしか見えない。




「ユー君、なんでラグを廊下に動かしてたの?」
「落とし穴で遊びたかったんだ!丸い模様を踏んだら落ちちゃうんだよ!怖いんだよ!」
「そうなの!・・・落ちちゃったらどうなるの?」ドキドキ


「・・・穴の中には笑いガスがいっぱいで死ぬまで笑っちゃうんだよ。」
「そ・それは、怖いわねぇ・・・。」


廊下にはユータお気に入りの宝箱の形をした貯金箱が残されていた。
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