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天敵
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夜ーーーーー人が寝静まる深夜。
辺りは静けさに包まれている。
人々が布団に入る時間。
ヤツはやってくる。
眼光鋭く、獲物を探しに街へと繰り出して来る。ヤツはどこにでも入ってくる。スライムのようなヤツだ。
だが体はふわふわしていて、掴みどころがない。そして、形は統一していない。
ある人は、女の人のようだったと言う。
ある人は、黒いモヤのようだったと言う。
ある人は、牛のように大きく追いかけて来たと言う。
それは、人が心の中で一番思う姿を見せるらしい。
怖がる姿を見て喜ぶのだろう。
「この街にもそんなのがいるのか・・・。何か対策はないものか・・・。」
ユータは、訪れた町でまことしやかに流れている噂に興味を持った。
怖いもの見たさともいうかもしれない。
町で聞き込みをすると、それはゴーストという魔物の一種ではないかとの事だった。
もし、ゴーストならばユータには対策が取れそうだった。なぜならば、ユータが持っている剣は聖剣なのだから。
ゴーストの一番の弱点とも言えるだろう。
「とりあえず本当にゴーストか調査してみるか。」
ユータは早速、ゴーストが出るといわれる町の一角へと行った。
もちろん夜になるのを待って。
辺りは暗く、見通しが悪いがユータは見落としがないようにしっかりと辺りを警戒する。
しばらく警戒していると、背後に気配を感じた。
ゾワッとするような冷たい風が背中を撫でる。バッと後ろを振り返るが何も居ない。
今度は真横から気配がする。
(フフフフ・・・・・。)
女性のような笑い声まで聞こえてきたが、変わらず姿を見る事ができない。
必死で目線を彷徨わせ、声の出所を探すが分からない。
「これは、なかなか厄介だな・・・。」
嫌な汗が流れる。姿も見えず手がかりも無し。打開策が見つからない状況で、ユータは焦る。
「一度、撤退するのも一つの手か・・・。仕方ない、出直して・・・ぇ?」
撤退しようとしたユータの足を何かが掴んでいた。動けなくなったユータは足元に視線を送ると・・・。
人の手だった。
血の気は無く、ほっそりとした指がユータの足にしがみ付いていた。
「う・・・うわぁああああっ!!」
振り払おうともがくが、力が強く離れない。パニックになりかけたその時。
「ガアウッ!!」
アッシュの殺気だった唸り声が響いた!
そしてユータの足に絡み付いた手に噛み付いたのだった!
思わぬ所からの攻撃だったのか、先程は全く外れなかった手があっさり外れ、影の中に沈んでいったのだった。
呆然としていたユータだったが、アッシュの心配そうな「クゥン・・・」声にハッと意識を取り戻した。
「アッシュ・・・助かったよ。ありがとう。」
少しパニックになりかけたが、相棒のアッシュのおかげで事なきを経たユータだった。
「またアッシュに助けられちゃったね。もっと鍛錬して強くならなきゃだね・・・。」
「アウ!」
持ち直したユータだったが、ふと建物の影から覗く手に気づいた。
先程ほどまでユータの足を掴んでいた手だった。
手とユータには5メートル程の距離があった。だが、ユータにはしっかりと聞いてしまった。ユータの耳元でささやく女性の声を・・・。
「まだ遊びましょ・・・?」
ひっく・・・ひっ・・・うぇ・・・
夜中、ユータの泣き声で目が覚めた。
「ユー君・・・?どうしたの?」
寝ぼけ眼を擦りながらママはユータの様子を見た。
「マ・・・ママぁ、ぼく・・・ぼくね・・・怖い夢をみたの・・・」
「あらあら、そうだったの・・・ほら、ユー君こっちにおいでママがぎゅっとしてあげるから。」
おずおずとママの方へ来たユータをママがぎゅっと抱きしめた。
「もう大丈夫よ。ママが怖い夢から守ってあげるからね。」
そうささやきながら、ユータの背中をトントンするとひゃっくりあげながら、泣いていたユータが次第に静かになり、スースーと規則正しい寝息を立て始めた。
(・・・寝たかしら?うん、もう大丈夫ね。それにしても、寝る前に怖いTVなんか観たからかしらね?ちょっと悪い事しちゃった。)
苦笑しながら、静かに寝息をたてるユータを確認し、瞼を閉じるのだった。
辺りは静けさに包まれている。
人々が布団に入る時間。
ヤツはやってくる。
眼光鋭く、獲物を探しに街へと繰り出して来る。ヤツはどこにでも入ってくる。スライムのようなヤツだ。
だが体はふわふわしていて、掴みどころがない。そして、形は統一していない。
ある人は、女の人のようだったと言う。
ある人は、黒いモヤのようだったと言う。
ある人は、牛のように大きく追いかけて来たと言う。
それは、人が心の中で一番思う姿を見せるらしい。
怖がる姿を見て喜ぶのだろう。
「この街にもそんなのがいるのか・・・。何か対策はないものか・・・。」
ユータは、訪れた町でまことしやかに流れている噂に興味を持った。
怖いもの見たさともいうかもしれない。
町で聞き込みをすると、それはゴーストという魔物の一種ではないかとの事だった。
もし、ゴーストならばユータには対策が取れそうだった。なぜならば、ユータが持っている剣は聖剣なのだから。
ゴーストの一番の弱点とも言えるだろう。
「とりあえず本当にゴーストか調査してみるか。」
ユータは早速、ゴーストが出るといわれる町の一角へと行った。
もちろん夜になるのを待って。
辺りは暗く、見通しが悪いがユータは見落としがないようにしっかりと辺りを警戒する。
しばらく警戒していると、背後に気配を感じた。
ゾワッとするような冷たい風が背中を撫でる。バッと後ろを振り返るが何も居ない。
今度は真横から気配がする。
(フフフフ・・・・・。)
女性のような笑い声まで聞こえてきたが、変わらず姿を見る事ができない。
必死で目線を彷徨わせ、声の出所を探すが分からない。
「これは、なかなか厄介だな・・・。」
嫌な汗が流れる。姿も見えず手がかりも無し。打開策が見つからない状況で、ユータは焦る。
「一度、撤退するのも一つの手か・・・。仕方ない、出直して・・・ぇ?」
撤退しようとしたユータの足を何かが掴んでいた。動けなくなったユータは足元に視線を送ると・・・。
人の手だった。
血の気は無く、ほっそりとした指がユータの足にしがみ付いていた。
「う・・・うわぁああああっ!!」
振り払おうともがくが、力が強く離れない。パニックになりかけたその時。
「ガアウッ!!」
アッシュの殺気だった唸り声が響いた!
そしてユータの足に絡み付いた手に噛み付いたのだった!
思わぬ所からの攻撃だったのか、先程は全く外れなかった手があっさり外れ、影の中に沈んでいったのだった。
呆然としていたユータだったが、アッシュの心配そうな「クゥン・・・」声にハッと意識を取り戻した。
「アッシュ・・・助かったよ。ありがとう。」
少しパニックになりかけたが、相棒のアッシュのおかげで事なきを経たユータだった。
「またアッシュに助けられちゃったね。もっと鍛錬して強くならなきゃだね・・・。」
「アウ!」
持ち直したユータだったが、ふと建物の影から覗く手に気づいた。
先程ほどまでユータの足を掴んでいた手だった。
手とユータには5メートル程の距離があった。だが、ユータにはしっかりと聞いてしまった。ユータの耳元でささやく女性の声を・・・。
「まだ遊びましょ・・・?」
ひっく・・・ひっ・・・うぇ・・・
夜中、ユータの泣き声で目が覚めた。
「ユー君・・・?どうしたの?」
寝ぼけ眼を擦りながらママはユータの様子を見た。
「マ・・・ママぁ、ぼく・・・ぼくね・・・怖い夢をみたの・・・」
「あらあら、そうだったの・・・ほら、ユー君こっちにおいでママがぎゅっとしてあげるから。」
おずおずとママの方へ来たユータをママがぎゅっと抱きしめた。
「もう大丈夫よ。ママが怖い夢から守ってあげるからね。」
そうささやきながら、ユータの背中をトントンするとひゃっくりあげながら、泣いていたユータが次第に静かになり、スースーと規則正しい寝息を立て始めた。
(・・・寝たかしら?うん、もう大丈夫ね。それにしても、寝る前に怖いTVなんか観たからかしらね?ちょっと悪い事しちゃった。)
苦笑しながら、静かに寝息をたてるユータを確認し、瞼を閉じるのだった。
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