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飛行魔法
しおりを挟む長い間が空いて、すみませんでした。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁああああああああ!!飛べーーーーーー!!!!!」
青空の下、ユータは両手を上に突き上げ手のひらを広げ気合いを入れる。
魔力を体全体にまとい、浮き上がるようなイメージをする。
そして、足に力を入れ地面を蹴る!
ジャーーーンプ!
すると、体が浮き上がった。
地面から50センチ程ではあったがユータの体が浮いたのだった。
「アン!アン!」
「やったぞ!アッシュ!とうとう飛ぶ魔法ができた!」
「アウン?」
小首を傾げてアッシュはユータを見上げる。その表情は「なんで、その魔法を練習しているか分からない」とでも言いたげであった。
「ふふっ。なんで、この魔法の練習してるかっていうと~・・・。」
勿体ぶったような言い方で、ユータは部屋の本棚まで飛んでいく。
そして、一冊の本を取り出した。
「じゃじゃーーーん!これ、なーーんだ?」
嬉しそうにアッシュに向かって本を見せる。その本のタイトルは『世界旅行ガイドブック』だった。
「この本に載ってる観光地に行きたいんだ!でも、移動が長いの嫌なんだよね。だから、自分ですごく早く飛べはすぐに行けるんじゃないかと思ったんだ!だから、頑張って練習したの!へへっ!」
「アン!アン!」
「あ!!」
浮いていたユータが落ちてきた。
ドシーーーーンッッ
50センチ程の高さではあったが、急な事だったのかお尻から地面に落ちてしまった。
「あいたっ!!」
「キュウン・・・」
落ちてきたユータの顔を心配そうにペロペロと舐めるアッシュ。
少し気まずい顔をしながらユータはアッシュを撫でる。
「いたた・・・へへっ、ちょっと失敗しちゃった。でも、コツは掴んだからもっと高く!もっと早く飛べるように練習するよ!」
「アン!!」
「そうしたら、アッシュも一緒に観光しような!」
嬉しそうに顔を輝かせ、アッシュを抱き上げくるくると回る。
その言葉通り、ユータは毎日毎日毎日毎日毎日・・・・・・・飛んだ。
前の日よりも高く、長く、速くなっていく飛行魔法。
そして、とうとう自由自在に飛べるようになったのだった!!
「アッシュ、とうとう・・・できたぞ!一緒に行こう!」
「アウーンッ!」
ユータは自分の体とアッシュを魔法で浮かせ、いざ飛び立つのだった。
ユータは最近、毎日のように右手を上に突き上げ、ベッドの上から飛び降りると言う事を繰り返していた。
「・・・・・ユー君、今は何をしてるの??」
「あ、ママ!今ね飛ぶ練習してるの。」
「跳ぶ?高くジャンプしたいの?」
「違うよー!空を飛びたいのー!!」
「え?お空を飛ぶの?」
「そう!そんでココに行きたいの!」
そう言ってユータが指差したのは、旅行ガイドブックの1ページに載っていた遊園地だった。
それを見てママは少しはびっくりした。
(そういえば、遊園地なんて連れて行ったことないかも。遊びたかったのね。)
「あのねー!ここね、いっぱい仮面のライダーがいるの!会いたーい!そんで、僕と剣で戦って欲しいの!!」
「・・・・・は?・・・た・・戦う?いや、ユー君、それはちょっと難しいんじゃないかしら・・・ね?」
「えー、なんでー!」
「えぇっ・・・と、その、・・・ライダーさんは悪い敵と戦うのに忙しいから、えーーと、じ・時間がないんじゃないかしら?」
しどろもどろになりながら、なんとかユータを説得しようと試みるママだった。
「そうかなー、ちょっとくらいダメかな・・・。」
その後も何かぶつぶつと言ってはいたが少し不貞腐れながらも、渋々と引き下がってくれたユータ。
その夜。
「アッシュ!世界一周に行ってきていい?」
「クゥン?」
「しゅうぅぅぅぅぅんっっ!!」と、言いながら右手を上に突き出しその場でジャンプをするユータ。
「ただいまー!もう一回行ってきていい?」
そう言って遊ぶユータの姿があったのだった。
(ライダーとの戦いの事は忘れてますように!)
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