愛人少年は王に寵愛される

時枝蓮夜

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精通した夜

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「おお、やっと精通せいつうなさいましたな。陛下へいかがお喜びになられます。
  精通せいつうなさって、結ばれるお体になられるのを心待ちにしておられましたからな」

  毎朝の侍医じいによる診察。この時になって初めて、精通せいつうを確認するために行われていたのだと僕は理解した。

  僕に精通せいつうがあった事はすぐさま陛下へいかに知らされ、今夜のお召の用意を万端ばんたん整えておくようにと侍女じじょ達に通達された。

「や…だっ、そんな寝衣しんい…っ」
  
  夕方から入念な入浴、マッサージを施された後。寝衣しんしとして用意されていた物は、南国の踊り子よりも生地の少ない、肌の色も隠せないような薄い生地の物だった。

「ほほ、初めては恥ずかしいものでございますからね。こちらは陛下へいかがサーリャンさまのため、よくよくお似合いになられる物を選び抜かれたお品。身に付けて、陛下へいかをお喜ばせいたしましょうね」

  その言葉で、侍女じじょがしらの後ろにいつも控えている屈強な男性二人が僕を捉える。

「ああっ、か…肩っ。腕が…!」

  僕は両手首を一纏めに拘束され、男性の一人につま先が床に届くか届かないかの高さで吊るされ、別のもう一人の男性に、両足首を掴んで大人しくさせられてしまった。

  それでも僕は泣き叫ぶ。

「や!」

  しかし、少し動くだけで肩に大きな負担がかかり、抵抗らしい抵抗もできない。鍛えるなどといった事は一切していない細い僕とは違う、しっかり鍛えられた二人には、抵抗とも取られていなそうな抵抗だ。
  そうしているうちに股関には、袋だけを包む紐パンを穿かされてしまう。胸には乳輪すらかくれなさそうな、小さなビキニブラ。

「こんなの嫌っ!見ないで!誰も…見ないで…!」

「まだ寝室に来ていないと思えば…」

  抵抗している事で、いくらか遅い時間になったのだろう。焦れた陛下へいかが、とうとう僕の部屋へお渡りになられてしまった。

「衣装はまたにしよう。サーリャンをこの部屋の寝室へ運べ」

◇◇◆

  自分に与えられている部屋の寝室のベッドへ運ばれると、陛下へいかは僕の足首と太ももを付けてそれぞれ拘束なさった。両手は後手に縛られてしまった。それが済むとみんなを下がらせられ、二人っきりだ。

「ふ…。この日を待ちわびたぞ。そなたの精通せいつうがあまりに来ぬから、酷く待ちわびたわ」

  僕は今年、16歳になった。精通せいつうは14歳前後で半数の者に来るもの。僕は16歳になってしばらく過ぎた今朝、やっと精通せいつうしたのはとても遅い。

  そのせいだろうか?身長はまだ伸びたが体は酷く華奢きゃしゃで、体力もあまりない。

「ふ、怯えなくても良い。暴れられて、破瓜はかが酷くなってはそなたの体に障る。それを予防するための対策だ」

  そうおっしゃって、ちゅっと音を立てて額に優しい口吸いを落として微笑まれる。

「やだぁっ、やめてっ!僕は男性と共寝できる質ではありません!だからっ」

  続く言葉は、口吸いによって紡げなくなってしまった。閉じた唇を舌先でなぞられ、唇の感触を堪能されてしまう。鼻で息はしていたものの、苦しくなって口を開くと、顎を強く捉えられ、熱く分厚い陛下へいかの舌が捻じり込まれてしまった。

「っふうん!ふっふっ、ふはっ、んっうぅ」

  陛下へいかは僕の口腔を余す事なく愛撫してゆく。歯列をなぞり、上顎を擦り、舌の上側も下側も丁寧ていねいに時間をかけてなぞりあげる。そして、具合が良い所を探り当て、重点的に責めて愛でられる。

  寝室には深い口吸いのたてるくちゅくちゅという淫らな水音と、気持ち悪いのに与えられる快楽に翻弄ほんろうされ、呼吸の合間に喘ぐ声だけがしばらく響いていた。

「ん…、気を失うなよ。夜はまだ長い。これから時間をかけてしっかりつぼみを解して、そして受け入れてもらうのだからな」

  陛下へいかの言葉は泣きながら拒否していた事でくらくらし、ぼんやりした僕の意識の上を滑ってゆく。涙が溢れているのも気付かなかったが、陛下へいかの唇に涙を吸い取られて、ようやく泣いているのだとぼんやり認識した。

「私も、男に欲情したのは初めてでな。不慣れで、上手く扱ってやれなくても許してくれ」

「いや…。陛下へいか、男…に、興味が、ないのでしたらこのまま…僕を返して…っ」

「…返してやれるものなら、この2年の間に返しておるわ。私は、そなたが大人の体になるのを待っていたのだ。手に入れるに相応しい体になるのをな」

◇◇◆

「やぁあっ」

  裸も同然の肌を、陛下へいかの唇が、舌が、手が這う。耳も、首も、鎖骨の辺りも、乳輪や乳首を避けた胸も、腹も、足も…。勃起ぼっきし始めたペニスを避けた辺りまで、肌の感触を楽しむように…。

「ひう?!」

  ベッドをきしませるほど、びくりと体がねる。先程は愛撫を避けた胸へ、片方の乳首は口に含まれ、もう片方の乳首は指で摘まれたのだ。

「ぁぁあああ?!」

  男性とのセックスなんて考えられないのに…。陛下へいかがまだ起立しきっていない乳首を甘く噛むほど、ちううっと吸い付くほど、舌でなぶられるほど喘ぎ声が口から零れ落ちる。
  反対の乳首を手のひらで撫でさすられ、起立の仕方を教えこむようにきゅっとつねりあげらるのにも、やわやわと乳輪の外側から乳首の先へ向かって揉みしだかれるのにも体が反応してしまう。

  腰に重いようなうずくようなたかぶりが集まり、かと思えば頭に甘美な波が押し寄せる。

「ここの感度は良いな。どれ、もう先走りで辛いようだ。一度抜いてやろう」

 ビキニブラがズレてあらわになっている乳首から口を離された陛下へいかは、陛下へいかのお腹の下で立ち上がってしまっているペニスの事を指摘なさる。

「ひあっぁ…、さわら、ないで……っ」

  二本の指がまだちゃんと穿いている紐パンの玉の下に差し込まれ、ゆるりと張った形に沿ってうごめく。そしてさらに先走りを溢れさせると、それを潤滑油にしてペニスへの容赦ない愛撫が与えられた。

「ひぅ?!ひ、あっ、んやぁあ。やっ、ぁあっあ…っ」

  指で作られた輪にペニスをいくどかしごかれ、くびれを指の腹でなぞりあげられる。そして手のひら全体でペニスを包まれてしごかれる。

「ああ…?!でちゃ、な、にか、でちゃう…っ。
イ…く、イっちゃ…ぅっ」

「ああ、待て」

  ぱくり、…ぢゅっ、ぢゅっ、れろっ、ぢゅぽっ。

「ああああんっ、………!!っぁっはあああぅ…」

  ペニスの裏筋に舌を宛てがわれ、根本から先端へ向かって舌を宛てがわれて吸い上げられた強烈な刺激。あっという間に上りつめ、陛下へいかの口の中に熱い精を放ってしまった。
  射精してまだひくひくしているペニスの先、敏感な鈴口を尖らせた舌先を差し込もうとするように穿ほじられ更に強い刺激を与えられて気を失いそうになる。

  そんな中、つぼみに指がそっとトントンとノックして、開く時間を告げる。
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