愛人少年は王に寵愛される

時枝蓮夜

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庵室にて

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『んっ、んっ、んっ』

「っぁ…っ」

  使われているのがクリームだからか、いやらしい水音は幸いにしてしていない。だが、その分昨日より丁寧に塗り広げられているように思う。

  指が一本挿し込まれていたのが二本、三本と増やされ弱いしこりをくるくる指の腹で擦られる。

「~~~っっっ」

  指を広げ、くぱりと蕾を開花させられて外気が中へ入る。すると、得も言われぬうずきが体を駆け巡る。

『…ひぅ…ッ』

  ぶるりと背を震わせると、たかぶったペニスもふるっと揺れる。

「コッチも辛そうだな」

『…っんぅっ』

  するっと指が蕾から引き抜かれると、その手は淀みなくペニスへ回された。そして、親指の腹で裏筋をなぞりながら手のひら全体でペニスを包んで激しくしごかれる。

「ぁっ、ぁっ、あ……っ」


  腰はがくがく震え、熱が集まるのにうち震える。声はきっと殺せない。

「~~~っぁあ………ぁっ」

◇◇◆

「アダート、近くにいるのだろう?何か体を包める物を」

「こちらにおります。
  …陛下へいか、さんざん探してやっと手に入れた初恋の少年でしょう?こんな事を続けていたら、心も体も壊れてしまいますよ」

「…、分かっている。分かっているが…」

  言葉は耳に届いているが、意味は理解できない。ただの音として耳に響く。体を何かで頭まですっぽり包まれる。その後は肩と膝を抱かれて浮遊する感覚が続いた。

◇◇◆

「……ん…」

「目覚めたか?」

「……っ!」

  眉を下げ、心配そうに顔を覗き込んでいる陛下へいかの視線と目があった。

東屋あずまやではすまなかった…」

  抱き起こされて陛下へいかの腕に、そっと抱きすくめられた。逃れようと思えばいくらでも逃れられるほど、とてもふんわりと。

「自分でもどう扱えば良いのか分からず、この気持ちを持て余している。それをそのままそなたに向けて、本当にすまなかった」

  驚いた。だって、普段の陛下へいかからは考えられない弱々しいお姿だったから。

「サーリャン、それでも私がそなたを愛おしく思っている事は分かってくれまいか?」

  僕以外の男に欲情した事がないとおっしゃっておられた。そんな方が僕を抱きたい、愛人にと望まれるのだ。思って下さっているのは本当なのかも知れない。

「わかり、ました…。
  ただ、僕は男性のお相手をする事になるとは思わず育ちました。陛下へいかちょうを受ける。それだけでもとても恥ずかしいです。人に知られたくない、です。だから…」

「ああ、もう外では無理強いしないと誓う」

  今まで見て来た陛下へいかと違いすぎて、調子が狂っちゃうな…。
  目の前にいるのは恋愛がとても下手で、どうしたら良いのか分からずおろおろしているただの青年でしかない。

  くす…っ。

「サーリャン?」

「いえ、陛下へいかが普通の恋する青年に見えてしまって…。すみません」

「謝る事はない。まさにその通りなのだからな」

◇◇◆

「ひあっ?!!」

「やはり前立腺を責められるのは弱いようだな」

  陛下へいかは芯をもってうずく乳首を飴玉のように舐め転がして味わっておられる。そうしながら三度目の開花は、もう指三本の挿送まで進んだ。少し手を動かして開花の具合が良くなると、指の腹で前立腺というポイントを責めて下さる。

「ぁっあっあ………っ」

  シーツを掴み、必死にその腰が抜けそうな重く鋭く、体を駆け抜ける刺激に耐える。

  ぬちっ、ぬちっ、…ぬちぬちぬちゅっ。

「だ!!ペニ~~~っぁあーあ!!」

「イって弛緩しかんしている方が慣れるまでは痛みが少ないそうだ。しっかり放って受け入れてほしい」

  ぶびゅびゅびゅっ。ぷびゅっ。

「ぁ、はあ…、はぁ…」

「どうだ?受け入れられそうか?」

  体を起こされ、前と後ろから責めて僕を激しくイかせられた陛下へいかが心配そうに尋ねて来られる。男性を受け入れるのはまだ抵抗はある。それでも男性を受け入れるのは、こんなに気持ち良いと知ってしまった…。

  こくり。

  イってもうろうとする中、素直に頷いて答えるのが精一杯だった。
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