4 / 9
散歩と野外での寵愛
しおりを挟む
「昼に治療師は差し向けたが、体はどうか?」
普段なら、まだ政務をこなしておられる夕方。そんな早い時間に陛下はお戻りになられた。
「は、い。普通に過ごせるほど回復しました。
治療師さまをありがとうございました」
「ふむ。なら、しばらく外へ出ておらなんだろう。庭を散歩しにゆくぞ」
嬉しい!外へ出られる!
僕は陛下と一緒でなければ庭にも出られない。だから滅多に外へ出る事がない。
「はい。参ります」
僕は嬉しくて、その言葉に一も二もなく従った。
◇◇◆
「わあ、気持ち良い…!」
夏も近いこの季節、夕方の散歩は陽の光も弱くて心地好い。久しぶりの散歩で、土の匂いや草花の香りにもほっとする。
「…今夜は庵室に泊まろう」
僕の腕を引いてエスコートしていた陛下がそんな事をおっしゃる。
「え?でも警備が…」
「気にせずとも良い。そなたに久しぶりの外を満喫させてやる」
「あ…、ありがとうございます」
陛下は時々、こうして僕が喜ぶ事をして下さる。以前は図書室への自由な行き来を許して下さった。家庭教師を付けて下さった事もある。
ただし、ベールで顔を隠すのが条件に出された。今もベールを付けていて、目だけが出ている。
特に何か話すでもなかったが、ゆっくり散歩を楽しんだ。体力がない僕は庵室に着く前に疲れてしまったのだが…。
休憩に近くの東屋へ誘われた。そして周りに衝立が立てられると、ベールを外す許可が下りる。
「…ふ……、熱かった…」
「そのようだな。ずいぶん汗をかいて、肌も火照っているな」
陛下は長い指で、僕の額に張り付いた髪を避けながらくつくつと喉を鳴らされる。
「私の元から逃げないと安心できれば、もっと自由に散歩程度許したのだが…」
「…………」
僕は望んで陛下の愛人になったのではない。ある日突然父の元へ愛人に召し上げる報せが届き、本当に召し上げられてしまったのだ。
婚約者探しもそろそろと父が準備していたくらい、普通に女性と結婚するものだと思っていた。男の身で、陛下の愛人に召し上げられる可能性を考えている貴族の方が稀な考えだ。
攫われるようにここへ連れて来られ、逃げ出すなというのが無理というもの。
「ふん…?!」
しばらく思考に耽っていると、とつぜん陛下に深く口を吸われた。
「…!んぅっ、やっ」
「汗ばんだ肌に上気した頬…。まるで閨で睦み合った時のようだな。
声を上げてもかまわぬ。離れたことろに控えさせている者達に、そなたの艶声を聞かせるだけぞ」
「!!」
◇◇◆
「~~~っぁ」
椅子に両手を着いて押さえつけられ、お尻を突き出すようにして囚われる。衣は乱され、下穿きも膝まで下ろされてしまった。
懐から小瓶を取り出すと、陛下は片手で器用にあけられ中身を手に掬われた。
それをお尻の合わせを使って、指にまとわせられる。指にクリームをまとうと、今度は昨日開花させられたばかりの蕾に丁寧に塗り広げられてしまった。
その時にはもう蕾はひくりと蠢き、中を擦られる期待にひくついてしまっていた。
「昨日、具合が良かったようだな。ココが期待しているようで、何よりだ」
ぷつりっ。くん、ずっ、ずっ、ず…っ。
陛下は僕の耳元で低く掠れた声で囁く。そうしながら、蕾を中指で慣らしに取りかかられる。
こんなところで恥ずかしい蕾を暴かれるなんて、死んでしまいたい…っ。それが叶わないなら、寵を得ていると知られたくない…っ。
そう思い必死に声を殺す。だが、殺し切れず甘い声が漏れてしまう。
ああ、どうか誰にも悟られませんよう。どうか、誰も僕の痴態に気付かないで…!
普段なら、まだ政務をこなしておられる夕方。そんな早い時間に陛下はお戻りになられた。
「は、い。普通に過ごせるほど回復しました。
治療師さまをありがとうございました」
「ふむ。なら、しばらく外へ出ておらなんだろう。庭を散歩しにゆくぞ」
嬉しい!外へ出られる!
僕は陛下と一緒でなければ庭にも出られない。だから滅多に外へ出る事がない。
「はい。参ります」
僕は嬉しくて、その言葉に一も二もなく従った。
◇◇◆
「わあ、気持ち良い…!」
夏も近いこの季節、夕方の散歩は陽の光も弱くて心地好い。久しぶりの散歩で、土の匂いや草花の香りにもほっとする。
「…今夜は庵室に泊まろう」
僕の腕を引いてエスコートしていた陛下がそんな事をおっしゃる。
「え?でも警備が…」
「気にせずとも良い。そなたに久しぶりの外を満喫させてやる」
「あ…、ありがとうございます」
陛下は時々、こうして僕が喜ぶ事をして下さる。以前は図書室への自由な行き来を許して下さった。家庭教師を付けて下さった事もある。
ただし、ベールで顔を隠すのが条件に出された。今もベールを付けていて、目だけが出ている。
特に何か話すでもなかったが、ゆっくり散歩を楽しんだ。体力がない僕は庵室に着く前に疲れてしまったのだが…。
休憩に近くの東屋へ誘われた。そして周りに衝立が立てられると、ベールを外す許可が下りる。
「…ふ……、熱かった…」
「そのようだな。ずいぶん汗をかいて、肌も火照っているな」
陛下は長い指で、僕の額に張り付いた髪を避けながらくつくつと喉を鳴らされる。
「私の元から逃げないと安心できれば、もっと自由に散歩程度許したのだが…」
「…………」
僕は望んで陛下の愛人になったのではない。ある日突然父の元へ愛人に召し上げる報せが届き、本当に召し上げられてしまったのだ。
婚約者探しもそろそろと父が準備していたくらい、普通に女性と結婚するものだと思っていた。男の身で、陛下の愛人に召し上げられる可能性を考えている貴族の方が稀な考えだ。
攫われるようにここへ連れて来られ、逃げ出すなというのが無理というもの。
「ふん…?!」
しばらく思考に耽っていると、とつぜん陛下に深く口を吸われた。
「…!んぅっ、やっ」
「汗ばんだ肌に上気した頬…。まるで閨で睦み合った時のようだな。
声を上げてもかまわぬ。離れたことろに控えさせている者達に、そなたの艶声を聞かせるだけぞ」
「!!」
◇◇◆
「~~~っぁ」
椅子に両手を着いて押さえつけられ、お尻を突き出すようにして囚われる。衣は乱され、下穿きも膝まで下ろされてしまった。
懐から小瓶を取り出すと、陛下は片手で器用にあけられ中身を手に掬われた。
それをお尻の合わせを使って、指にまとわせられる。指にクリームをまとうと、今度は昨日開花させられたばかりの蕾に丁寧に塗り広げられてしまった。
その時にはもう蕾はひくりと蠢き、中を擦られる期待にひくついてしまっていた。
「昨日、具合が良かったようだな。ココが期待しているようで、何よりだ」
ぷつりっ。くん、ずっ、ずっ、ず…っ。
陛下は僕の耳元で低く掠れた声で囁く。そうしながら、蕾を中指で慣らしに取りかかられる。
こんなところで恥ずかしい蕾を暴かれるなんて、死んでしまいたい…っ。それが叶わないなら、寵を得ていると知られたくない…っ。
そう思い必死に声を殺す。だが、殺し切れず甘い声が漏れてしまう。
ああ、どうか誰にも悟られませんよう。どうか、誰も僕の痴態に気付かないで…!
73
あなたにおすすめの小説
歳上公爵さまは、子供っぽい僕には興味がないようです
チョロケロ
BL
《公爵×男爵令息》
歳上の公爵様に求婚されたセルビット。最初はおじさんだから嫌だと思っていたのだが、公爵の優しさに段々心を開いてゆく。無事結婚をして、初夜を迎えることになった。だが、そこで公爵は驚くべき行動にでたのだった。
ほのぼのです。よろしくお願いします。
※ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
【完結】僕は、妹の身代わり
325号室の住人
BL
☆全3話
僕の双子の妹は、病弱な第3王子サーシュ殿下の婚約者。
でも、病でいつ儚くなってしまうかわからないサーシュ殿下よりも、未だ婚約者の居ない、健康体のサーシュ殿下の双子の兄である第2王子殿下の方が好きだと言って、今回もお見舞いに行かず、第2王子殿下のファンクラブに入っている。
妹の身代わりとして城内の殿下の部屋へ向かうのも、あと数ヶ月。
けれど、向かった先で殿下は言った。
「…………今日は、君の全てを暴きたい。
まずは…そうだな。君の本当の名前を教えて。
〜中略〜
ねぇ、君は誰?」
僕が本当は男の子だということを、殿下はとっくに気付いていたのだった。
特等席は、もういらない
香野ジャスミン
BL
好きな人の横で笑うことができる。
恋心を抱いたまま、隣に入れる特等席。
誰もがその場所を羨んでいた。
時期外れの転校生で事態は変わる。
※エブリスタ、ムーンライトノベルズでも同時公開してます
僕の居場所も、彼の気持ちも...。
距離を置くことになってしまった主人公に近付いてきたのは...。
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる