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「落合は二次会行く?」
「ううん、私はこれで帰るね」
人気者の久田くんはきっとこの後も参加だろう。むしろ私とばかり話していて他の人との交流が全然できていなかったわけだし。正しいコミュニティーに戻るべきである。
「じゃあ俺送っていくよ」
「いいよ、駅すぐそこだし」
「なんか少しフラフラしているし」
確かに楽しくていつもよりお酒を飲んだ気がする。頭が上手く回らない。ぼけっとしていたら皆の輪から外れて一緒に帰る流れが決まっていた。
「志伸頑張れよ~」
「…うるせぇ」
「ファイト~」
久田くんと仲が良かったグループの面々が何やら話している。あんなに楽しそうなら混ざってくればいいのに。私を送ると言って譲らないのが不思議である。こんなに気を使わせてしまって申し訳ない。
「ごめんね、私のせいで」
「何が?」
「皆ともっと話したかったでしょ?」
「あいつらとはいつでも会えるからいいよ」
交友関係の広そうな彼のことだ、私と違って色んな人と頻繁に連絡を取り合っているのだろう。レアキャラの私とは今日しか交流しないだろうから惜しんでくれているのかもしれない。ん?でも、高校時代に好きだった子に会いにきたのではなかったか。その子は二次会に行かないのだろうか。
「久田くん会いたかった子は二次会にいないの?」
「いないよ」
「その子を送ってあげたほうがいいんじゃないかなって」
「だから今送っているでしょ」
「ん?」
「今日、落合に会いたいと思って来たって言ったら信じてくれる?」
「んん?」
「相手にされなかった好きな子が、落合だって」
「そんなわけないでしょ」
「伴野に声をかけて誘ってもらうように頼んだ。確認してもらってもいいよ」
みいちゃんが行けなくなった時点で私も欠席しようか迷ったが、それを察知したのかたまには自分以外とも交流を図ったほうがいいと説得されたのだった。普段はそんなことを言わないから珍しいと思っていたが謎が解けた。
「お試しでいいからさ、俺と付き合ってよ」
「急すぎてちょっと…」
「もちろん付き合ってみて合わないって思ったら振ってくれてかまわないから」
「まずは、お友達から…で?」
こういう時の正しい返事の仕方が分からない。久田くんが私のことを好き?お試しで付き合っていいものなのだろうか。
「友達とすら思われていなかったかぁ」
「ご、ごめんなさい」
「いいよ、俺も落合とは友達になりたいわけじゃないし」
「……」
「とりあえず、連絡先交換しよっか」
「うん」
連絡先を交換しようとしたら、みいちゃんから”今日は本当にごめん。久田くんと会えた?”とメッセージが届いていた。私に会うために協力してもらったというのは真実のようだ。みいちゃんはいつから知っていたのか。そもそも、私のどこを好きになったのか。
久田くんは私よりもいい大学を出て、有名な会社に勤めていて。見た目もかっこよくて人気もあって友達も多い。もっと彼に釣り合う素敵な女性がいるのではないか。人気者だったから、高校時代に叶わなかった恋に未練があるだけで、再会した現在そんなもの幻だったと思い直さないだろうか。
「じゃあ、彼氏候補としてこれからよろしく。詩織」
「ううん、私はこれで帰るね」
人気者の久田くんはきっとこの後も参加だろう。むしろ私とばかり話していて他の人との交流が全然できていなかったわけだし。正しいコミュニティーに戻るべきである。
「じゃあ俺送っていくよ」
「いいよ、駅すぐそこだし」
「なんか少しフラフラしているし」
確かに楽しくていつもよりお酒を飲んだ気がする。頭が上手く回らない。ぼけっとしていたら皆の輪から外れて一緒に帰る流れが決まっていた。
「志伸頑張れよ~」
「…うるせぇ」
「ファイト~」
久田くんと仲が良かったグループの面々が何やら話している。あんなに楽しそうなら混ざってくればいいのに。私を送ると言って譲らないのが不思議である。こんなに気を使わせてしまって申し訳ない。
「ごめんね、私のせいで」
「何が?」
「皆ともっと話したかったでしょ?」
「あいつらとはいつでも会えるからいいよ」
交友関係の広そうな彼のことだ、私と違って色んな人と頻繁に連絡を取り合っているのだろう。レアキャラの私とは今日しか交流しないだろうから惜しんでくれているのかもしれない。ん?でも、高校時代に好きだった子に会いにきたのではなかったか。その子は二次会に行かないのだろうか。
「久田くん会いたかった子は二次会にいないの?」
「いないよ」
「その子を送ってあげたほうがいいんじゃないかなって」
「だから今送っているでしょ」
「ん?」
「今日、落合に会いたいと思って来たって言ったら信じてくれる?」
「んん?」
「相手にされなかった好きな子が、落合だって」
「そんなわけないでしょ」
「伴野に声をかけて誘ってもらうように頼んだ。確認してもらってもいいよ」
みいちゃんが行けなくなった時点で私も欠席しようか迷ったが、それを察知したのかたまには自分以外とも交流を図ったほうがいいと説得されたのだった。普段はそんなことを言わないから珍しいと思っていたが謎が解けた。
「お試しでいいからさ、俺と付き合ってよ」
「急すぎてちょっと…」
「もちろん付き合ってみて合わないって思ったら振ってくれてかまわないから」
「まずは、お友達から…で?」
こういう時の正しい返事の仕方が分からない。久田くんが私のことを好き?お試しで付き合っていいものなのだろうか。
「友達とすら思われていなかったかぁ」
「ご、ごめんなさい」
「いいよ、俺も落合とは友達になりたいわけじゃないし」
「……」
「とりあえず、連絡先交換しよっか」
「うん」
連絡先を交換しようとしたら、みいちゃんから”今日は本当にごめん。久田くんと会えた?”とメッセージが届いていた。私に会うために協力してもらったというのは真実のようだ。みいちゃんはいつから知っていたのか。そもそも、私のどこを好きになったのか。
久田くんは私よりもいい大学を出て、有名な会社に勤めていて。見た目もかっこよくて人気もあって友達も多い。もっと彼に釣り合う素敵な女性がいるのではないか。人気者だったから、高校時代に叶わなかった恋に未練があるだけで、再会した現在そんなもの幻だったと思い直さないだろうか。
「じゃあ、彼氏候補としてこれからよろしく。詩織」
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