バージンのままで

秋元智也

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第二十一話

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すぐに抱き起こすと、彼女を背に庇った。

 達也 「高橋、お前何やったか分かってるのか?」
 高橋 「あぁ、よーく、分かってるよ。達也を殺そうとした、そうだな?
     由美子?」
 達也 「え?何言って…お前が叩いたんだろ?責任逃れすんなよ!」
 高橋 「違う。あの時、確かに首にくっきりと指の跡があったんだよ。達也
     の首に爪が食い込んだ跡もあった。そうだろ?」
 達也 「一体、何言って…?」
 由美子「そうよっ。殺して何が悪いの?あなたさえいなければっ!でも、違っ
     た。あなたはむしろ被害者だったのね。潤、あなたは狂ってる。」
 高橋 「それがどうしたって言うんだ?お前に用はないんだ。さっさと消えろ」
 達也 「それが、元彼女にいう言葉かよ!見損なったぜ。」
 高橋 「何を言ってる?お前は来るんだよ。早く来いよ。」
 由美子「三浦君、行くわよ。」

そう言って達也の手を握ると、帰ろうとした。
そんな事高橋が許すはずもなく、由美子の腕を掴むと締め上げだした。

 達也 「いい加減にしろよ!お前最低だぞ!」
 高橋 「俺から達也を奪う奴は許さない。誰であってもだ。」

その言葉に愕然とした。高橋が思った以上に危険であった事を思い知ら
された。

 高橋 「達也?今から来るだろ?来ないならこのまま由美子の腕を折る」
 由美子「いやっー。痛い、痛いったら!離してっー三浦君助けて」
 達也 「…離してやってくれよ。」
 高橋 「なら、こんな女といないですぐに来いよ。来るんだろう?」

由美子の腕を離すと地面に転がした。
駆け寄ろうとした達也の腕を掴むと、引きずる様にマンションに連れられて
きた。

 達也 「あんな酷い事しなくてもいいだろ?」
 高橋 「…」

一向に腕を離そうとせず、黙ったまま部屋へと入った。

 高橋 「遅くなったからな。さっさとカメラセットして脱げよ。」
 達也 「高橋…聞きたいことがあるんだ。あの日、屋上の配電室で何が    
     あった?いや…何をしたんだ?」
 高橋 「そんな事どうでもいいだろ?」
 達也 「どうでもよくない。はっきり言ってくれ!お前は…」
 高橋 「はぁ~。撮影が終わったら話してやるよ。」

こんな気持ちで撮影なんかしたくなかった。
本当は高橋との時間を楽しみにしていたのに…。
由美子が見せた映像が頭から離れなかった。

 達也 「分かった。あとで全部話せよ。」
 高橋 「あぁ…」

気持ちを切り替えると、脱ぎ始めた。
かつらとホクロを付けて、久々にメガネもかけた。金髪のカツラは白い
肌に映えて少し遊んでいる感じを出したくて、それを選んだ。
高橋は達也の何をそんなに執着するというのだろう?
考えながら撮影していると久しぶりの動画撮影に少し緊張して来た。
今までだったら、なかった緊張感だった。

 達也 「最近不定期配信のたっちゃんでーす。今日はこれ!みんなは
     知ってるかな?よくSMプレイで使われる低温蝋燭!これを
     使っていこうと思います。どんだけ熱いかも体験してみるよ。
     よーくみててね。俺って熱いの苦手だからつい叫んじゃうかも」
 高橋 「ジュンだ。これを使うのは俺だ。こいつのを泣かせるのも、叫ば
     せるのも、狂わせるのも俺だけだ。他の誰にも触らせねーよ。」
 達也 「なにそれ?なに言っちゃってるの?」
 高橋 「事実だ。そう、事実になるんだ…」

そういうと、目が笑っていなかった。撮影中はいつも笑顔で答えていたが、
今日は違っていた。真顔で怖いくらい真剣だった。

 達也 「じゃー、ジュンちゃんに可愛いがってもらおっかな~、痛くし
     ないでね」

そういうと、高橋は達也の体を拘束具でカチカチに拘束した。
腕は上で絡めて、足は曲げた状態で固定し、動かない様にベットからも紐
で固定する。真っ白なシーツに赤い蝋燭。
達也の体を縛るのは真っ赤なシルクの縄だった。

 高橋 「パンツなんか履くなよ。こんなのいらねーだろ?それにこんなに綺麗
     にさ~ツルツルに剃ってやったんだ。ちゃんと見せてやれよ。」

そう言ってカメラに毛が生えていない股間を晒した。
 今日のは完全生配信だった。
パンツを脱がせ股間を晒すと、まだ元気のないペニスを持ち上げると、剃り残しが
ない事を見せた。

 高橋 「今は元気がねーけど、そのうち痛みでパンパンになるんだ。しっかりと
     見とけよ。」

そういうと、蝋燭に火をつけて、達也の前に見せる。
それからゆっくりと腹にポタリ、ポタリと垂らす。

 達也 「あっ…あつっ…熱いっ…あ…でもすぐに冷えてるかも」

数的垂らしたところを高橋が触ると、もうカチカチに固まっていた。

 高橋 「だから言っただろ?こんなに熱く無いって。ほらっ」

そう言っては腹に落ちて固まった蝋燭をペリっと剥がした。
肌は火傷一つせず、少し赤くなったくらいだった。
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