バージンのままで

秋元智也

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第三十三話

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樋口が連れて行かれて、部屋の中は静かになった。

 達也 「逃げねーから解けよ!高橋。」

『さっきと態度が違うじゃねーか?もっと弄って欲しいのか?』

 達也 「あぁ、弄って欲しいよ。でもなっ…まずは取れよ。
     高橋なんだろう。いい加減にしろよ!」

『あー。つまんねーの』

目隠しを外され、拘束も剥がされた。
いまだに中には高橋のモノを咥え込んだままなのでうまく身動き
がとれない。

 達也 「どういうつもりだよ。こんな事して何がしたかったん
     だよ、ちゃんと言えよ!」
 高橋 「言ってどうにかなるのか?こうしたかったって言って
     どうにかなったのか?」

グイッと達也の体を引き離すと、自分に引き寄せる。

 達也 「あぁっ!…いっきなり…動くな…あっ…やっ…
     そこっ…」
 高橋 「本当に敏感だよな~、あれからさ、いろんな奴を抱い
     たんだが、誰も満足できなくてな…そこに達也が入っ
     て来たんだよ。忘れようとしてたのに…知らない男に
     伴われて出てっちまうし。あの時はショックだったん
     だぞ。俺が男だから嫌なのだと思ってたのに、まさか
     男と付き合ってるなんておもわねーだろ?ならいっそ
     俺だけのモノにしてもいいかなって…だめか?俺は…」
 達也 「いいよっ…」
 高橋 「だよな~、分かってはいたけど…」

一瞬目を疑った。しばらく言葉に詰まると、勢いよく達也に迫った。

 達也 「あっ…なかっ…大きくなって…まって…あぁあっ…」
 高橋 「すまん、止まらない」

ソファーに押し倒すと、勢いよく何度も出し入れした。
焦らしていたのだが、今の返事を聞いて、抑制が効かずそのままイク
まで突き進んだ。
二人は荒い息のまま、床に寝転んだ。

 高橋 「嘘じゃないよな?一生俺の者になってくれるか?」
 達也 「一生って…でも…ちゃんと責任取れよ。こんな体にしとい
     ていなくなるって最低だろ?あのサイトの動画も全て消し
     たしもう、やる気もないよ。それよりも…気持ちいい事見
     つけたし。前みたいに俺だけイかし続けるなんてするなよ!
     今度は一緒に気持ちよくなろうぜ」
 高橋 「いいのか?俺は…お前の事…さっきも酷い事したのに…」
 達也 「分かってるなら、反省しろよ。樋口はただの友達。それ以上
     でも以下でもねーの。尻の中が疼くんだよ。お前のでちゃん
     と治してくれよ。こーんなにでっかくして…どんだけエッチ
     なんだよ。」
 高橋 「それはお互い様だろ?これが欲しいなんて…言われるとは
     思わなかったし…やっぱり達也が一番いい。達也じゃない
     とだめだ。お前の事が好きだよ。」
 達也 「だったら、逃げるなよ。ずっとそばにいるんだろ?」
 高橋 「あぁ、離すつもりはない。」

達也はにっこりと笑うと高橋の方に手を伸ばすと自然と引き寄せられ
た。
そのまま唇を重ね、舌を絡める。
つたないが達也からも自分で絡めていく。
深く、深く絡み合うように…高橋の手が下半身をゆっくりと撫でるよ
うに触れていく。さっきみたいにいやらしくじゃない。
愛おしい人を触れるように、優しくそして感じさせるように…。
自然と達也は自分で足を開き迎え入れる。

 高橋 「自分から開くのは初めてだな?すっげーやらしい」
 達也 「俺も…欲しいから…入れたいだろ?」
 高橋 「あぁ、すっげー入りたい。達也の中にずっと入れていたい」
 達也 「それは無理だから…でもさ、高校卒業したらさ一人暮らし
     するんだ…一緒に住まないか?」
 高橋 「毎日できるなら…どこでもいい。」
 達也 「毎日はちょっと…少しは考えろよ。体がもたねーって。」

二人は見つめ合うと、互いの熱を分け合うように抱きしめあった。



後日、樋口には心配をかけてしまったお詫びとして。謝罪と説明を
したのだった。

 樋口 「まさかたつやんがあの探しとったお人やとはおもわんか    
     ったわ。ホームで助けたんは偶然やけど、これからも良
     い友人でいような!ま、いつでも恋人になってもええで。
     流石にあんなの見せられたら、興奮して眠れんかったわ」
 達也 「ごめん、最初はわからなかったんだ…」
 高橋 「おい、ホームでってどういう事だ?」
 達也 「ホームから落ちちゃって…」
 樋口 「ちゃうで、あれはわざと押したんや。だからすぐに助けに
     入ったんやから。犯人は逃げてしもて、今では捕まえられ
     んけど、気をつけた方がええで。」
 高橋 「これからは俺がついてるからな!」
 達也 「あー。はいはい。」
 樋口 「もし、3Pしたくなったら呼んでな!いつでも参加したる
     さかい。因みに動画も出てくれるなら、歓迎やで。そろ
     そろ帰るわ。ラブラブしたいやろ?」
 達也 「なっ…ちがっ…」
 高橋 「そうだな…良い心がけだ。そろそろ襲いたくなったところだ」
 達也 「高橋っ…ちょっと…どこ触って…あっ…」
 樋口 「またな。」

二人のいる部屋を出ると、外へ出た。
清々しい天気だが、それ以上に複雑な思いだった。
友達に男の恋人ができると、複雑な気持ちになった。それが愛なのかただの
友人としての感情なのか分からなくなる。
この心にぽっかり空いた気持ちはなんだったのか…。ただの憧れとして探し
ていた対象を実は好きになっていたのかもしれない。
気持ちを切り替えて大きく深呼吸すると、走り出した。
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