16 / 61
第十六話 春の訪れは近いか?
しおりを挟む
情報屋トーテンの機転によって聖なる神水とアダ
マンタイト鉱石を手に入れた俺たちはモンドに聖
剣を打ってもらったのだった。
俺も杖が馴染むほど、魔法の訓練に明け暮れた。
毎日ダンジョンへ潜ってはレベル上げをした。
実際にはレベルという概念があるかは不明だったが
戦っている時に、急に身体が軽く感じて、力が溢れ
る事があった。
多分、それがレベルが上がった時なのだろう。
回復職のメンバーを探す為に、ギルドで何人かとパ
ーティーを組むことがあった。
「今日もダメだな……」
「………」
「………」
モンドと誠治は頷くだけで、うんざりしていた。
その理由が、戦闘中に回復職の女性がいきなり誠治
に抱きついたのが原因だった。
「あれはない!魔物との戦闘時に何をしているんだ」
「僕のせいじゃっ……」
「だが、実際に足手纏い以外に役立たずとしか思え
ないだろ?」
「それは……」
庇う要素が一切なかった。
『キャァーー、こわーい!勇者様~守って~』
そう言って抱きついたのだった。
目の前に迫って来る脅威を無視ししてイチャイチャ
とはいい度胸だった。
流石のモンドも怒りで拳を握っていた。
ギルドから紹介された神官は誰も彼もが誠治の気
を引こうとしてしまう。
「なぁ~誠治って魅了でも持ってるのか?」
「そんなものあるわけないよ!あるんだったらと
っくにかけてるよ!」
「おい、誰にかけるつもりだ、誰に?」
「勿論、陸に決まってるだろ?僕はいつだって陸
の事が大好きなんだからさ」
「はいはい。冗談もここまで来ると清々しいな」
「………」
モンドは黙ったままだったが、俺はそのまま受け流
すと、回復職が居ないという問題について悩んでい
たのだった。
数日後、ギルドへ行くと別の回復職の女性神官を
紹介されたのだった。
「紹介に預かったアウラです。よろしくお願いし
ます」
礼儀正しそうな子だった。
「俺が魔術師の陸だ、よろしく」
「勇者の誠治だ。よろしくね」
「俺は前衛の剣士で、鍛治職人のモンドだ。よろ
しくな」
紹介を終えると、ダンジョンへと向かう。
今日もポンコツでなければいいと願うばかりだっ
た。
「そっち行ったぞ!」
「まかせろ!うおりゃーー!」
力任せの攻撃だが、魔物には効果的だ。
「では、ヒールかけます」
戦闘中のヒールは魔物のタゲをとってしまうので、
普通はしないのだが、後衛に俺のような魔術師が
いる場合は別だった。
防御魔法も、攻撃魔法もどちらも使えるので、問
題なく前衛が力を発揮できるのだった。
「勇者様のパーティーはすごいです。時に魔術師
の陸さんは、本当に強くて素敵です!」
「えっ……ほんと?だろ?俺だって、このくらい
簡単だぜ」
アウラは事あるごとに俺を褒めてくれた。
まさか俺の惚れた?
俺にも春の訪れが来たか?
その時の俺は、少し有頂天になっていたのかもしれ
なかった。
マンタイト鉱石を手に入れた俺たちはモンドに聖
剣を打ってもらったのだった。
俺も杖が馴染むほど、魔法の訓練に明け暮れた。
毎日ダンジョンへ潜ってはレベル上げをした。
実際にはレベルという概念があるかは不明だったが
戦っている時に、急に身体が軽く感じて、力が溢れ
る事があった。
多分、それがレベルが上がった時なのだろう。
回復職のメンバーを探す為に、ギルドで何人かとパ
ーティーを組むことがあった。
「今日もダメだな……」
「………」
「………」
モンドと誠治は頷くだけで、うんざりしていた。
その理由が、戦闘中に回復職の女性がいきなり誠治
に抱きついたのが原因だった。
「あれはない!魔物との戦闘時に何をしているんだ」
「僕のせいじゃっ……」
「だが、実際に足手纏い以外に役立たずとしか思え
ないだろ?」
「それは……」
庇う要素が一切なかった。
『キャァーー、こわーい!勇者様~守って~』
そう言って抱きついたのだった。
目の前に迫って来る脅威を無視ししてイチャイチャ
とはいい度胸だった。
流石のモンドも怒りで拳を握っていた。
ギルドから紹介された神官は誰も彼もが誠治の気
を引こうとしてしまう。
「なぁ~誠治って魅了でも持ってるのか?」
「そんなものあるわけないよ!あるんだったらと
っくにかけてるよ!」
「おい、誰にかけるつもりだ、誰に?」
「勿論、陸に決まってるだろ?僕はいつだって陸
の事が大好きなんだからさ」
「はいはい。冗談もここまで来ると清々しいな」
「………」
モンドは黙ったままだったが、俺はそのまま受け流
すと、回復職が居ないという問題について悩んでい
たのだった。
数日後、ギルドへ行くと別の回復職の女性神官を
紹介されたのだった。
「紹介に預かったアウラです。よろしくお願いし
ます」
礼儀正しそうな子だった。
「俺が魔術師の陸だ、よろしく」
「勇者の誠治だ。よろしくね」
「俺は前衛の剣士で、鍛治職人のモンドだ。よろ
しくな」
紹介を終えると、ダンジョンへと向かう。
今日もポンコツでなければいいと願うばかりだっ
た。
「そっち行ったぞ!」
「まかせろ!うおりゃーー!」
力任せの攻撃だが、魔物には効果的だ。
「では、ヒールかけます」
戦闘中のヒールは魔物のタゲをとってしまうので、
普通はしないのだが、後衛に俺のような魔術師が
いる場合は別だった。
防御魔法も、攻撃魔法もどちらも使えるので、問
題なく前衛が力を発揮できるのだった。
「勇者様のパーティーはすごいです。時に魔術師
の陸さんは、本当に強くて素敵です!」
「えっ……ほんと?だろ?俺だって、このくらい
簡単だぜ」
アウラは事あるごとに俺を褒めてくれた。
まさか俺の惚れた?
俺にも春の訪れが来たか?
その時の俺は、少し有頂天になっていたのかもしれ
なかった。
2
あなたにおすすめの小説
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜
キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。
モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。
このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。
「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」
恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。
甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。
全8話。
唇を隠して,それでも君に恋したい。
初恋
BL
同性で親友の敦に恋をする主人公は,性別だけでなく,生まれながらの特殊な体質にも悩まされ,けれどその恋心はなくならない。
大きな弊害に様々な苦難を強いられながらも,たった1人に恋し続ける男の子のお話。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる