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第五十話 取り引き
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和平を約束してからでは、魔族を殺せない。
平和を脅かすような重大な犯罪を犯してからやっ
と動く事が出来るようになる。
だが、それでは遅いのだ。
逃げ足が早く、人の多いところに潜伏されたら、
こちらも手が出せないのだった。
だから、まだ魔王に会う前に決着をつける必要が
あったのだった。
「ナオ、あんたの会ったバンパイアはアゾビエン
テって言って魔王軍の配下で俺はちょっと私怨
があるんだ。魔王に会いに行く前に始末だけし
ておきたいんでね。手伝ってくれるか?」
「どうして私が?」
「だって、奴の心臓の位置が見えるだろ?」
「………」
どうして知っている?
という表情を浮かべたが、すぐに誠治に捕まった
ままなのを思い出し、諦めるようにため息を吐いた。
「わかったわよ。手伝えばいいんでしょう?魔王様
に会いに行く時に私も連れて行くっていうのは、
本当なんでしょうね?」
「もちろんだ。勇者は嘘は言わないからな」
「それは僕から約束しよう」
陸の言葉に誠治が頷いたのだった。
ナオの意見は、この街では絶対なのだそうだ。
その理由が、ナオの母はこの街を治めるサキュバ
スの長なのだという。
それなら、納得がいく。
ナオが護られた存在なのは、力だけじゃなく身分
も関係しているという事だった。
「嘘を見抜けるついでに、大事な人はいるか?」
「何を言ってるのよ?この街の仲間全員に決まっ
てるじゃない。人にはわからないでしょうね」
「いや、それならこの街の人の魅了を解いて逃げ
るように言ってくれないか?せめて、魔王と会
うまででいい。それまで身を隠すように説得し
てくれ。」
「どうしてそんな……」
「この街はお前らの食事場だろ?だが、あまりに
目立ちすぎるんだ。もっと見つからない場所に
行って、魔族と人間の同盟が成るまで身を隠し
て欲しい。そうしないと無駄な戦いに駆り出さ
れることになる」
もし、今生き残っても、後で戦いに出されれば意
味がないのだ。
前世はここで皆殺しにしたが、もし生きていれば
次の帝国軍との小競り合いに駆り出されるだろう。
「それは……戦うなって事?」
「あぁ、そういう事だ。先頭に立たされて戦える
のか?魔眼を使うのに前に立たされて、使い捨
てられるんだぞ?それでもいいのか?」
「………」
一通り起こりうる事を説明すると、ナオは俺の言
葉を信じたみたいだった。
嘘を見抜く魔眼のせいだろう。
全く嘘ではないのだから、信じるしかなかっただ
けなのかもしれないが、それでもこの街を捨てて
逃げる事を選んでくれたようだった。
「分かったわ。私以外はここを離れるわ」
「魅了の影響は?」
「1日もすれば切れるわ。常にかけ続ける必要が
あったから……もう、離して貰える?」
誠治がずっとつかんでいたせいか腕が真っ赤に
なっていた。
「陸、本当に信じていいの?」
「あぁ。構わない。魔王に会えばこの旅も終わ
るんだ」
「……陸が言う通り魔王が戦いを嫌っていても
幹部も同じとは限らなくないか?」
「あぁ、そうだ。だから、そいつらも話して分
かってくれるならそれでいい。だが、通じな
いなら………」
殺すしかない。
と付け加えずとも理解した事だろう。
数日を要したが、街を奪還する事に成功したの
だった。
それから、サキュバス達はどこか安全な場所へ
と拠点を移したのだった。
そして、サキュバスという種族が魔王軍として
召喚されたと言って来た魔王軍の幹部であるバン
パイア、アゾビエンテに会う日が来たのだった。
ナオに直接会ってもらって心臓が本人の元にあ
るのかを見て貰う事になった。
こんな早く雪辱を晴らす時が来るとは思わなか
った。
俺が死んだ原因を殺せるとは……。
俺たちの顔がバレているので静かに物陰に隠れ
る事になった。
こうして俺たちは隠れて待機したのだった。
平和を脅かすような重大な犯罪を犯してからやっ
と動く事が出来るようになる。
だが、それでは遅いのだ。
逃げ足が早く、人の多いところに潜伏されたら、
こちらも手が出せないのだった。
だから、まだ魔王に会う前に決着をつける必要が
あったのだった。
「ナオ、あんたの会ったバンパイアはアゾビエン
テって言って魔王軍の配下で俺はちょっと私怨
があるんだ。魔王に会いに行く前に始末だけし
ておきたいんでね。手伝ってくれるか?」
「どうして私が?」
「だって、奴の心臓の位置が見えるだろ?」
「………」
どうして知っている?
という表情を浮かべたが、すぐに誠治に捕まった
ままなのを思い出し、諦めるようにため息を吐いた。
「わかったわよ。手伝えばいいんでしょう?魔王様
に会いに行く時に私も連れて行くっていうのは、
本当なんでしょうね?」
「もちろんだ。勇者は嘘は言わないからな」
「それは僕から約束しよう」
陸の言葉に誠治が頷いたのだった。
ナオの意見は、この街では絶対なのだそうだ。
その理由が、ナオの母はこの街を治めるサキュバ
スの長なのだという。
それなら、納得がいく。
ナオが護られた存在なのは、力だけじゃなく身分
も関係しているという事だった。
「嘘を見抜けるついでに、大事な人はいるか?」
「何を言ってるのよ?この街の仲間全員に決まっ
てるじゃない。人にはわからないでしょうね」
「いや、それならこの街の人の魅了を解いて逃げ
るように言ってくれないか?せめて、魔王と会
うまででいい。それまで身を隠すように説得し
てくれ。」
「どうしてそんな……」
「この街はお前らの食事場だろ?だが、あまりに
目立ちすぎるんだ。もっと見つからない場所に
行って、魔族と人間の同盟が成るまで身を隠し
て欲しい。そうしないと無駄な戦いに駆り出さ
れることになる」
もし、今生き残っても、後で戦いに出されれば意
味がないのだ。
前世はここで皆殺しにしたが、もし生きていれば
次の帝国軍との小競り合いに駆り出されるだろう。
「それは……戦うなって事?」
「あぁ、そういう事だ。先頭に立たされて戦える
のか?魔眼を使うのに前に立たされて、使い捨
てられるんだぞ?それでもいいのか?」
「………」
一通り起こりうる事を説明すると、ナオは俺の言
葉を信じたみたいだった。
嘘を見抜く魔眼のせいだろう。
全く嘘ではないのだから、信じるしかなかっただ
けなのかもしれないが、それでもこの街を捨てて
逃げる事を選んでくれたようだった。
「分かったわ。私以外はここを離れるわ」
「魅了の影響は?」
「1日もすれば切れるわ。常にかけ続ける必要が
あったから……もう、離して貰える?」
誠治がずっとつかんでいたせいか腕が真っ赤に
なっていた。
「陸、本当に信じていいの?」
「あぁ。構わない。魔王に会えばこの旅も終わ
るんだ」
「……陸が言う通り魔王が戦いを嫌っていても
幹部も同じとは限らなくないか?」
「あぁ、そうだ。だから、そいつらも話して分
かってくれるならそれでいい。だが、通じな
いなら………」
殺すしかない。
と付け加えずとも理解した事だろう。
数日を要したが、街を奪還する事に成功したの
だった。
それから、サキュバス達はどこか安全な場所へ
と拠点を移したのだった。
そして、サキュバスという種族が魔王軍として
召喚されたと言って来た魔王軍の幹部であるバン
パイア、アゾビエンテに会う日が来たのだった。
ナオに直接会ってもらって心臓が本人の元にあ
るのかを見て貰う事になった。
こんな早く雪辱を晴らす時が来るとは思わなか
った。
俺が死んだ原因を殺せるとは……。
俺たちの顔がバレているので静かに物陰に隠れ
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こうして俺たちは隠れて待機したのだった。
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