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第五十四話 愛の約束
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強い魔物は出ない代わりに、ゴブリンやコボル
トが群れで発生している事が多かった。
観光地といっても冒険者を護衛につけて出歩く
のが当たり前なのだが、彼らは違っていた。
本当にただの見物にでも来たと言う格好のカッ
プルは、コボルトに腰を抜かしていたのだった。
「危ねーから、ちゃんと護衛を雇って来いよ!」
今にも泣きそうな女性を庇うように腰が抜けて
動けない男性。
どちらにしても、二人というお荷物を連れて一旦
帰る必要がありそうだった。
「チッ……後ろに下がってろっ!」
俺は彼らを庇うようにして立つと後ろに壁を築き
魔物の攻撃を防ぐ。
あとは前だけ見て動けばいい。
本当なら、誠治の援護に行きたいのだが……。
今の状況ではそれも無理だろう。
誠治は勇者なのでこんなコボルト程度で怪我をす
る事はないとわかってはいたが、やっぱり数が数
だけに心配にはなる。
「誠治ーーっ、そっちは大丈夫か?」
「うん。平気。陸も無理しないで」
「あぁ、当たり前だろ?俺を誰だと思ってんだよ」
これでも、宮廷魔法師たちの度肝を抜かせた男
だぞ?
倒し終えると、指定部位だけを取って死体は焼
き払う。
指定部位は討伐の証拠に取っておいたのだ。
あとは、この腰を抜かしたカップルを街まで連
れていかねばと思うと、予想外の言葉が返って
来たのだった。
「助けてくださり、ありがとうございました」
「本当にありがとうございました。私達はどう
しても今日、ユニコーンを見なければならな
いのです、どうか私達の護衛をしてくれませ
んか?」
一瞬言葉が出なかった。
どうして俺らが、こんなただのバカップルの護衛
なんて……。
そう口に出そうになったところを誠治が止めた。
「事情を聞いても?今の時期なら今日でなくても
いいのではないですか?」
それを聞いて、男女は見つめ合うと、真剣な顔
でこちらを見て来た。
「私達は、明日別れるのです。それで最後に、
一緒にユニコーンを見て再び会える事を願う
つもりだったのです」
「どうして別れるのか聞いても?」
誠治にも疑問だったのだろう。
別れたくないからユニコーンを見て永遠の愛を
誓うのだ。
なのに、見てから別れる意味がわからない。
「それは……僕のせいなのです。僕の父は行商
を行っており、各地へと品物を届ける仕事を
しておりました。先日、とある街へ届けに行
った際に大事な物を壊してしまったのです。
それの弁償として無償労働を言い渡されたの
です、ですが父は足を負傷しており労働が出
来る体ではありません、代わりに僕が赴く事
になったのです」
「その場所が領主邸でして……あそこに行くと
人格が変わると言われていて……」
彼女の心配はそこにあるのだろう。
帰って来ても、前の彼ではないかも知れない。
だから、今のうちに永遠を願っておきたいのだ
ろう。
「そんな事情が……なら僕達も今日ユニコーン
にどうしてもお目にかかりたかったので、ご
一緒しましょう」
「おい、誠治っ……」
俺が止めようとしたが、誠治が返事をしてしま
ったのでそれ以上言えなかった。
「本当ですか!ありがとうございます」
「本当にありがとうございます。こんなお強い
方がついて来てくれるなんて……」
そりゃ、勇者だからな。
強いに決まっている。
だが、問題が一つあった。
その女……処女なのだろうか?
付き合っているのなら、もしかしたら……。
ユニコーンの性質上非処女には決して近付いて
こない。
逆に刺激して攻撃的になる傾向がある。
なんだか雲行きが怪しい気がしてならなかった。
トが群れで発生している事が多かった。
観光地といっても冒険者を護衛につけて出歩く
のが当たり前なのだが、彼らは違っていた。
本当にただの見物にでも来たと言う格好のカッ
プルは、コボルトに腰を抜かしていたのだった。
「危ねーから、ちゃんと護衛を雇って来いよ!」
今にも泣きそうな女性を庇うように腰が抜けて
動けない男性。
どちらにしても、二人というお荷物を連れて一旦
帰る必要がありそうだった。
「チッ……後ろに下がってろっ!」
俺は彼らを庇うようにして立つと後ろに壁を築き
魔物の攻撃を防ぐ。
あとは前だけ見て動けばいい。
本当なら、誠治の援護に行きたいのだが……。
今の状況ではそれも無理だろう。
誠治は勇者なのでこんなコボルト程度で怪我をす
る事はないとわかってはいたが、やっぱり数が数
だけに心配にはなる。
「誠治ーーっ、そっちは大丈夫か?」
「うん。平気。陸も無理しないで」
「あぁ、当たり前だろ?俺を誰だと思ってんだよ」
これでも、宮廷魔法師たちの度肝を抜かせた男
だぞ?
倒し終えると、指定部位だけを取って死体は焼
き払う。
指定部位は討伐の証拠に取っておいたのだ。
あとは、この腰を抜かしたカップルを街まで連
れていかねばと思うと、予想外の言葉が返って
来たのだった。
「助けてくださり、ありがとうございました」
「本当にありがとうございました。私達はどう
しても今日、ユニコーンを見なければならな
いのです、どうか私達の護衛をしてくれませ
んか?」
一瞬言葉が出なかった。
どうして俺らが、こんなただのバカップルの護衛
なんて……。
そう口に出そうになったところを誠治が止めた。
「事情を聞いても?今の時期なら今日でなくても
いいのではないですか?」
それを聞いて、男女は見つめ合うと、真剣な顔
でこちらを見て来た。
「私達は、明日別れるのです。それで最後に、
一緒にユニコーンを見て再び会える事を願う
つもりだったのです」
「どうして別れるのか聞いても?」
誠治にも疑問だったのだろう。
別れたくないからユニコーンを見て永遠の愛を
誓うのだ。
なのに、見てから別れる意味がわからない。
「それは……僕のせいなのです。僕の父は行商
を行っており、各地へと品物を届ける仕事を
しておりました。先日、とある街へ届けに行
った際に大事な物を壊してしまったのです。
それの弁償として無償労働を言い渡されたの
です、ですが父は足を負傷しており労働が出
来る体ではありません、代わりに僕が赴く事
になったのです」
「その場所が領主邸でして……あそこに行くと
人格が変わると言われていて……」
彼女の心配はそこにあるのだろう。
帰って来ても、前の彼ではないかも知れない。
だから、今のうちに永遠を願っておきたいのだ
ろう。
「そんな事情が……なら僕達も今日ユニコーン
にどうしてもお目にかかりたかったので、ご
一緒しましょう」
「おい、誠治っ……」
俺が止めようとしたが、誠治が返事をしてしま
ったのでそれ以上言えなかった。
「本当ですか!ありがとうございます」
「本当にありがとうございます。こんなお強い
方がついて来てくれるなんて……」
そりゃ、勇者だからな。
強いに決まっている。
だが、問題が一つあった。
その女……処女なのだろうか?
付き合っているのなら、もしかしたら……。
ユニコーンの性質上非処女には決して近付いて
こない。
逆に刺激して攻撃的になる傾向がある。
なんだか雲行きが怪しい気がしてならなかった。
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