俺がモテない理由

秋元智也

文字の大きさ
55 / 61

第五十五話 前世での約束

しおりを挟む
俺の魔力に当てられて現れたのは、何も魔物だ
けではなかった。

森の動物達もたまに顔を出す。

普通は人がいると出てこないのだが、魔力の波
長に当てられたのかひょっこり顔をだすのだ。

魔物も一緒に出てくるので、その度に戦闘にな
る。

「陸は魔物ホイホイみたいだね……」
「ゴキブリホイホイみたいに言うなよ?肝心の
 アレは出てこねーけどな」
「うん、そうだね~」

誠治は本当に俺と一緒に見たかったのだろうか?
まぁ、伝説級の魔物だしな。
見られたらラッキーみたいな感じなのだろう。

俺だって可愛い彼女連れて一緒に見に来たかった
けどな。

彼女が居ないのだから、仕方がない。
そう…仕方がないから誠治と来ているのだ。

約束もしたからな……前世で。

誠治は知らない俺だけが知っている約束。
未来にする約束を今、果たそうとしているのだ。

「そう言えば、ユニコーンってテイムできたり
 するのか?」
「………」
「………」

一瞬、俺の言葉に沈黙すると、どこからか笑いが
おきた。

「お兄さん、その発想は無いですよ~」
「あぁ、そうだな、いくら強くてもあのユニコーン
 をテイムなど出来るはずがないだろう?清き乙女
 にしか触れさせないという伝説があるほどの潔癖
 さだからな~」

さっきまで腰を抜かしていた男のセリフとは思えな
かった。

俺って、そんなバカにされる事言ったか?
そのまま視線を誠治の方へと向けると、暖かい眼差
しでじっと見つめられていた。

「誠治、お前も笑いたいのか!」
「いや、そんなことはないよ。ただ、清き乙女って
 陸には当てはまりはしないなって…」

俺だって童貞だっつーのっ!
乙女………ではねーけど…。

魔力の放出を一旦止めると、少し休む事にした。

「少し休んだら、もう帰らないか?」

珍しく誠治が人助けを断念しようとしていた。

「もうちょっとだけ、お願いします」
「僕からもお願いします」

バカップルは必死に誠治に頼み込んでいた。
実際、魔力でおびき寄せているのは俺なのだが。

「このまま朝まで続けることはできませんよ?
 それに陸にばかり無理させているので……」

誠治は分かっていたのだろう。
おびき寄せる為に魔力を放出しながら戦いにも
魔力を使っているのだ。

いくら無限魔力というスキルを持っていても疲労
までは回復しない。

「陸はどう?そろそろ辛いんじゃない?」
「俺は……あと少しなら付き合ってやってもいい
 んじゃねー?」
「陸がそういうなら……。もう少し探して見つか
 ならなければ戻りますよ、いいですね?」
「はい」
「はい、わかりました」

もうかれこれ数時間は歩き詰めだったからだ。
このままでは夜になってしまう。

俺らだって、少しは寝ておかないと、先の旅に支
障が出るのだ。

そんな時、膨大な魔力の塊が近づいてきていた。

「おいっ、何か来るぞっ……」

俺が声を出すと、誠治が剣を構える。
バカップルはすぐに茂みへと隠れるとそっとこ
ちらを覗ったのだった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

黒獅子の愛でる花

なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。 中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。 深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。 サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。 しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。 毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。  そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。 王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。 王妃は現在、病で療養中だという。 幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。 サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…

新生活始まりました

たかさき
BL
コンビニで出会った金髪不良にいきなり家に押しかけられた平凡の話。

ヒメ様が賊にさらわれました!

はやしかわともえ
BL
BLです。 11月のBL大賞用の作品です。 10/31に全話公開予定です。 宜しくお願いします。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜

キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。 モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。 このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。 「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」 恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。 甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。 全8話。

唇を隠して,それでも君に恋したい。

初恋
BL
同性で親友の敦に恋をする主人公は,性別だけでなく,生まれながらの特殊な体質にも悩まされ,けれどその恋心はなくならない。 大きな弊害に様々な苦難を強いられながらも,たった1人に恋し続ける男の子のお話。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

処理中です...