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第六十一話 犯人の目星
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一旦、その身元不明の死体をギルドへと運ぶと
いう事で話はついた。
がだ、問題が一つあった。
それは………。
「陸、ソレって陸の契約獣って事になるの?」
誠治が陸の後ろにいる子供のユニコーンを眺め
て聞いて来た。
「あぁ……そうなるのかな……」
「驚いたな、陸はテイマーとしても腕がいいよ
うだな……魔力の強い獣のテイムは難しいと
聞いている。完全に弱らせてから従わせるら
しいが、陸はそんな事はして居ないのだろう」
モンドは陸の性格を知っているだけに、手荒な
事はしていないと信じていたのだ。
「当たり前だろ?俺がそんな事するかよっ……
それにだ……契約ってのをしてないんだけどな」
契約は双方が同意の上で成り立つ。
だが、今回はこのアレスが一人でやってしまった。
『ナマエツケタ……ケイヤクナッタ…』
「名前つけると契約なのか?まじか……」
俺が驚くように叫ぶと、モンドが不思議そうに首
を傾げた。
「一人で何を驚いているんだ?」
「一人でって……アレスが話して……まさか聞こ
えないのか?」
「あぁ、僕たちにはただの鳴き声にしか聞こえな
かったが、陸には言葉が聞こえるんだな?」
誠治が今の状況を整理すると、アレスは人間達の
街には行かないという。
「まぁ、来ないのはいいが、テイムしたら飯とか
はどうするんだ?」
『シュジンガクウフクニナラナケレバ…ヘイキ』
「俺が食べれば、大丈夫なのか?意外と便利だな」
『シュジンガ……アレスノブン……タベル』
「ふ~ん、まぁ、いいや。まずは街のギルドに
行ってくるから、アレスはここで待っている
のか?」
「陸っ!」
そう言うと、アレスはいきなり足を踏み鳴らす
と勢いをつけて陸の前に突進してきた。
誠治の声が響いて来た時には、陸とぶつかる瞬間
スッと身体の中へと消えて行った。
代わりに手の甲に馬の姿が浮かび上がった。
「これは……」
「これが契約者の証なのかもね。ギルドに行った
らテイマーの報告もする?」
「いや、やめておくよ。あいつが一人立ちできる
ようになったら、自由にしてやりたいしな」
「陸らしいね?」
「うるせーよっ」
モンドに荷物を持ってもらい、その場を後にした
のだった。
ギルドでは夕刻のせいか混みあっていた。
「うわぁ~、人が多いな…」
「そうだね。あ、ほら、2階に行けって」
誠治が受付の女性と目が合うと、上へと指で指示
されたらしい。
「なら、上に行くか」
「そうだね。ギルドマスターの部屋は奥だったよ
ね!」
「モンド、先に行くぞ」
「あぁ、では、これは解体場の方へ置きにいく」
「任せる」
まさか部屋まで死体を運ぶわけにもいかず、モ
ンドによって解体場へと運ばれた。
俺は誠治とレイネの3人で先に2階のギルドマス
ターの部屋へと向かった。
殺風景というか、書類と机と椅子しかないという
か、なんともザ・仕事部屋という感じだった。
「お?早いな?何か掴めたか?」
体格のいい男が書類の山からヌッと顔をだした。
「きゃっ……」
驚くレイネは、初めて見たせいだろう。
後から来たモンドは、部屋に入ってくると俺達
の側に座った。
「結論から言うと、ユニコーンはツノを取られ
死体で発見されたってことかな。やったのは
人間で、その証拠に解体場の方に仲間の一人
の死体を預けて来た」
「人の仕業か……」
ユニコーンのツノは高価な霊薬の為、高額で取
引きされていた。
本当なら、生え替わりの時期に山で探すのだが
稀にこうして殺して奪う者もいるという。
「冒険者か?」
「それはなんとも……男の身元が分からないと」
誠治は死体になって居た男の所持品を出すと、
あきらかに冒険者とは少し違う違和感を感じた。
剣はそこらで売っている品というよりは、かなり
高価なものに見える。
そして鎧もあれだけの衝撃を受けたにもかかわら
ず凹みはしても壊れてはいない。
「これって、貴族の……」
「それ以上言うな……なるほどな……」
ギルドマスターは剣に彫られた紋章を見て何か
を勘づいたらしい。
「お前らはここまでだ。褒賞は下に用意してお
く。明日には街を出るといい」
「犯人に目星がついたって顔ですね?僕らは、
これで帰ろうか?」
誠治は何も聞かず、立ち上がった。
俺も大体の事情は分かったので、それ以上は首
を突っ込まない方がいい気がしたのだった。
いう事で話はついた。
がだ、問題が一つあった。
それは………。
「陸、ソレって陸の契約獣って事になるの?」
誠治が陸の後ろにいる子供のユニコーンを眺め
て聞いて来た。
「あぁ……そうなるのかな……」
「驚いたな、陸はテイマーとしても腕がいいよ
うだな……魔力の強い獣のテイムは難しいと
聞いている。完全に弱らせてから従わせるら
しいが、陸はそんな事はして居ないのだろう」
モンドは陸の性格を知っているだけに、手荒な
事はしていないと信じていたのだ。
「当たり前だろ?俺がそんな事するかよっ……
それにだ……契約ってのをしてないんだけどな」
契約は双方が同意の上で成り立つ。
だが、今回はこのアレスが一人でやってしまった。
『ナマエツケタ……ケイヤクナッタ…』
「名前つけると契約なのか?まじか……」
俺が驚くように叫ぶと、モンドが不思議そうに首
を傾げた。
「一人で何を驚いているんだ?」
「一人でって……アレスが話して……まさか聞こ
えないのか?」
「あぁ、僕たちにはただの鳴き声にしか聞こえな
かったが、陸には言葉が聞こえるんだな?」
誠治が今の状況を整理すると、アレスは人間達の
街には行かないという。
「まぁ、来ないのはいいが、テイムしたら飯とか
はどうするんだ?」
『シュジンガクウフクニナラナケレバ…ヘイキ』
「俺が食べれば、大丈夫なのか?意外と便利だな」
『シュジンガ……アレスノブン……タベル』
「ふ~ん、まぁ、いいや。まずは街のギルドに
行ってくるから、アレスはここで待っている
のか?」
「陸っ!」
そう言うと、アレスはいきなり足を踏み鳴らす
と勢いをつけて陸の前に突進してきた。
誠治の声が響いて来た時には、陸とぶつかる瞬間
スッと身体の中へと消えて行った。
代わりに手の甲に馬の姿が浮かび上がった。
「これは……」
「これが契約者の証なのかもね。ギルドに行った
らテイマーの報告もする?」
「いや、やめておくよ。あいつが一人立ちできる
ようになったら、自由にしてやりたいしな」
「陸らしいね?」
「うるせーよっ」
モンドに荷物を持ってもらい、その場を後にした
のだった。
ギルドでは夕刻のせいか混みあっていた。
「うわぁ~、人が多いな…」
「そうだね。あ、ほら、2階に行けって」
誠治が受付の女性と目が合うと、上へと指で指示
されたらしい。
「なら、上に行くか」
「そうだね。ギルドマスターの部屋は奥だったよ
ね!」
「モンド、先に行くぞ」
「あぁ、では、これは解体場の方へ置きにいく」
「任せる」
まさか部屋まで死体を運ぶわけにもいかず、モ
ンドによって解体場へと運ばれた。
俺は誠治とレイネの3人で先に2階のギルドマス
ターの部屋へと向かった。
殺風景というか、書類と机と椅子しかないという
か、なんともザ・仕事部屋という感じだった。
「お?早いな?何か掴めたか?」
体格のいい男が書類の山からヌッと顔をだした。
「きゃっ……」
驚くレイネは、初めて見たせいだろう。
後から来たモンドは、部屋に入ってくると俺達
の側に座った。
「結論から言うと、ユニコーンはツノを取られ
死体で発見されたってことかな。やったのは
人間で、その証拠に解体場の方に仲間の一人
の死体を預けて来た」
「人の仕業か……」
ユニコーンのツノは高価な霊薬の為、高額で取
引きされていた。
本当なら、生え替わりの時期に山で探すのだが
稀にこうして殺して奪う者もいるという。
「冒険者か?」
「それはなんとも……男の身元が分からないと」
誠治は死体になって居た男の所持品を出すと、
あきらかに冒険者とは少し違う違和感を感じた。
剣はそこらで売っている品というよりは、かなり
高価なものに見える。
そして鎧もあれだけの衝撃を受けたにもかかわら
ず凹みはしても壊れてはいない。
「これって、貴族の……」
「それ以上言うな……なるほどな……」
ギルドマスターは剣に彫られた紋章を見て何か
を勘づいたらしい。
「お前らはここまでだ。褒賞は下に用意してお
く。明日には街を出るといい」
「犯人に目星がついたって顔ですね?僕らは、
これで帰ろうか?」
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