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第六十七話 傀儡
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客間の方では勇者の冒険譚を語り、それを嬉しそ
うに領主は聞いていた。
ナオが帰って来るまでは持たせたい所だった。
「おぉ、そろそろ他の用事がありましてな…勇者
様のお話はとても魅力的ですが、ここまでとし
ましょうかな」
「いえ、このような話でしたら、いつでも……」
ニコニコとしているが、どこか居心地が悪い。
そして、誰も出された食べ物に手をつけないせい
で余計に、視線が痛い。
「そういえば、紅茶はお口に合いませんでしたか
?」
「いえ、そのような事は。さっき食べすぎてしま
って、喉を通らなかったんです」
「そうでしたか…それは失礼しました」
そう言って、部屋から退出していった。
その後、ナオも戻って来ると、屋敷を後にしたの
だった。
宿屋に戻ると、ナオの報告を聞く。
「どうだった?」
「あぁ、当たりだ。中庭の銅像の下に部屋があっ
たぞ。そこには生きたまま腐食していく人間達
がいた。食べかけと言うべきだろう」
「まさか……子供か?」
「あぁ、よく分かったな」
俺が言った言葉にナオが少し驚きを見せた。
「屋敷の中には行けない場所がいくつかあった。
まずは地下2階の奥の部屋と、5階のフロアだ。
全部に結界が張ってあって、破ればすぐにバレ
るだろう」
「そうか……」
そういえば、帰る途中にあの時の男性を見つけた。
だが、全くの無反応だった。
ユニコーンを一緒に見に行った時は、もっと感情
が表に出る人だった。
だが、今の彼からは全く生気が感じられなかった。
門番のように話す事は求められていないせいだろ
う。
出来の悪い傀儡と言った所だったのだ。
「妻と子供には会えたか?」
「いや、居なかった……いや、居たかもしれない
が結界のなかだと私には見えない」
「そうだな。次は強行手段を取るなら結界ごと壊
そうか」
「勇者の連れがそんなんでいいのか?」
ナオは呆れたように言うが、勇者は止めるつもり
もないようだった。
「陸がそうしたいならいいんじゃないかな」
「おい、この勇者大丈夫なのか?」
「この魔族風情が、勇者様になんて事を言うので
すか!非常識だわ」
「まぁ、まぁ、落ち着けって、勇者はいつも陸の
味方だっただろう」
止めに入ったモンドも、相当おかしいとナオは思
った。
しばらくこの勇者パーティーを見ていて気づいた
の事は、勇者本人はそこまで魔族に軽蔑心はない
ようだった。
むしろ、聖女の方が毛嫌いしているように思える。
そして、この勇者パーティーの要は魔術師の陸だ
った。
一応名目上は魔王討伐任務なのだが。
勇者はさほど乗り気じゃない。
むしろ、魔術師が行くなら一緒に行く程度なのだ。
そして、魔王が人間達との戦争を避けようとして
和解を求めていると言う話を信じているのは陸だ
けだった。
まるでそうなるのが当たり前のように信じ切って
いるのだ。
嘘がないだけに、ナオは信じずにはいられなかっ
た。
見たことも、会ったこともない敵の大将がどう思
っているかを、どうやって知る事ができたのか?
不思議でならない。
だが、陸は確証を得ているかのように話すのだ。
今は、それを信じて進むしかない。
確実なのは、あの領主はすでに死体でかなり出来が
いい。
操っている人物がそばにいると言う事実があるだけ
だった。
うに領主は聞いていた。
ナオが帰って来るまでは持たせたい所だった。
「おぉ、そろそろ他の用事がありましてな…勇者
様のお話はとても魅力的ですが、ここまでとし
ましょうかな」
「いえ、このような話でしたら、いつでも……」
ニコニコとしているが、どこか居心地が悪い。
そして、誰も出された食べ物に手をつけないせい
で余計に、視線が痛い。
「そういえば、紅茶はお口に合いませんでしたか
?」
「いえ、そのような事は。さっき食べすぎてしま
って、喉を通らなかったんです」
「そうでしたか…それは失礼しました」
そう言って、部屋から退出していった。
その後、ナオも戻って来ると、屋敷を後にしたの
だった。
宿屋に戻ると、ナオの報告を聞く。
「どうだった?」
「あぁ、当たりだ。中庭の銅像の下に部屋があっ
たぞ。そこには生きたまま腐食していく人間達
がいた。食べかけと言うべきだろう」
「まさか……子供か?」
「あぁ、よく分かったな」
俺が言った言葉にナオが少し驚きを見せた。
「屋敷の中には行けない場所がいくつかあった。
まずは地下2階の奥の部屋と、5階のフロアだ。
全部に結界が張ってあって、破ればすぐにバレ
るだろう」
「そうか……」
そういえば、帰る途中にあの時の男性を見つけた。
だが、全くの無反応だった。
ユニコーンを一緒に見に行った時は、もっと感情
が表に出る人だった。
だが、今の彼からは全く生気が感じられなかった。
門番のように話す事は求められていないせいだろ
う。
出来の悪い傀儡と言った所だったのだ。
「妻と子供には会えたか?」
「いや、居なかった……いや、居たかもしれない
が結界のなかだと私には見えない」
「そうだな。次は強行手段を取るなら結界ごと壊
そうか」
「勇者の連れがそんなんでいいのか?」
ナオは呆れたように言うが、勇者は止めるつもり
もないようだった。
「陸がそうしたいならいいんじゃないかな」
「おい、この勇者大丈夫なのか?」
「この魔族風情が、勇者様になんて事を言うので
すか!非常識だわ」
「まぁ、まぁ、落ち着けって、勇者はいつも陸の
味方だっただろう」
止めに入ったモンドも、相当おかしいとナオは思
った。
しばらくこの勇者パーティーを見ていて気づいた
の事は、勇者本人はそこまで魔族に軽蔑心はない
ようだった。
むしろ、聖女の方が毛嫌いしているように思える。
そして、この勇者パーティーの要は魔術師の陸だ
った。
一応名目上は魔王討伐任務なのだが。
勇者はさほど乗り気じゃない。
むしろ、魔術師が行くなら一緒に行く程度なのだ。
そして、魔王が人間達との戦争を避けようとして
和解を求めていると言う話を信じているのは陸だ
けだった。
まるでそうなるのが当たり前のように信じ切って
いるのだ。
嘘がないだけに、ナオは信じずにはいられなかっ
た。
見たことも、会ったこともない敵の大将がどう思
っているかを、どうやって知る事ができたのか?
不思議でならない。
だが、陸は確証を得ているかのように話すのだ。
今は、それを信じて進むしかない。
確実なのは、あの領主はすでに死体でかなり出来が
いい。
操っている人物がそばにいると言う事実があるだけ
だった。
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