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第七十五話 大地の誕生秘話
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少し目的地が変わったが、すぐに元のルート
へと戻った。
渡し船を出してくれるアテとは、金さえ払えば
なんでもするような、そんな連中に依頼する事
だった。
最初こそ、レイネやモンドが反対したが、他に
大きな川を渡る方法がないと分かると、陸の言
う通りに依頼したのだった。
対岸の先は、魔王領へと入る。
大地は荒れ果て、雨も降らない。
緑も少なく、作物も育たない。
そんな土地だった。
「一気に土が悪くなったな……」
「あぁ、こんな場所では作物も育たないだろう。
それよりも、この澱んだ空気はなんなんだ?」
モンドが言うように、この辺りに来てから、雨が
降らないせいか埃っぽく、土地が痩せ細っている
気がした。
「こんな場所では、生きていくのは辛いだろうな」
「そうだね。魔王とはどんな人なんだろうね。人
間達の街や農地はもっと緑が多く、ここまで荒
れ果ててはいなかったから、何かがあったのか
もしれないね」
誠治は心配するように地面を触ると土を掴んでみ
る。
「魔王様が一番困っているのは、この土地のせい
だ。人間達の領土はあれほど土が肥えているの
に、その対面の土地は作物も育たない……哀れ
だとは思わないか?」
ナオが言う事も最もだった。
魔族だって食料は必要なのだ。
自給自足できれば、そこまで重篤な問題にはなっ
ていなかっただろう。
作物が育たないのなら、何を食べて生きていけば
いいのか?
「ナオ、どうしてここはこんなに水気がないん
だ?」
「雨が降らないからだ」
「だからだよ、なんで雨が降らないんだ?空は繋
がっているんだろ?だったら、向こうと同じく
こっちにも雨は降るはずだろう?」
陸の言葉に、ナオは首を傾げる。
「どうしてって……雨が降らないから……あれ?
どうして降らなくなったんだっけ?」
ナオは両親からもそこまでは聞いた事がなかった。
魔族領は雨が降らない。
だから、作物も育たず、侵略を試みるか、食料を
略奪するしかないと幹部の魔族が言っていたのを
話した。
「それはやっぱり可笑しいだろ?ちょっと待って
ろよ……」
陸は杖を出すと、空へ向けて魔力を込める。
雨は雲の積み重ねだ。
だから、何重にも重ねて雲を作る。
そして、一気に上空に巻き上げるのだ。
少し時間はかかったが、雲がもくもくと出来上が
った。
そこにどんどん重ねていく。
色がどんよりとしてきて、辺りが暗くなっていく。
そして、上空から雫がポツリと溢れた瞬間、いき
なり空一面に雷が落ちた。
そして作ったばかりの雲が霧散したのだった。
「なにっ……」
「せっかく雫が落ちてきたと思ったのに…」
陸の驚く声に、ナオが残念そうに言った。
だが、モンドも、誠治も今の不思議な現象が気に
なったのだった。
確実に雨が降るはずだったからだ。
なのに……いきなり邪魔されたのだ。
「今のって……魔法?」
「何かが可笑しいかもね。魔法なら、陸が使うっ
て事を知らなければ対応はできないはずだから」
「そうだよな……だったらなんでだ?」
「………」
モンドは黙ったまま静かに暗い顔を上げたのだっ
た。
いきなりの落雷。
あれは人の手によって作られたものではない気が
したのだ。
「昔、人間界に女神が降り立ったって話を知って
いるか?」
「なんだよそれ?」
「それって、神殿に祀られている女神像の事かな」
「あぁ、これにはレイネのが詳しいかな?」
モンドの言葉にレイネはコホンっと咳払いをする
と、胸を張った。
「誕生の女神の話ね。これは教会の人間なら誰で
も知っている話よ」
そう言いながら、話出したのだった。
へと戻った。
渡し船を出してくれるアテとは、金さえ払えば
なんでもするような、そんな連中に依頼する事
だった。
最初こそ、レイネやモンドが反対したが、他に
大きな川を渡る方法がないと分かると、陸の言
う通りに依頼したのだった。
対岸の先は、魔王領へと入る。
大地は荒れ果て、雨も降らない。
緑も少なく、作物も育たない。
そんな土地だった。
「一気に土が悪くなったな……」
「あぁ、こんな場所では作物も育たないだろう。
それよりも、この澱んだ空気はなんなんだ?」
モンドが言うように、この辺りに来てから、雨が
降らないせいか埃っぽく、土地が痩せ細っている
気がした。
「こんな場所では、生きていくのは辛いだろうな」
「そうだね。魔王とはどんな人なんだろうね。人
間達の街や農地はもっと緑が多く、ここまで荒
れ果ててはいなかったから、何かがあったのか
もしれないね」
誠治は心配するように地面を触ると土を掴んでみ
る。
「魔王様が一番困っているのは、この土地のせい
だ。人間達の領土はあれほど土が肥えているの
に、その対面の土地は作物も育たない……哀れ
だとは思わないか?」
ナオが言う事も最もだった。
魔族だって食料は必要なのだ。
自給自足できれば、そこまで重篤な問題にはなっ
ていなかっただろう。
作物が育たないのなら、何を食べて生きていけば
いいのか?
「ナオ、どうしてここはこんなに水気がないん
だ?」
「雨が降らないからだ」
「だからだよ、なんで雨が降らないんだ?空は繋
がっているんだろ?だったら、向こうと同じく
こっちにも雨は降るはずだろう?」
陸の言葉に、ナオは首を傾げる。
「どうしてって……雨が降らないから……あれ?
どうして降らなくなったんだっけ?」
ナオは両親からもそこまでは聞いた事がなかった。
魔族領は雨が降らない。
だから、作物も育たず、侵略を試みるか、食料を
略奪するしかないと幹部の魔族が言っていたのを
話した。
「それはやっぱり可笑しいだろ?ちょっと待って
ろよ……」
陸は杖を出すと、空へ向けて魔力を込める。
雨は雲の積み重ねだ。
だから、何重にも重ねて雲を作る。
そして、一気に上空に巻き上げるのだ。
少し時間はかかったが、雲がもくもくと出来上が
った。
そこにどんどん重ねていく。
色がどんよりとしてきて、辺りが暗くなっていく。
そして、上空から雫がポツリと溢れた瞬間、いき
なり空一面に雷が落ちた。
そして作ったばかりの雲が霧散したのだった。
「なにっ……」
「せっかく雫が落ちてきたと思ったのに…」
陸の驚く声に、ナオが残念そうに言った。
だが、モンドも、誠治も今の不思議な現象が気に
なったのだった。
確実に雨が降るはずだったからだ。
なのに……いきなり邪魔されたのだ。
「今のって……魔法?」
「何かが可笑しいかもね。魔法なら、陸が使うっ
て事を知らなければ対応はできないはずだから」
「そうだよな……だったらなんでだ?」
「………」
モンドは黙ったまま静かに暗い顔を上げたのだっ
た。
いきなりの落雷。
あれは人の手によって作られたものではない気が
したのだ。
「昔、人間界に女神が降り立ったって話を知って
いるか?」
「なんだよそれ?」
「それって、神殿に祀られている女神像の事かな」
「あぁ、これにはレイネのが詳しいかな?」
モンドの言葉にレイネはコホンっと咳払いをする
と、胸を張った。
「誕生の女神の話ね。これは教会の人間なら誰で
も知っている話よ」
そう言いながら、話出したのだった。
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