俺がモテない理由

秋元智也

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第七十七話 魔王城近郊

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結局、魔族領を横断しながら、目的であった魔王
討伐は一時保留となったのだった。

「ちょっと、信じられませんわ。勇者パーティー 
 ともあろう者が、まさか魔王を殺さないなんて
 勇者様も、そんな言葉を信じるのですか?」

ぶつぶつと文句を言いながらついてくるレイネに
誠治は一言も返さなかった。

あの後、誠治からは返事は貰えなかった。
俺の考えに賛同してくれたのか?
それとも……。

どちらにしても、先に進むしかなかった。
ナオは一緒にいるが、魔王と合えば再び敵になる
かもしれない。

「そういえば勇者様は知っていますかー?願いの
 泉っていうのが教会本部にあるんです。どんな
 願いも叶うとされていて~満月の夜に泉に入っ
 てお願いをするんですって~死ななければ願い
 が叶うって言われてるんですよー、死ななけれ
 ばって笑えますよね~普通そこに行くって事は
 生きてるって事なのにね~」

レイネが教会で聞いた話を勝手に話し始めた。

死ななければ……それって、俺達は死んでも今の
俺のように繰り返すからってことか……。

雨が降れば、大地は潤い肥沃な大地へと変わる。
これが事実なら魔族領も同じ事が言えるだろう。

ただ、人間達の生活圏内と違って雨が一切降らな
いというのが問題でもあった。

魔法で雨を降らせようとしたが、失敗に終わった。

勇者パーティーとして陸が誠治と一緒に旅をして
いる時に、陸にだけ回復治癒魔法がかからない呪
いにかけられていた。

それと一緒なのではないだろうか?
悪意ある何者かによって、仕組まれた事なのでは
ないか?
と疑うと、自ずと答えが出てくる気がした。

「まずは魔王ってのに会ってみようぜ?」
「そうだね。陸の言う通り話合いでなんとか出来
 るなら、それにこした事はないからね」

誠治も一応は陸の作戦で行くと言う事を承諾した
のだった。

勿論、そう簡単ではなかった。

この痩せこけた大地が続く荒野で、次から次へと
魔族の団体さんが押し寄せてくるのだ。
さずがに全員殺さずとはいかない。

「今日はこれで何回目なのよ~」
「そうだな~まだ2団体位か?」

レイネが嫌々言葉にすると、モンドがきっちり答
えた。
誠治は黙々と来た敵を屠っていた。

俺はと言うと…遠方の敵を来る前に数を減らして
いたのだった。

「そろそろ、魔王城が見えて来るんじゃないか?」
「お?そんなところまで来てたのか」

遠くに聳え立つ大きな城の影を見ながら長かった
と呟く。

今日は打ち止めなのか、やっと静かになった。
野営の準備をすると早々に休む事にした。

最初はモンドが火の番をしながら見張りをすると
言ってくれたので、俺らは寝支度を始めた。

こんな場所では、宿など期待出来ず野宿が続く。

「もうっ……汗でベタベタよ。ちょっと水を出し
 てちょうだい」
「そう言う時の頼み方ってもんがあるだろ?」

陸に言っているのがわかっているので、文句をい
いながらバケツいっぱいの水を出す。

誠治と一緒に身体を拭き合うと横になった。

「そういえば……普通に水は出るんだな……雨は
 ダメだったのに…」

俺のポツリと溢した言葉に誠治が反応する。

「物質に直接働きかけるのがダメなのかもな」
「物質に直接か……だったら、そのまま水をばら
 撒くか、堀を作って水を川から引いてくればい
 いんじゃ……」

そうすれば、ここら一体も肥沃な大地として復活
するのではないだろうか?

モンドとの交代までまだ数時間あった。
その間、陸はこの何もない荒れた土地をどう改良
するかを考えていたのだった。

確か過去はぶつぶつ交換で交易を発展させたのだ。
魔王領で取れる鉱石と食料を同じ価値分だけ交換
した。
そして、水の確保が確か魔王城の裏の水源を使っ
たはずだったからだ。









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