俺がモテない理由

秋元智也

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第七十八話 隙だらけ

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狭いテントの中に光が差し込む。
まだ外は暗いし、朝ではない。

「おーい、交代の時間だぞ?」

モンドの声を聞いて起き上がると、急に腰に絡み
ついていた腕に引っ張られた。

「おい、誠治!離せって」
「もうちょっと……」
「誠治はまだ寝てていいから、まずは退けって」

俺は抱きしめられる形で寝ていた所を見られて
すっごく恥ずかしかった。

モンドもいつもの事と流してはいるが、最初に
見られた時は、驚かれてひっぺがされた記憶が
ある。

「悪いな。替わるよ」
「あいつの寝相……本当に悪いな」
「あぁ、俺のそばじゃないと寝れないって言って
 てな。モンドも寝てていいぞ」
「あぁ、任せた」

そう言ってモンドが今度は眠りにつく。

ナオは相変わらず起きているらしい。

「ナオは寝ないのか?」
「もう寝た。それに1時間寝れば十分だ」
「魔族ってのはそう言うもんか?」
「さぁ~な、私達サキュバスはそうだな。それに
 睡眠よりも食事が欲しいのだが?」

そういえばさっき食事の時、ナオは普通の食物を
食べていたっけ…。

「さっき一緒に食べただろ?」
「それはただの食事だろう?私達サキュバスの食
 事といえば、分かるだろう?」

舌舐めずりをすると、陸のそばまでやってきた。
まるで飢えた野獣のような目つきで見て来る。

「人間は溜まってくると身体に悪いのだろう?だ
 ったら、それを私にくれればいい」
「悪いが、そんな趣味はないよ?」

ナオが陸のズボンに手をかけようとした瞬間、後
ろから抱き抱えられると、誠治が後ろにきていた。

「誠治っ……」
「全く、油断も隙もないんだから。陸に手を出す
 のはやめてくれる?そうじゃないと……間違え
 て殺しちゃうよ?」
「………はぁ~つまらない奴……」

ナオはちょっと揶揄っただけだと言うとさっきモ
ンドの入っていったテントへと行ってしまった。

「陸、大丈夫だった?」
「なんで俺が襲われる定で話すんだよ?」
「だって、今……襲われそうだったでしょ?」
「なっ………」

言葉に詰まると、確かに少し油断はしていた。
でも、決して性的な意味でドキドキしていたわけ
ではない。

「別に油断なんて……」
「スキありっ……チュッ」

どさくさに紛れて、いきなり唇に当たる柔らかい
感触。
目の前でドアップになるイケメンの顔。

俺の心臓は早鐘を打ったみたいに警告音を鳴らして
いた。

「なっ……なっ……なっにやって……」
「だって、陸って隙だらけだったから。僕でも簡単
 にキスできそうだな~ってね」

そう言って真っ赤になった俺を揶揄うように笑うと
小さくなった火に薪をくべた。

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