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第八十一話 魔王領の改革
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数度の接戦を繰り返すと、やっと最上階へと辿り
着いたのだった。
「ようこそ、我が魔王城へ。君達が勇者パーティ
ーかな?よくここまで辿り着いた。まずは褒美
でも出した方がいいかな?」
腹の底から震えるような魔力のこもった声に、一
瞬全身が震えあがる。
「それもいいけど、こっちは話がしたいんだけど
そう言うのも歓迎してくれるのかな?」
誠治が怖気付く事なく堂々と言葉を発したのだ
った。
それには魔王も少し意外そうに驚いていた。
「はっはっはっ、それは理想的だ。我も交渉したい
と思っていたところなのだ。だが、その前に聞き
たい事があってね。裏手の泉の水に何かしたのか
い?」
魔力が乗った声は、はっきり言って威圧が強い。
特に魔力が多い、ナオ、レイネ、陸には特に威圧が
はっきりと伝わって来たのだった。
「した…と言ったら?…色が変わっただけで毒でも
ない。それは分かっているんだろう?」
「そうだね。分かってはいる。だが、赤黒いと不気
味がる子もいるんだよ」
「明日……明日には元に戻る。それでいいかな?」
「あぁ、それなら問題ない。奥で席を設けてある、
そこでゆっくりと話さないか?」
「話し合いで済むのならこちらは歓迎だけどね」
魔王も、勇者も一歩も引かない。
お互い威圧だけで牽制していたからだった。
ナオが一番最初に威圧に負けて膝をついた。
「その前に、聞きたい事があるんだ。彼女も同席
しても?」
勇者の誠治が魔族であるナオを紹介すると、魔王
は快く承諾したのだった。
テーブルに着くと、前回と同じように話し合いが
進められた。
戦わずしてお互いの領地を占領せず、お互いの利
益をもたらす協議が始まったのだ。
陸はただそれを見ているだけで、口出しする気は
なかった。
ここに来る前に、誠治には魔王領で何が不足して
いて、何が人間達が欲しがるかをあらかじめ補足
しておいたから、うまくまとめてくれるだろう。
魔王の方も、鉱石の貴重性は分かっているらしく
食料と魔道具を要求したのだった。
「そしてこちらから提供出来るのが、この鉱石だ」
「人間達の方では、魔族領にまで侵入してまで鉱
石を取りにくるとか。それを取り締まるのも必
要では?」
「知っていたようだな……」
「いえ、多分、そうではないかと。作物もいいで
すが。根本を改善しませんか?」
「それはどう言う意味かな?」
誠治は陸に聞いた事を話し出したのだった。
作物が育たないのは水が足りないせいで、水が十
分であれば、ここでも作物が作れると言う事なの
だ。
で、あるならば……。
水を引いてくるという事を考えるべきだと進言し
たのだった。
「だが、この土地では雨は降らない。対岸ではよ
く雨が降ると言う。あまりに不公平過ぎるのだ
よ」
「ですが、その間には大きな川があるではないで
すか。それを使わないのは勿体無いと思いませ
んか?」
「川の水を?」
「はい、魔法で雨を降らせようにも何らかの影響
で阻止されてしまう……なら、直接汲み取れば
いいのです」
魔族には無限と言える体力があるのだから。
なぜなら、裏にある泉のそばであれば、作物が育
っているのだ。
できないわけではないのだった。
そこで、今回商人を呼んで交渉をする中に作物の
苗も加えると言う事で話がついたのだった。
「ナオ、どうだった?嘘はあったかい?」
「いえ……どちらも事実しか言っていませんでし
た」
「それはよかった」
「なるほどな、どうして魔族がそっち側にいるの
かと思ったが……君達が話し合いが出来る勇者
であってよかったよ」
「こちらもですよ。貴方と戦うのはちょっと骨が
折れそうだったからね」
どちらもにこやかに話しているが、実際周りにい
る方は気が気でなかった。
細かい取り決めは後日にするとして、戦いは終わ
ったのだと公表する事になった。
「では、全魔族に通達しよう」
「それなのですが……いきなり言っては反乱が起
きるのではないですか?だったら、城に呼び寄
せて個別にお知らせしてはいかがですか?もし、
意にそぐわない行動を取るようなら、僕が手を
貸しますよ?」
「勇者が?それは頼もしいな……いいだろう」
魔王と勇者が手を取った初めての事だった。
側近の魔族は顰めっ面をしながらも、忙しなく
羽ばたきながら公文書を作成していた。
出来上がると、各魔族の長に通達したのだった。
「魔王様、これで各魔族の長に通達を終えました
明日から順に訪ねてくるでしょう」
「あぁ、よくやった。勇者も聞いていたな?」
「えぇ、勿論です」
こうして、一ヶ月に渡って魔族の意見統制が始ま
ったのだった。
魔王の横に勇者が控えているせいで、いきなり敵
意を向けてくる者もいた。
あからさまに敵意を向けてくる者には話は通用せ
ず、族長をすげ替える事で手打ちにした。
それでも、まだ反論するようなら、魔族流の統制
を行う事になった。
一族ごと、滅ぼすのだった。
これは前にも同じ事があったので、問題視してい
なかった。
その間、陸はモンドを連れて魔王城から少し離れ
た場所に来ていた。
「今日も魔王城では魔族の族長が来てるんだよな」
「そうだな」
「勇者一人で大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ?魔王がついてるんだぜ?最強と最強
が手を組んだんだ。誰も勝てね~って」
「陸は何をするんだ?」
「ちょっと、実験かな……」
俺は少し離れた場所に来ると、かつては農作物が
作られていたであろう場所に来ていた。
開けており、水気のないカピカピの大地。
あまりに乾燥し過ぎて地割れを起こしている。
草一本すら生えていないのだ。
「こんなところじゃどうしようもねーよな」
「そこで実験ってわけだ」
雨は降らせなくとも、水は出せるのだ。
桶いっぱいに貯めるつもりで氷で大きなタンクを
作ると、それを覆うように土壁を築く。
いっぱいに水を貯めると穴を開けて周りにちょろ
ちょろと撒くようにしたのだった。
話し合いは一ヶ月はかかる事を知っていたので、
陸の方は、土地の改良が出来るかを試していた
のだった。
結果から言うと、すぐにでも種があれば育つ程度
には土地を肥やす事ができたのだ。
昔のお伽話でも出て来たように、水を大地に与え
ると肥沃な大地が育つとあった。
それは何も人間達の大陸だけではないのだ。
魔族領も同じなのだ。
その報告も兼ねて、魔王城へと戻ると地面一面が
血の海と化していたのだった。
「今回も派手に殺ったな~」
「あ、陸。おかえり。どうだった?」
「あぁ、成果は十分出たぞ?やっぱり俺の見込み
通りだったぜ。後でまとめて話すから、片付け
ようぜ?これ……」
「そうだね。魔王さんも手伝ってくれるよね?」
「我もか?まぁ……致し方ないな」
誠治と一緒に殺しまくったのだろう。
やった本人が片付けるのは当たり前の事だった。
「魔王様がそのようなゴミの片付けなど…わたくし
めがやっておきますゆえ、お休みになられては…」
「いや、いい。我がやろう」
「なんと…そのような事、魔王様がやることでは…」
魔王は何もしなくていいんかい!
とツッコミたかったが、やめておいた。
食事の時に、魔王領の土地について話すと、大変喜
ばれた。
作物は育たないと思っていた場所が、実は水を撒く
だけで作物の育つ環境に変わると言うのだ。
今まで誰も試さなかったのが不思議でならなかった。
そもそも、作物は勝手に雨が降って育つものと思っ
ていたようで、作るのに色々と手がかかるのを知ら
なかったらしい。
それでは、育つものも育たないはずだった。
「ついでに作物の育て方から学んだ方がいいんじゃ
ねーか?」
「手厳しいな……だが、いい考えだ。本なども頼め
るだろうか?」
「勿論です。そのように言っておきましょう」
勇者が帰った後でやる事が増えていくのだった。
着いたのだった。
「ようこそ、我が魔王城へ。君達が勇者パーティ
ーかな?よくここまで辿り着いた。まずは褒美
でも出した方がいいかな?」
腹の底から震えるような魔力のこもった声に、一
瞬全身が震えあがる。
「それもいいけど、こっちは話がしたいんだけど
そう言うのも歓迎してくれるのかな?」
誠治が怖気付く事なく堂々と言葉を発したのだ
った。
それには魔王も少し意外そうに驚いていた。
「はっはっはっ、それは理想的だ。我も交渉したい
と思っていたところなのだ。だが、その前に聞き
たい事があってね。裏手の泉の水に何かしたのか
い?」
魔力が乗った声は、はっきり言って威圧が強い。
特に魔力が多い、ナオ、レイネ、陸には特に威圧が
はっきりと伝わって来たのだった。
「した…と言ったら?…色が変わっただけで毒でも
ない。それは分かっているんだろう?」
「そうだね。分かってはいる。だが、赤黒いと不気
味がる子もいるんだよ」
「明日……明日には元に戻る。それでいいかな?」
「あぁ、それなら問題ない。奥で席を設けてある、
そこでゆっくりと話さないか?」
「話し合いで済むのならこちらは歓迎だけどね」
魔王も、勇者も一歩も引かない。
お互い威圧だけで牽制していたからだった。
ナオが一番最初に威圧に負けて膝をついた。
「その前に、聞きたい事があるんだ。彼女も同席
しても?」
勇者の誠治が魔族であるナオを紹介すると、魔王
は快く承諾したのだった。
テーブルに着くと、前回と同じように話し合いが
進められた。
戦わずしてお互いの領地を占領せず、お互いの利
益をもたらす協議が始まったのだ。
陸はただそれを見ているだけで、口出しする気は
なかった。
ここに来る前に、誠治には魔王領で何が不足して
いて、何が人間達が欲しがるかをあらかじめ補足
しておいたから、うまくまとめてくれるだろう。
魔王の方も、鉱石の貴重性は分かっているらしく
食料と魔道具を要求したのだった。
「そしてこちらから提供出来るのが、この鉱石だ」
「人間達の方では、魔族領にまで侵入してまで鉱
石を取りにくるとか。それを取り締まるのも必
要では?」
「知っていたようだな……」
「いえ、多分、そうではないかと。作物もいいで
すが。根本を改善しませんか?」
「それはどう言う意味かな?」
誠治は陸に聞いた事を話し出したのだった。
作物が育たないのは水が足りないせいで、水が十
分であれば、ここでも作物が作れると言う事なの
だ。
で、あるならば……。
水を引いてくるという事を考えるべきだと進言し
たのだった。
「だが、この土地では雨は降らない。対岸ではよ
く雨が降ると言う。あまりに不公平過ぎるのだ
よ」
「ですが、その間には大きな川があるではないで
すか。それを使わないのは勿体無いと思いませ
んか?」
「川の水を?」
「はい、魔法で雨を降らせようにも何らかの影響
で阻止されてしまう……なら、直接汲み取れば
いいのです」
魔族には無限と言える体力があるのだから。
なぜなら、裏にある泉のそばであれば、作物が育
っているのだ。
できないわけではないのだった。
そこで、今回商人を呼んで交渉をする中に作物の
苗も加えると言う事で話がついたのだった。
「ナオ、どうだった?嘘はあったかい?」
「いえ……どちらも事実しか言っていませんでし
た」
「それはよかった」
「なるほどな、どうして魔族がそっち側にいるの
かと思ったが……君達が話し合いが出来る勇者
であってよかったよ」
「こちらもですよ。貴方と戦うのはちょっと骨が
折れそうだったからね」
どちらもにこやかに話しているが、実際周りにい
る方は気が気でなかった。
細かい取り決めは後日にするとして、戦いは終わ
ったのだと公表する事になった。
「では、全魔族に通達しよう」
「それなのですが……いきなり言っては反乱が起
きるのではないですか?だったら、城に呼び寄
せて個別にお知らせしてはいかがですか?もし、
意にそぐわない行動を取るようなら、僕が手を
貸しますよ?」
「勇者が?それは頼もしいな……いいだろう」
魔王と勇者が手を取った初めての事だった。
側近の魔族は顰めっ面をしながらも、忙しなく
羽ばたきながら公文書を作成していた。
出来上がると、各魔族の長に通達したのだった。
「魔王様、これで各魔族の長に通達を終えました
明日から順に訪ねてくるでしょう」
「あぁ、よくやった。勇者も聞いていたな?」
「えぇ、勿論です」
こうして、一ヶ月に渡って魔族の意見統制が始ま
ったのだった。
魔王の横に勇者が控えているせいで、いきなり敵
意を向けてくる者もいた。
あからさまに敵意を向けてくる者には話は通用せ
ず、族長をすげ替える事で手打ちにした。
それでも、まだ反論するようなら、魔族流の統制
を行う事になった。
一族ごと、滅ぼすのだった。
これは前にも同じ事があったので、問題視してい
なかった。
その間、陸はモンドを連れて魔王城から少し離れ
た場所に来ていた。
「今日も魔王城では魔族の族長が来てるんだよな」
「そうだな」
「勇者一人で大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ?魔王がついてるんだぜ?最強と最強
が手を組んだんだ。誰も勝てね~って」
「陸は何をするんだ?」
「ちょっと、実験かな……」
俺は少し離れた場所に来ると、かつては農作物が
作られていたであろう場所に来ていた。
開けており、水気のないカピカピの大地。
あまりに乾燥し過ぎて地割れを起こしている。
草一本すら生えていないのだ。
「こんなところじゃどうしようもねーよな」
「そこで実験ってわけだ」
雨は降らせなくとも、水は出せるのだ。
桶いっぱいに貯めるつもりで氷で大きなタンクを
作ると、それを覆うように土壁を築く。
いっぱいに水を貯めると穴を開けて周りにちょろ
ちょろと撒くようにしたのだった。
話し合いは一ヶ月はかかる事を知っていたので、
陸の方は、土地の改良が出来るかを試していた
のだった。
結果から言うと、すぐにでも種があれば育つ程度
には土地を肥やす事ができたのだ。
昔のお伽話でも出て来たように、水を大地に与え
ると肥沃な大地が育つとあった。
それは何も人間達の大陸だけではないのだ。
魔族領も同じなのだ。
その報告も兼ねて、魔王城へと戻ると地面一面が
血の海と化していたのだった。
「今回も派手に殺ったな~」
「あ、陸。おかえり。どうだった?」
「あぁ、成果は十分出たぞ?やっぱり俺の見込み
通りだったぜ。後でまとめて話すから、片付け
ようぜ?これ……」
「そうだね。魔王さんも手伝ってくれるよね?」
「我もか?まぁ……致し方ないな」
誠治と一緒に殺しまくったのだろう。
やった本人が片付けるのは当たり前の事だった。
「魔王様がそのようなゴミの片付けなど…わたくし
めがやっておきますゆえ、お休みになられては…」
「いや、いい。我がやろう」
「なんと…そのような事、魔王様がやることでは…」
魔王は何もしなくていいんかい!
とツッコミたかったが、やめておいた。
食事の時に、魔王領の土地について話すと、大変喜
ばれた。
作物は育たないと思っていた場所が、実は水を撒く
だけで作物の育つ環境に変わると言うのだ。
今まで誰も試さなかったのが不思議でならなかった。
そもそも、作物は勝手に雨が降って育つものと思っ
ていたようで、作るのに色々と手がかかるのを知ら
なかったらしい。
それでは、育つものも育たないはずだった。
「ついでに作物の育て方から学んだ方がいいんじゃ
ねーか?」
「手厳しいな……だが、いい考えだ。本なども頼め
るだろうか?」
「勿論です。そのように言っておきましょう」
勇者が帰った後でやる事が増えていくのだった。
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