13 / 113
第十三話 視線
しおりを挟む
テントを張る時も、食事の時も常に視線がまとわりついていた。
「春?どうした?」
「あのさ~馭者ってなんでずっとこっち見てんだ?さっきからずっと見られ
てて気持ち悪いんだよな~。」
「馭者?ちょっと言ってこようか?」
「いや、いい…まだ先もあるしぎくしゃくするのってよくねーし…」
「春は辛くない?」
「俺が女だからか?それならあいつも女だよな?」
あいつというのは聖女の事だった。
こちらの世界ではあがめられる対象らしいが、性格はいまいち僻みっぽく思
えてならない。
「そういえば…あの僻み女どこ行ったんだ?」
「僻み女って誰の事ですの?せっかくそこに泉を見つけて来たっていうのに…
教える必要ありませんわね?」
「お!マジで?水浴びして~、さっぱりしてーし、どこだ?」
「ふんっ…教えてほしければ少しは態度を改めて欲しですわ」
「どこにあるんですか?俺も行きたいです」
椎名が言うと顔を赤らめてすぐに場所を吐いた。
「すぐそこじゃねーか…早く言えってのっ!」
「そうだね…春先に入る?」
「一緒でいいだろ?何か問題あるか?」
「なっ…また君は…/////」
春は何も気にしないとでも言うように泉に来ると服を脱ぎ出した。
下着も全部取り払うと中に入っていく。
「つっめて~…でも、気持ちいいぞ~、椎名も早く入れって!」
「春は少し恥じらいを持って欲しいものだよ…」
ため息を吐くと、椎名も服を脱いだ。
可愛い顔の女性が全裸で手招きされたら流石に身がもたない。
そんな事考えもしないであろう春は平気で目の前でも脱いでくる。
「そういやさ~サラのやつ、よくこの泉知ってたよな?地図には書いてなかった
し…俺じゃ気づかねーしさ~」
「言われてみればそうだな…誰かに聞いたとか?」
「誰にだよ…」
「馭者とか?ここには俺ら以外に馭者しかいない…」
言いかけた言葉を止めるといきなり椎名が立ち上がると出て行く。
「おい、どうしたんだよ…」
後を追うように春も泉から出ると着替えの所に馭者が立っていた。
「そこで何をしている?」
「あぁ、野党や、モンスターが出ないか確認しておりました。」
椎名は春を背中に隠すように立つと睨みつけた。
「覗きは趣味なのか?」
「めっそうもない…ただ、安全を確認する為に見にきた次第です」
「なら、その手に持った下着は置いていけよ?」
椎名の指摘で気づいたが馭者の手には春の身につけていた下着が握られていた。
テントに戻ってからも何かと視線を感じた。
「やっぱりあいつおかしいよな~」
「あぁ、春。この世界では絶対に一人になるなよ?」
「椎名が守ってくれるって?」
「もちろん」
「心強いな…でも、俺だって強くなって一緒に戦えるように…なるから…すぅ~」
寝息が聞こえ始めると椎名の横ですっかり眠っていた。
「少しは警戒しろって…まぁ、いいか。」
聖女に胸を押し当てられた時は平然としていられたのに、相手が春となるとどう
してもドキドキしてしまう。
胸もないし、態度もでかい。
ただそれだけなのに…見た目のせいかな?
あどけない可愛さがある。
ほっとけないというか、守ってやりたくなるような儚げな感じがするのだ。
中身が男だと知っているのは椎名位なものだと思う。
「やばいな…勃ちそ…」
狭いテントの中であまりにピッタリとくっついてくる春に少しイラつきを覚えた。
朝早くに泉に行くと誰もいないところで抜いてくると、すぐに戻ってきた。
まだぐっすりと眠っている春を見ながら鼻を思いっきり摘んだ。
「んっ…う~~~…」
苦しそうにもがくとパチっと目が開いた。
「おいっ、普通に起こせねーのかよ…」
「いいだろ?寝坊してるやつに言われたくねーよ。起きるぞ?」
「う~~~。」
まだ何か言いたげだったが、そのままテントを片付けるとイベントリにしまう。
食事を済ませるとダンジョンへと向かう。
やっとついたダンジョンは山の麓に空いた洞窟のような見た目だった。
大きな鉄の扉があり、そこだけ歪に見えた。
「あの扉の中にダンジョンが広がってるのか?」
「そうですわ。中では雑魚モンスターがたくさんいて、ボスを倒せば奥の部屋にお
宝ができますわ。ただダンジョン内は狭く囲まれると大変ですわ」
「なら、一気に攻め込めばいいだろ?」
春の言葉に聖女は眉を顰めた。
「足手まといはここで待っているがいいわ。馭者さん、この方をお願いしますわ」
「はい、安全な場所でお待ちしています。さぁ~こちらに」
春の手を取ろうとして勇者によって遮られた。
「春に触れるのを許した覚えはないけど?」
「誰が留守番するって行ったんだよ。俺も行くぞ?」
「何を言ってますの?あなたなんか来ても迷惑ですわ」
必死に聖女が訴えるが、聞くつもりもない。
「だから~中に誰が入るって言ったんだよ。聖女って魔法使えるんだろ?それで
おびき寄せればいいじゃん?簡単だろ?」
春が言うと、不思議そうに首を傾げられた。
「ダンジョンって狭いんだろ?椎名が強いんだから狭いところで戦えば、俺らは
安全だろ?」
そういうと入り口へスタスタと歩いていくとドアの前でアイテムを取り出した。
逃げる時に使う煙を発生させるアイテムをたくさん取り出すと全部つけて中に放
りこんだ。
「おい、風で奥まで行くようにしろよ。」
「命令しないで欲しいですわ」
「サラさん、お願いします」
勇者に言われると渋々魔法を唱えた。
次から次へと煙を送り込み続けると中からすごい勢いで足音が響いてきた。
「春?どうした?」
「あのさ~馭者ってなんでずっとこっち見てんだ?さっきからずっと見られ
てて気持ち悪いんだよな~。」
「馭者?ちょっと言ってこようか?」
「いや、いい…まだ先もあるしぎくしゃくするのってよくねーし…」
「春は辛くない?」
「俺が女だからか?それならあいつも女だよな?」
あいつというのは聖女の事だった。
こちらの世界ではあがめられる対象らしいが、性格はいまいち僻みっぽく思
えてならない。
「そういえば…あの僻み女どこ行ったんだ?」
「僻み女って誰の事ですの?せっかくそこに泉を見つけて来たっていうのに…
教える必要ありませんわね?」
「お!マジで?水浴びして~、さっぱりしてーし、どこだ?」
「ふんっ…教えてほしければ少しは態度を改めて欲しですわ」
「どこにあるんですか?俺も行きたいです」
椎名が言うと顔を赤らめてすぐに場所を吐いた。
「すぐそこじゃねーか…早く言えってのっ!」
「そうだね…春先に入る?」
「一緒でいいだろ?何か問題あるか?」
「なっ…また君は…/////」
春は何も気にしないとでも言うように泉に来ると服を脱ぎ出した。
下着も全部取り払うと中に入っていく。
「つっめて~…でも、気持ちいいぞ~、椎名も早く入れって!」
「春は少し恥じらいを持って欲しいものだよ…」
ため息を吐くと、椎名も服を脱いだ。
可愛い顔の女性が全裸で手招きされたら流石に身がもたない。
そんな事考えもしないであろう春は平気で目の前でも脱いでくる。
「そういやさ~サラのやつ、よくこの泉知ってたよな?地図には書いてなかった
し…俺じゃ気づかねーしさ~」
「言われてみればそうだな…誰かに聞いたとか?」
「誰にだよ…」
「馭者とか?ここには俺ら以外に馭者しかいない…」
言いかけた言葉を止めるといきなり椎名が立ち上がると出て行く。
「おい、どうしたんだよ…」
後を追うように春も泉から出ると着替えの所に馭者が立っていた。
「そこで何をしている?」
「あぁ、野党や、モンスターが出ないか確認しておりました。」
椎名は春を背中に隠すように立つと睨みつけた。
「覗きは趣味なのか?」
「めっそうもない…ただ、安全を確認する為に見にきた次第です」
「なら、その手に持った下着は置いていけよ?」
椎名の指摘で気づいたが馭者の手には春の身につけていた下着が握られていた。
テントに戻ってからも何かと視線を感じた。
「やっぱりあいつおかしいよな~」
「あぁ、春。この世界では絶対に一人になるなよ?」
「椎名が守ってくれるって?」
「もちろん」
「心強いな…でも、俺だって強くなって一緒に戦えるように…なるから…すぅ~」
寝息が聞こえ始めると椎名の横ですっかり眠っていた。
「少しは警戒しろって…まぁ、いいか。」
聖女に胸を押し当てられた時は平然としていられたのに、相手が春となるとどう
してもドキドキしてしまう。
胸もないし、態度もでかい。
ただそれだけなのに…見た目のせいかな?
あどけない可愛さがある。
ほっとけないというか、守ってやりたくなるような儚げな感じがするのだ。
中身が男だと知っているのは椎名位なものだと思う。
「やばいな…勃ちそ…」
狭いテントの中であまりにピッタリとくっついてくる春に少しイラつきを覚えた。
朝早くに泉に行くと誰もいないところで抜いてくると、すぐに戻ってきた。
まだぐっすりと眠っている春を見ながら鼻を思いっきり摘んだ。
「んっ…う~~~…」
苦しそうにもがくとパチっと目が開いた。
「おいっ、普通に起こせねーのかよ…」
「いいだろ?寝坊してるやつに言われたくねーよ。起きるぞ?」
「う~~~。」
まだ何か言いたげだったが、そのままテントを片付けるとイベントリにしまう。
食事を済ませるとダンジョンへと向かう。
やっとついたダンジョンは山の麓に空いた洞窟のような見た目だった。
大きな鉄の扉があり、そこだけ歪に見えた。
「あの扉の中にダンジョンが広がってるのか?」
「そうですわ。中では雑魚モンスターがたくさんいて、ボスを倒せば奥の部屋にお
宝ができますわ。ただダンジョン内は狭く囲まれると大変ですわ」
「なら、一気に攻め込めばいいだろ?」
春の言葉に聖女は眉を顰めた。
「足手まといはここで待っているがいいわ。馭者さん、この方をお願いしますわ」
「はい、安全な場所でお待ちしています。さぁ~こちらに」
春の手を取ろうとして勇者によって遮られた。
「春に触れるのを許した覚えはないけど?」
「誰が留守番するって行ったんだよ。俺も行くぞ?」
「何を言ってますの?あなたなんか来ても迷惑ですわ」
必死に聖女が訴えるが、聞くつもりもない。
「だから~中に誰が入るって言ったんだよ。聖女って魔法使えるんだろ?それで
おびき寄せればいいじゃん?簡単だろ?」
春が言うと、不思議そうに首を傾げられた。
「ダンジョンって狭いんだろ?椎名が強いんだから狭いところで戦えば、俺らは
安全だろ?」
そういうと入り口へスタスタと歩いていくとドアの前でアイテムを取り出した。
逃げる時に使う煙を発生させるアイテムをたくさん取り出すと全部つけて中に放
りこんだ。
「おい、風で奥まで行くようにしろよ。」
「命令しないで欲しいですわ」
「サラさん、お願いします」
勇者に言われると渋々魔法を唱えた。
次から次へと煙を送り込み続けると中からすごい勢いで足音が響いてきた。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?
monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。
そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。
主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。
※今回の表紙はAI生成です
※小説家になろうにも公開してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる