間違って村娘が勇者パーティーにいます

秋元智也

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第四十話 村娘メイア

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麓の村に着くと案内人として村の娘が出てきた。

「ようこそいらしゃいました。ここはナデア村です。ここから山頂に向かった
 ところにダンジョンがあるのでそちらまでの案内と奥のエクスカリバーまで
 の入手ルートをご案内します。」
「ダンジョン内が分かるのか?」

春樹の声に村娘はにこやかに頷いたのだった。

「はい」

と。

「今日からしばらく勇者様の身の回りにお世話も兼ねております。メイアと
 言います。よろしくお願いします」
「堅苦しい話はいいよ。この辺詳しいんだろ?色々教えてくれる?」
「えぇ、もちろんです」

春樹に色々とここでの事を話してくれた。
この村は昼は極度に暑いが、夜になると一気に冷える。

火山からの熱が降りてくるのは日の出てる時だけだという。
その理由が、この付近の山頂の奥に住み着く竜が影響しているという。

「氷竜と言って、冷気を操ります。ブレスをまともに浴びればその他地面
 が一気に凍ると言われています。倒せるのは勇者様だけだとも…。そし
 て、もう一つ…奥に眠る武器を手にしたらその強化の為に奥のワープ装
 置でワープした先でレベル解放を行なってください」
「君にはレベルって概念があるんだね?」

咄嗟に出た春樹の言葉にメイアは少し気まずそうにステータスと口にした。
目の前にステータス画面が現れるとそこには彼女がレベル23と出ていた。

「えっ…これって。上限が99って…まるで…」
「そうですね、まるで勇者みたいだと思いましたよね?私でも分かってい
 るんです。周りの村人とは違うって。でも、それでも村娘ではいくら頑張
 てもここが限界なんです」

多分色々とレベルを上げる方法を試したのだろう。
その結果がこの高いレベルなのだ。
普通に暮らしているにしては高過ぎる方だ。
しかも上限に余裕もあるからこれからまだまだ伸びる可能性を秘めている。

「メイアちゃんさ~俺たちと一緒に行かないか?その方がレベルも上がると思
 うしさ~」
「魔王退治ですか?それは勇者様の仕事でしょう?私のような村娘には…」

メイアの前に春樹が自分のステータスを出した。

レベルは22まで上がっていて、職業は変わっていないので村娘のままだった。

「これは…えっ…どうして?上限の制限が…ない?」
「そうなんだよ。俺だけなくて…だから伸び代ってわけだよ。同じ村人だろ?」

少し黙って見つめると悲しげな表情を見せると口をつぐんでしまった。

「あ、そろそろ夕食の時間ですね。下にお持ちするのでたくさん食べてくださいね」
「あっ…あぁ。なんか俺変な事言ったか?」
「春は何もしてないよ、さっきのメイアって子が何か俺らの知らない事を知ってる
 んじゃないか?」
「あぁ、そうだな…」

天野と聖女は一人部屋で春樹と椎名は同じ部屋にしてもらった。

「なぁ~このままでいいのかな?」
「何か気になるのか?」

フェンを挟んで布団の入ると春樹が不安そうに聞いてきた。

「あの、メイアって子さ~何か大事な事知ってそうな気がするんだ…わからねーけど
 明日が不安になってきた~」
「大丈夫だって。俺がついてる。それに今はこいつもいるだろ?フェンは春から絶対
 に離れるなよ?」

頭を撫でてやるとクンクンと椎名に鼻を擦り付けてきた。

「でもさ~椎名がレベル解放できたらガッツリ上げてから挑もうぜ?」
「そうだな…その頃には春も追いつけよ?」
「ってか、スタートが違うってどんだけなんだよ~」
「俺は嬉しいよ?春を守れるだけの力があれば、ずっとこの世界で生きていける」
「おいおい、帰るって目標忘れてねーか?」
「そうだったな…でも、俺は…春さえいればどっちの世界でも…」

椎名は言いかけて口をつぐんだ。
春樹の視線がそれ以上を拒絶していたからだ。

「俺は帰りたい…椎名と一緒にだ。一緒じゃなければ意味がないんだ。」
「ご、ごめん」
「俺さ椎名が好きだよ。向こうに帰ってもそれは変わらない。男の身体に戻っても
 俺の事好きだって言ってくれるか?」

切実な視線に椎名も真剣に答える。

「もちろんだ。元々向こうにいた時から…でも、言っちゃいけないって思ってたから」
「はははっ…俺も…。きっと言ったら嫌われるって思ってたんだ。ここに来てよかった
 のは椎名の気持ちが聞けたって事かな~」
「それは春もだろ?俺はずっと不安だったんだからな!」
「はいはい、出会いは最悪だったけど…また出会えてよかったって思ってる」
「俺もだ…春っ…」

唇を合わせるとシたいと思ってしまう。
何度も啄むような軽いキスをして…それから。

フェンはすっと立ち上がると間から抜け出すと勝手に窓を開けて出ていった。

「これは…いいよな?」
「フェンの許しを求めてたのか?椎名のバカっ…」
「そういうなって、ずっと触りたかったんだぞ?」
「うん…俺も…」

久しぶりのせいか声を抑えるのを忘れてお互いを求めた結果、朝から聖女の
冷たい視線に晒されるハメになったのだった。
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