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第五十八話 ダイナの想い
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飛び起きるようにダイナが目を覚ますと春樹はにっこりと笑って挨拶した。
「おはよう、ダイナさん。あなたに依頼したい武器の修繕があるんです」
「ふぇ?わしはもう、仕事はせん。帰れ!」
「そうはいきませんよ?他の職人さんにはもう、断られちゃったんです。」
「ん?ここがどこだか分かって言ってるのか?小僧。」
「もちろん分かってますよ。ドワーフの街、地下都市ベイルでしょう?」
「なら…わかんだろ?わしじゃなくても剣くらい誰でも打てる。ましてや
こんな老いぼれよりよっぽど腕のたつやつがいる街だぞ?帰れ、帰れ!」
話すら聞く気はないようだった。
「椎名剣出して!」
「おぅ…」
「これを見ても修繕する気はない?」
一振りの剣を出すと、ダイナの顔付きが変わった。
「おいっ…これはどこで手に入れたんだ?」
「教えたら修繕してくれる?」
「これは流石に難しい…いや俺なら…いや、やめておこう」
「魔王が復活したと巷では噂になってます。勇者として椎名が召喚された
のに、武器がこの状態じゃ困るでしょ?ドワーフってそんな無責任な人
だったんですね~。勇者が負けて死ぬような事があったら誰のせいなん
ですかね~?」
わざとらしく春樹が言うとダイナは渋い顔をした。
「分かった直してやる。ただし、アダマンタイトの鉱石を取ってこい。
ここにゃ~道具はあるが鍛える為の鉱石がないんだ」
「分かった。それは俺達が持ってくるよ!」
「また、こいつにお目にかかる日が来るとはな~」
懐かしそうに剣を眺めていた。
それ以上は何も話してくれなかったが、引き受けてくれた事には感謝
しなくてはと思う。
アダマンタイトの鉱石はどこを探しても売ってはいなかった。
「兄ちゃん達、アダマンタイトの鉱石は岩盤の脆い鉱山にあるんだ。
掘るのも命懸けだから誰も取りに行かねーんだよ。しかも、今では
扱えるのが限られた職人だけで、飲んだくれのダイナくらいじゃね
ーかな~?」
「ダイナさんってそんなにすごい職人なんですか?」
「あぁ、なんでも昔の勇者様の剣を打ったのがダイナの親父さんなん
だよ。魔王討伐が成功して一躍騒がれたほどだ。だがそのあと岩盤
事故でな~、帰って来なかったんだ。」
「どうしてそんな…」
「なんでも勇者様の剣がボロボロになったとかで修繕しようと素材を
取りに行ったって話だ。もう、それを直せるのはその息子のダイナ
くらいなもんさ。他の職人はアダマンタイト鉱石なんてあぶねーも
んは使わねーからな。取ってくるのも命懸けだが、加工もそれ以上
に難しいんだ…」
地盤が脆いと言われる鉱山へと行くと確かに通っているだけでもぽろ
ぽろと砂が崩れて来ていた。
「生き埋めになったら洒落にならないぞ?」
「椎名は~俺と一緒に生き埋めになったらどうする?」
「えっ…それは…/////」
「今、やらしい事考えただろ?」
真っ赤になって否定する椎名の耳元で春樹がボソッと囁いた。
『俺はいいよ。椎名と一緒なら…いっそ繋がったまま死ねたらいいのに』
悪戯っぽい顔で言うと椎名が動揺するのが分かる。
この世界へ来てから動揺してばかりな気がする。
あんなに冷静な椎名がここまで取り乱すのは面白い。
そしてベッドの上での獣じみた顔も春樹を本気にさせた。
「早くとって帰ろうぜ?今日は寝かせてやらないからさっ…」
「そ、それは…」
春樹の魔法で坑道の中を一瞬で凍らせてしまった。
奥まで行くと堀りかけの道具と滑落した跡が見受けられた。
それ以降は掘られていないようだった。
「でも、これからどーするんだ?」
「そんなの決まってるだろ?掘るんだよ。こうやってな!」
春樹は覚醒してから魔法の操作が楽になった気がする。
今ならなんでも出来ると確信していた。
岩盤を頑固な氷漬けにしたと思うと前にある氷ごとイベントリへ入れて砂
や岩を元に戻してまた行先を固める。
その中の鉱石は全てイベントリに収納され、ガッポガッポと掘り進めてい
けるのだった。
道具要らずの魔法とイベントリの活用だった。
魔法の熟練度がどんどん上がっていく。
スキル擬態も覚えたようだった。
「なんか…本当にチートって感じの使い方だよな~」
「生き埋めのリスクを回避してるんだから、いいだろう?それともここで
生き埋めになったら今夜の約束は反故って事でいいのか?」
ベッドでの事情を言うと椎名はすぐに首を横に振った。
「アダマンタイト鉱石はなかなかないんだな~、もっと奥へ行くか!」
掘り進めること1時間。やっと数個のアダマンタイト鉱石を手に入れた。
二人は満足するとダイナの元へと行った。
「おい、嘘だろ…どーやってこんなに早く掘って来れんだよ!」
「それは秘密です。でも、これで修繕してくれるんでしょう?」
「あぁ、わかった。6日間くれ。それまでにしっかり鍛えておいてやる」
ダイナはやる気を出すと工房にひさしぶりに火が灯った。
「おはよう、ダイナさん。あなたに依頼したい武器の修繕があるんです」
「ふぇ?わしはもう、仕事はせん。帰れ!」
「そうはいきませんよ?他の職人さんにはもう、断られちゃったんです。」
「ん?ここがどこだか分かって言ってるのか?小僧。」
「もちろん分かってますよ。ドワーフの街、地下都市ベイルでしょう?」
「なら…わかんだろ?わしじゃなくても剣くらい誰でも打てる。ましてや
こんな老いぼれよりよっぽど腕のたつやつがいる街だぞ?帰れ、帰れ!」
話すら聞く気はないようだった。
「椎名剣出して!」
「おぅ…」
「これを見ても修繕する気はない?」
一振りの剣を出すと、ダイナの顔付きが変わった。
「おいっ…これはどこで手に入れたんだ?」
「教えたら修繕してくれる?」
「これは流石に難しい…いや俺なら…いや、やめておこう」
「魔王が復活したと巷では噂になってます。勇者として椎名が召喚された
のに、武器がこの状態じゃ困るでしょ?ドワーフってそんな無責任な人
だったんですね~。勇者が負けて死ぬような事があったら誰のせいなん
ですかね~?」
わざとらしく春樹が言うとダイナは渋い顔をした。
「分かった直してやる。ただし、アダマンタイトの鉱石を取ってこい。
ここにゃ~道具はあるが鍛える為の鉱石がないんだ」
「分かった。それは俺達が持ってくるよ!」
「また、こいつにお目にかかる日が来るとはな~」
懐かしそうに剣を眺めていた。
それ以上は何も話してくれなかったが、引き受けてくれた事には感謝
しなくてはと思う。
アダマンタイトの鉱石はどこを探しても売ってはいなかった。
「兄ちゃん達、アダマンタイトの鉱石は岩盤の脆い鉱山にあるんだ。
掘るのも命懸けだから誰も取りに行かねーんだよ。しかも、今では
扱えるのが限られた職人だけで、飲んだくれのダイナくらいじゃね
ーかな~?」
「ダイナさんってそんなにすごい職人なんですか?」
「あぁ、なんでも昔の勇者様の剣を打ったのがダイナの親父さんなん
だよ。魔王討伐が成功して一躍騒がれたほどだ。だがそのあと岩盤
事故でな~、帰って来なかったんだ。」
「どうしてそんな…」
「なんでも勇者様の剣がボロボロになったとかで修繕しようと素材を
取りに行ったって話だ。もう、それを直せるのはその息子のダイナ
くらいなもんさ。他の職人はアダマンタイト鉱石なんてあぶねーも
んは使わねーからな。取ってくるのも命懸けだが、加工もそれ以上
に難しいんだ…」
地盤が脆いと言われる鉱山へと行くと確かに通っているだけでもぽろ
ぽろと砂が崩れて来ていた。
「生き埋めになったら洒落にならないぞ?」
「椎名は~俺と一緒に生き埋めになったらどうする?」
「えっ…それは…/////」
「今、やらしい事考えただろ?」
真っ赤になって否定する椎名の耳元で春樹がボソッと囁いた。
『俺はいいよ。椎名と一緒なら…いっそ繋がったまま死ねたらいいのに』
悪戯っぽい顔で言うと椎名が動揺するのが分かる。
この世界へ来てから動揺してばかりな気がする。
あんなに冷静な椎名がここまで取り乱すのは面白い。
そしてベッドの上での獣じみた顔も春樹を本気にさせた。
「早くとって帰ろうぜ?今日は寝かせてやらないからさっ…」
「そ、それは…」
春樹の魔法で坑道の中を一瞬で凍らせてしまった。
奥まで行くと堀りかけの道具と滑落した跡が見受けられた。
それ以降は掘られていないようだった。
「でも、これからどーするんだ?」
「そんなの決まってるだろ?掘るんだよ。こうやってな!」
春樹は覚醒してから魔法の操作が楽になった気がする。
今ならなんでも出来ると確信していた。
岩盤を頑固な氷漬けにしたと思うと前にある氷ごとイベントリへ入れて砂
や岩を元に戻してまた行先を固める。
その中の鉱石は全てイベントリに収納され、ガッポガッポと掘り進めてい
けるのだった。
道具要らずの魔法とイベントリの活用だった。
魔法の熟練度がどんどん上がっていく。
スキル擬態も覚えたようだった。
「なんか…本当にチートって感じの使い方だよな~」
「生き埋めのリスクを回避してるんだから、いいだろう?それともここで
生き埋めになったら今夜の約束は反故って事でいいのか?」
ベッドでの事情を言うと椎名はすぐに首を横に振った。
「アダマンタイト鉱石はなかなかないんだな~、もっと奥へ行くか!」
掘り進めること1時間。やっと数個のアダマンタイト鉱石を手に入れた。
二人は満足するとダイナの元へと行った。
「おい、嘘だろ…どーやってこんなに早く掘って来れんだよ!」
「それは秘密です。でも、これで修繕してくれるんでしょう?」
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ダイナはやる気を出すと工房にひさしぶりに火が灯った。
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