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第六十一話 魔王襲撃
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低い声で脅すと真っ青な顔して顔から血と涎が混ざり合った汚い顔をブル
ブルと震わせながら案内してくれた。
「聖女さま、大丈夫でしたか?」
「天野様…ありがとうございます」
服を整えるとそのまま案内された入り口へと向かった。
「もし、俺達が行った後で何かしようもんなら、帰ってきてからこの街
は二度と人が住めない状態にするからな?覚悟しておくんだな…」
「はい、命だけはお助け下さ…ヒィッ…!」
領主の真横を蹴り上げると壁がボロボロと壊れて崩れて行く。
「おとなしくしてないと、こうなるからな?」
「…っ…はい」
おとなしくなったのを放置すると奥へと進んでいく。
そこは魔物もなく、安全な通路が確保されていた。
歩く先には魔法で光が順について行くので明かりにも困らなかった。
「やっぱり勇者様はお強いですね。わたくしなんかの為に…」
「当たり前だろ?好きな女守れなくてどーすんだよ。聖女様、椎名も同
じだったんだって思うんだ。椎名にとっては春樹が一番大事なんだ。
だから傷つけられるのも、穢されるのも、ましてや死なせるなんて許
せないんだと思う。」
天野の言葉に聖女の中には最初会った時に春樹を使用人に襲わせた事が
あったのを思い出した。
あの時以来、椎名の態度が変わってしまったのだ。
案内人としか思われなくても優しそうな態度が一変した。
たまに嫌悪感のこもった目で見られたのはきっと間違いではない。
「そうですわね。わたくしは大変な間違いを犯しましたわ。春さんさえ
いなくなれば、勇者様はわたくしを見てくれると思って酷い事もいっ
ぱいしました。ですが、初めからそれがいけなかったのですね。今回
の事も、椎名様の連れにも回復はかけましたわ、ですが効かなかった。
きっと言い訳にしか聞こえないかもしれないけど…。」
「分かってる、わかってるけど、事実は変わらない。俺達はきっと憎ま
れてるだろうね。」
「そうですわね。謝りたいですわ。勇者様を支える聖女でありながら、
不甲斐ない自分を変えたいです。そして天野様と一緒にいたいです」
「うん…俺も一緒にいたいよ、だから一緒に謝ろう。そして話をしよう」
天野は淡い期待を胸に、話せばきっとわかってくれると信じたかった。
地下都市につくとなんとも言えない光景が広がっていた。
美しい街並みにドワーフだらけの街。
そして、建築が変わっていて、地上とは段違いの技術だった。
「壮観だな~」
「すごいですわ。このような街は初めて見ますわ」
「あぁ、俺もだ。」
到着して早々に街の隅に大きな魔力反応を感じた。
「なんだっ…?これは…なんか変だっ!」
聖女を連れて急いで離れようとした時、大きな爆発音が辺りに響いていた。
大きなクレーターが中央に開くとワイバーンが天井ギリギリを飛んでいった。
下から黒い鎧の男がワイバーンの背に乗ると街のあちらこちらを破壊していった。
ワイバーン乗せにはもうひとつ氷漬けにされた青年が乗っていた。
見覚えのある青年だ。
椎名くんが大事そうに抱きしめていた彼だった。
「生きていたのか…」
今はそんな事を考えている余裕はなかった。破壊の跡でボロボロになった街で呆然
とする聖女を連れて椎名を探した。
すぐに見つかったが、どう声をかけていいのか迷った。
あの黒い鎧に包まれた奴は誰なのか?
なぜ奴は君の大事な人を連れて行ったのか?
そして、なぜ君は勇者の称号を無くしたのか…?
聖女の回復魔法はこの街の人の助けになっていた。
あれだけの破壊にも関わらず、倒壊した建物には誰も居なかったのだ。
怪我をした人は多かったが、誰一人死んではいなかった。
被害の規模の割に死者がいないというのも妙な話だった。
まるでいないところを攻撃したかのように狙い撃ちをしたようにも思える。
「椎名くん、一体何があったんだ?それにあの黒い鎧の奴は誰なんだ?ワイ
バーンに乗って行った時に連れていたのって彼だろう?」
「魔王…だと…許さない…春に手を出す奴は殺してやる…」
「魔王だって!?どうしてここに現れるんだ?しかも魔力が桁外れに大きか
ったぞ!」
「一か月以内に魔王城へと来いなんて喧嘩売られて逃げられるかよ…」
「君が行くなら俺も行くよ、彼を助けたいんだろう?手伝うよ」
椎名にひと睨みされたがめげなかった。
「春樹と同じくらい大切なんだろ?」
「あいつは春だ。本当の春の姿と声だった。記憶が無かったけど、間違いない。
女の春の遺体と同期したら俺の事も思い出してくれたし…」
「それは…事実なのかい?なら、尚更俺たちの仲間だから、手伝うよ。」
「天野はよくても、そいつは反対なんだろ?それに春を殺そうとした奴に肩入れ
するような奴は信用できない。あの時、春だけは治そうとしなかったのが事実
だ。そんな奴とは組めない」
ブルと震わせながら案内してくれた。
「聖女さま、大丈夫でしたか?」
「天野様…ありがとうございます」
服を整えるとそのまま案内された入り口へと向かった。
「もし、俺達が行った後で何かしようもんなら、帰ってきてからこの街
は二度と人が住めない状態にするからな?覚悟しておくんだな…」
「はい、命だけはお助け下さ…ヒィッ…!」
領主の真横を蹴り上げると壁がボロボロと壊れて崩れて行く。
「おとなしくしてないと、こうなるからな?」
「…っ…はい」
おとなしくなったのを放置すると奥へと進んでいく。
そこは魔物もなく、安全な通路が確保されていた。
歩く先には魔法で光が順について行くので明かりにも困らなかった。
「やっぱり勇者様はお強いですね。わたくしなんかの為に…」
「当たり前だろ?好きな女守れなくてどーすんだよ。聖女様、椎名も同
じだったんだって思うんだ。椎名にとっては春樹が一番大事なんだ。
だから傷つけられるのも、穢されるのも、ましてや死なせるなんて許
せないんだと思う。」
天野の言葉に聖女の中には最初会った時に春樹を使用人に襲わせた事が
あったのを思い出した。
あの時以来、椎名の態度が変わってしまったのだ。
案内人としか思われなくても優しそうな態度が一変した。
たまに嫌悪感のこもった目で見られたのはきっと間違いではない。
「そうですわね。わたくしは大変な間違いを犯しましたわ。春さんさえ
いなくなれば、勇者様はわたくしを見てくれると思って酷い事もいっ
ぱいしました。ですが、初めからそれがいけなかったのですね。今回
の事も、椎名様の連れにも回復はかけましたわ、ですが効かなかった。
きっと言い訳にしか聞こえないかもしれないけど…。」
「分かってる、わかってるけど、事実は変わらない。俺達はきっと憎ま
れてるだろうね。」
「そうですわね。謝りたいですわ。勇者様を支える聖女でありながら、
不甲斐ない自分を変えたいです。そして天野様と一緒にいたいです」
「うん…俺も一緒にいたいよ、だから一緒に謝ろう。そして話をしよう」
天野は淡い期待を胸に、話せばきっとわかってくれると信じたかった。
地下都市につくとなんとも言えない光景が広がっていた。
美しい街並みにドワーフだらけの街。
そして、建築が変わっていて、地上とは段違いの技術だった。
「壮観だな~」
「すごいですわ。このような街は初めて見ますわ」
「あぁ、俺もだ。」
到着して早々に街の隅に大きな魔力反応を感じた。
「なんだっ…?これは…なんか変だっ!」
聖女を連れて急いで離れようとした時、大きな爆発音が辺りに響いていた。
大きなクレーターが中央に開くとワイバーンが天井ギリギリを飛んでいった。
下から黒い鎧の男がワイバーンの背に乗ると街のあちらこちらを破壊していった。
ワイバーン乗せにはもうひとつ氷漬けにされた青年が乗っていた。
見覚えのある青年だ。
椎名くんが大事そうに抱きしめていた彼だった。
「生きていたのか…」
今はそんな事を考えている余裕はなかった。破壊の跡でボロボロになった街で呆然
とする聖女を連れて椎名を探した。
すぐに見つかったが、どう声をかけていいのか迷った。
あの黒い鎧に包まれた奴は誰なのか?
なぜ奴は君の大事な人を連れて行ったのか?
そして、なぜ君は勇者の称号を無くしたのか…?
聖女の回復魔法はこの街の人の助けになっていた。
あれだけの破壊にも関わらず、倒壊した建物には誰も居なかったのだ。
怪我をした人は多かったが、誰一人死んではいなかった。
被害の規模の割に死者がいないというのも妙な話だった。
まるでいないところを攻撃したかのように狙い撃ちをしたようにも思える。
「椎名くん、一体何があったんだ?それにあの黒い鎧の奴は誰なんだ?ワイ
バーンに乗って行った時に連れていたのって彼だろう?」
「魔王…だと…許さない…春に手を出す奴は殺してやる…」
「魔王だって!?どうしてここに現れるんだ?しかも魔力が桁外れに大きか
ったぞ!」
「一か月以内に魔王城へと来いなんて喧嘩売られて逃げられるかよ…」
「君が行くなら俺も行くよ、彼を助けたいんだろう?手伝うよ」
椎名にひと睨みされたがめげなかった。
「春樹と同じくらい大切なんだろ?」
「あいつは春だ。本当の春の姿と声だった。記憶が無かったけど、間違いない。
女の春の遺体と同期したら俺の事も思い出してくれたし…」
「それは…事実なのかい?なら、尚更俺たちの仲間だから、手伝うよ。」
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