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第六十七話 性の家畜

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あまりに驚きに悲鳴をあげると飛び退いた。

背中に小さな翼をつけた女性のお尻には長くて黒い触角が生えていた。

「まさかサキュバス…って事はティアさん?」
「ティアとお呼びください。魔王様~」
「ちょっと待って…何でここにいるの!?」
「背中を流して差し上げようかと…それとちょっと味見でもと…」
「いやっ、それって味見のが目的地でしょ!すぐに出てってよ!」
「夜まで待てなかっただけなのに~、でも…イイモノ持ってるし、ちょっと
 期待しちゃうわ~」
「そんな事期待しなくていいですから!それと夜に勝手に入ってこないで下
 さいね。」

言いたいことを言うと出て行こうとしないティアを無視して春樹が湯船から
出た。

後を追うようにペタペタと足音が付いてくる。

「何ですか?」
「ちょっと待ってよ~、夜も来なくていいってどういう事?夜伽しなと身体壊
 しちゃうんだよ?部下で夜伽するのは当たり前だろ?」

視線は下半身を見ながら言うので説得力もない。
ただ味わいたいと言っているのが見てとれる。

「悪いけど、そう言う事には興味ないから」
「私ならどんな姿にでもなれるんだ、これほど楽しめる事はないだろう?胸は
 もっと大きい方がよかったのかい?それとも小さいのが好みかい?」
「どっちも興味ないですから!」

はっきりと言うと部屋に篭った。

椎名が欲しい…なんて言えない。
自分から離れたのに…。

そして椎名から殺される為に離れたと言うのに…。

外のドアには『ティアさん立ち入り禁止』と張り紙をしておいた。


夜中の寝静まった頃、ティアは魔王の部屋へとやってきていた。
前に書かれた張り紙をみると少し悲しくなる。
ここまで拒否しなくてもいいのに。

するりとドアをすり抜けると部屋の中に入る。
物音すら立てずに近づくとそっと身体に触れた。

溜まっているのか身体が熱い。

「溜まってるんじゃないか…全く子供だね~」

何百年も生きてきた者からすれば生まれたての魔王なんて子供同然だった。

「あんたの欲望を見せておくれよ…」

心の中へとゆっくりと入っていく。
そこには笑顔で笑う魔王の姿があった。
隣にいるのは人間の雄だった。
愛おしいと心が囁いている。
もっと覗きたくなった。
深く、深く降りていくと薄暗い中、魔王の叫び声が聞こえてきた。
先ほどの雄に組み敷かれて高揚した様子で求めていた。

(これは…また…。)

雄は雌に惹かれ合うものだと思っていたが少し勘違いだったのかもしれない。
ティアは心の中で拒絶された訳を知った気がした。

ゆっくりと出てくると眠る魔王様を見下ろすと姿を変化させた。
男の身体へと、そして今見た男の姿。そう椎名の姿へと変えていく。

やり方はさっきの映像で何度も見たので理解した。
あとは実践あるのみだ。

服を脱がせると平たい胸板をゆっくりと触れていく。眠っていても感じるのか
ビクっと震わせた。
舌を這わせると舐めていく。
サキュバスに産まれてこんな事初めてだった。
女性の身体なら、男から勝手に興奮して襲ってくるのに、男の身体で男を襲う
など考えてもみなかった。

胸の突起を弄ってやると甘い吐息が漏れる。
起きたのかうっすらと目が開いた。

「はるっ…これは夢だよ…」
「…ゆめ?」
「そう、俺が春に会いたかったから…ずっと抱きしめたいって思ったからきっと
 春が出てきてくれたんだね…春大好きだよ…」
「俺も…っ…椎名ぁっ…抱いて…お願い。椎名のが欲しい」

いきなり抱きついてくると泣き出していた。
自ら足を開くと自分の指で蕾を解し始める。
サキュバスの体液を入れれば簡単なのだが、苦しそうに解す姿がたまらなくエロい。
まさかサキュバスともあろう自分が興奮しているなどはじめての体験だった。

いつもの冷静なティアはどこにもいなかった。

身体が雄になったせいか心も引っ張られたのかもしれない。
蕾を舌で舐めると体液を流し込み獲物を虜にする。
そして初めて、差し込む方に回った。

魔王様に抱かれるんだと喜んで行ったはずなのに、今は魔王様を抱いていた。
雄にしては、エロく、美しかった。
漏れる悲鳴も水音も全てが初めてでティアの心を躍らせた。

(雄同士だとこんなに美しいしく美味しい性を食べれるのか…癖になりそうっ!)

感動すると、たらふく吸い尽くした。
魔王様だからよかったが、これを人間でやっていたらきっと干からびていただろう。
全身を綺麗に舐めとると服を戻しておいた。

「ご馳走様~…あ~お腹いっぱい~」

部屋を出ると今度家畜村でも試してみようと考えたのだった。
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