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第八十八話 魔力封じ
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ボロ雑巾のように投げ捨てられたララを地面に落とすと足で踏みつけてきた。
ベチャと身体が溶けていき、水へと変わっていく。
「おいおい、こいつはどーなってるんだ?それともお前が本体だって言うのか?」
「くっ、ここはどーなってるんだ?まさか獣王みずから出てくるとはな!遊び場
ってところか?」
「あぁ、ここは俺専用の奴隷狩りの場所だよ。今日は賊狩りになっているがな?」
獣王は一気に距離を詰めると凶暴な爪で引き裂こうとしてくる。
春樹はかわすと走り出した。
さすがに魔力無しで戦える相手ではない。
ララでさえあの状態なのだ。
分体が話しかけてくる。
「すいません、不甲斐ないばかりに…」
「いや、ララが無事でよかったよ。」
「修復に時間がかかりそうです」
「分かった。いっそ俺の身体の中にこれるか?」
「それをすると魔王様の負担になってしまいます」
「いい、今の俺じゃ戦えないからな」
分体を通じて先ほど地面に分散してしまった身体が消えていき春樹の中へと満ちて
いく。
「おいおい、さっきの水の匂いがお前からもするな~、どーなってるんだ?」
「さぁ~な!捕まえて吐かせてみるか?」
「それも楽しみだ!」
凶暴な顔つきになると突進してくる。
どこまで走っても闘技場の中からは抜けられない。
今は逃げて、逃げて、逃げ回るしか方法がなかった。
少しでもいい、魔力を使える方法を考えなくてはならない。
魔王という称号があるのだから、魔力さえ使えれば枯渇しないほどの潤沢にあるのだ。
ララが回復して戦闘できるようになるまで逃げ切れれば…。
「おいおい、あれだけ煽って置いてただ逃げるだけかよ!情けないな~?おい!」
「こっちはあんたほど怪力じゃないんでねっ…」
隠れてもすぐに匂いでバレてしまう。
あの鼻をなんとかしないと嬲り殺されるのが見えている。
アイテムから薬草を取り出すとイベントリの中で合成する。
錬金術はできるらしい。
すぐに匂い玉を作るとあちこちに放り投げた。
辺り一面に耐え難い悪臭が広がっていく。
人間にとっては少し臭いなって程度だが、匂いに敏感な獣には致命傷だった。
「なっ、このぉ~人間風情がぁ!!」
鼻を抑えるがそれでも臭いは広がり続ける。
この闘技場の中と外とを隔てる見えない壁のせいで匂いも中で充満してしまっている。
しかし、獣王はこれを解いたりはしなかった。
そうすれば臭いからは解放されるが魔力が使えるようになってしまうからだ。
敵は魔力の使い方に長けていると情報があった。
それを考慮して魔力が使えない空間を作って閉じ込めたのに、それをむざむざと解くなど
できない。
「殺すだけで済むと思うなよ!人間がぁ~!」
我を忘れたかのような雄叫びを上げると身体が膨れ上がっていく。
体長が倍以上に大きくなると、腕を一振りしただけで周りの木々が吹き飛んで行く。
「おいおい、マジかよ…この世界こいつが最強じゃねーの?」
「獣王は魔法が使えません、ただの脳筋なのでこの場所さえ抜けれればこちらの方が
有利です」
「それが問題なんだけどな?…おっとっ!」
飛んできた大木を避けると肩口をぶつけたせいか、動きが鈍る。
回復も今は使えない。
どんどん傷が増えていく。
「こりゃ分が悪いな…」
「まずは逃げて下さい。来ました!」
「分かってるってっ…あっぶね~」
直撃をギリギリで交わすが、そろそろ疲労が溜まってきていた。
息が上がってきて、交わすにも限界がある。
「そろそろ脆弱な人間は限界か?」
「うるせーよ!」
大きく腕を振りかぶると木の陰に隠れていたが、咄嗟に嫌な予感がして逃げ出した。
さっきまであった木が地割れの中に飲み込まれて、再びふさがった。
「おいおい、嘘だろ…魔法使えなくてこれかよ…」
「筋力の成せる技です。」
「いや、純粋に筋力じゃねーじゃん!」
足がもつれてくる。
そろそろヤバい。
「もう逃げるのはやめたのか?」
「ははっ、あんたしつこいんじゃねーの?」
「ここまで時間をかけられた奴は初めてでな~褒美に生かして置いてやるぞ?」
「そりゃどーも、俺はここから早く退散したいんだけど?」
「それは無理だな、賊を生捕りにしてほしいという依頼があってな?」
春樹は眉を歪めた。
自分が宝物庫を漁っているのを知ってて、生捕りにと言う事は、世界の破片について
何か知っているのかもしれなかった。
もう体力も限界で、動くのも辛い。さっきの攻撃を避けた時に足に負った傷から血が
流れ出ていて、目の前がくらくらしていた。
「まぁ、殺しはせんよ。だが、それ以上の苦痛を味わう事になるがな…はははっ!」
獣王は盛大に笑うと軽々と春樹を持ち上げると部下に鎖で繋がせ手当をさせた。
捕虜の傷の手当てをするなど少しびっくりしたが、それが死なせない為であると分か
ると、吐き気がした。
鉄のにおいが混じった部屋で鎖に繋がれるとララの回復を待った。
あと1日。それだけあれば元の身体を整形できると言っていた。
「分かった、それまで中で大人しくしててくれ」
「わかりました。しばらくは回復の為に眠ります。何か危険を感じたらすぐに起こして
下さいね?」
「あぁ、分かった」
ララが眠った後、獣王自らが尋問にきていた。
ベチャと身体が溶けていき、水へと変わっていく。
「おいおい、こいつはどーなってるんだ?それともお前が本体だって言うのか?」
「くっ、ここはどーなってるんだ?まさか獣王みずから出てくるとはな!遊び場
ってところか?」
「あぁ、ここは俺専用の奴隷狩りの場所だよ。今日は賊狩りになっているがな?」
獣王は一気に距離を詰めると凶暴な爪で引き裂こうとしてくる。
春樹はかわすと走り出した。
さすがに魔力無しで戦える相手ではない。
ララでさえあの状態なのだ。
分体が話しかけてくる。
「すいません、不甲斐ないばかりに…」
「いや、ララが無事でよかったよ。」
「修復に時間がかかりそうです」
「分かった。いっそ俺の身体の中にこれるか?」
「それをすると魔王様の負担になってしまいます」
「いい、今の俺じゃ戦えないからな」
分体を通じて先ほど地面に分散してしまった身体が消えていき春樹の中へと満ちて
いく。
「おいおい、さっきの水の匂いがお前からもするな~、どーなってるんだ?」
「さぁ~な!捕まえて吐かせてみるか?」
「それも楽しみだ!」
凶暴な顔つきになると突進してくる。
どこまで走っても闘技場の中からは抜けられない。
今は逃げて、逃げて、逃げ回るしか方法がなかった。
少しでもいい、魔力を使える方法を考えなくてはならない。
魔王という称号があるのだから、魔力さえ使えれば枯渇しないほどの潤沢にあるのだ。
ララが回復して戦闘できるようになるまで逃げ切れれば…。
「おいおい、あれだけ煽って置いてただ逃げるだけかよ!情けないな~?おい!」
「こっちはあんたほど怪力じゃないんでねっ…」
隠れてもすぐに匂いでバレてしまう。
あの鼻をなんとかしないと嬲り殺されるのが見えている。
アイテムから薬草を取り出すとイベントリの中で合成する。
錬金術はできるらしい。
すぐに匂い玉を作るとあちこちに放り投げた。
辺り一面に耐え難い悪臭が広がっていく。
人間にとっては少し臭いなって程度だが、匂いに敏感な獣には致命傷だった。
「なっ、このぉ~人間風情がぁ!!」
鼻を抑えるがそれでも臭いは広がり続ける。
この闘技場の中と外とを隔てる見えない壁のせいで匂いも中で充満してしまっている。
しかし、獣王はこれを解いたりはしなかった。
そうすれば臭いからは解放されるが魔力が使えるようになってしまうからだ。
敵は魔力の使い方に長けていると情報があった。
それを考慮して魔力が使えない空間を作って閉じ込めたのに、それをむざむざと解くなど
できない。
「殺すだけで済むと思うなよ!人間がぁ~!」
我を忘れたかのような雄叫びを上げると身体が膨れ上がっていく。
体長が倍以上に大きくなると、腕を一振りしただけで周りの木々が吹き飛んで行く。
「おいおい、マジかよ…この世界こいつが最強じゃねーの?」
「獣王は魔法が使えません、ただの脳筋なのでこの場所さえ抜けれればこちらの方が
有利です」
「それが問題なんだけどな?…おっとっ!」
飛んできた大木を避けると肩口をぶつけたせいか、動きが鈍る。
回復も今は使えない。
どんどん傷が増えていく。
「こりゃ分が悪いな…」
「まずは逃げて下さい。来ました!」
「分かってるってっ…あっぶね~」
直撃をギリギリで交わすが、そろそろ疲労が溜まってきていた。
息が上がってきて、交わすにも限界がある。
「そろそろ脆弱な人間は限界か?」
「うるせーよ!」
大きく腕を振りかぶると木の陰に隠れていたが、咄嗟に嫌な予感がして逃げ出した。
さっきまであった木が地割れの中に飲み込まれて、再びふさがった。
「おいおい、嘘だろ…魔法使えなくてこれかよ…」
「筋力の成せる技です。」
「いや、純粋に筋力じゃねーじゃん!」
足がもつれてくる。
そろそろヤバい。
「もう逃げるのはやめたのか?」
「ははっ、あんたしつこいんじゃねーの?」
「ここまで時間をかけられた奴は初めてでな~褒美に生かして置いてやるぞ?」
「そりゃどーも、俺はここから早く退散したいんだけど?」
「それは無理だな、賊を生捕りにしてほしいという依頼があってな?」
春樹は眉を歪めた。
自分が宝物庫を漁っているのを知ってて、生捕りにと言う事は、世界の破片について
何か知っているのかもしれなかった。
もう体力も限界で、動くのも辛い。さっきの攻撃を避けた時に足に負った傷から血が
流れ出ていて、目の前がくらくらしていた。
「まぁ、殺しはせんよ。だが、それ以上の苦痛を味わう事になるがな…はははっ!」
獣王は盛大に笑うと軽々と春樹を持ち上げると部下に鎖で繋がせ手当をさせた。
捕虜の傷の手当てをするなど少しびっくりしたが、それが死なせない為であると分か
ると、吐き気がした。
鉄のにおいが混じった部屋で鎖に繋がれるとララの回復を待った。
あと1日。それだけあれば元の身体を整形できると言っていた。
「分かった、それまで中で大人しくしててくれ」
「わかりました。しばらくは回復の為に眠ります。何か危険を感じたらすぐに起こして
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「あぁ、分かった」
ララが眠った後、獣王自らが尋問にきていた。
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