間違って村娘が勇者パーティーにいます

秋元智也

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〜4章〜 第九十六話 魔王の策略

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春樹は魔王城に残ると、残った兵を連れてもうすぐ勇者が来るであろう
街へと行くことにした。

「魔王様、よくお越しくださいました。今日はどういったご用件ですか?」
「みんなを集めてくれないか?それと、街の区画毎に人を集めてくれないか?」
「はい、今すぐに」

ある程度離れた区画毎に兵を集めるとそこで待機する様に指示した。

最初は門の前に全員集めると門を閉門する様に指示した。

「こちらはこれで全員です」
「そうか、なら…全員ここで死んでくれ。」

その一言で、何を言っているのか分からないと動揺が浮かんだ。

「そうだな、説明が悪かったな。静かに死ね」

風の魔法で周りに結界ができるとその中を無尽蔵に風の刃が暴れ回ると兵達
を切り刻んでいた。
誰一人動かなくなると次へと向かった。

返り血を浴びたまま魔王が現れると心配する様に皆が近づいてきた。
取り囲まれた事に春樹は手間が省けたと思うと一気に先ほどと同じように切
り刻んで行った。

数カ所毎に音も立てずに、殺し終わると、静かになった。

残っているのは奴隷として売られてきた人間達だけだった。
怯えたような顔をされるかと思ったが誰もが無関心だった。
外が少し騒がしいくらいや、血だらけの人間が来ても誰も見向きもしなかっ
たのだ。

それが奴隷として売られて来た人の境地なのだろう。
胸糞悪い。

少しは抗えよ、逃げようという気概を持てよ。

イラついた状態で魔法を発動するものではないなと、今更思った。

さっきまで血の通っていたたはずのモノは切り刻まれ、部位毎に切り落と
されていた。

「あー…やり過ぎたか…」

戻る頃には夕刻になっていた。
食糧は一部貰ってきたのでイベントリから出して適当に食べた。
味が…しない。

「後悔なんか…しない」

自分に言い聞かすように目を閉じた。
明日はもうちょっと近くの街を皆殺しにしておこう。

レベルももうすぐ200の大台に乗ろうとしていた。
城に残っている魔族は数名に満たなかった。

「そろそろ、皆殺しにしておくか…」

この馬鹿げた物語の終焉に向けて加速させていくのである。



その数日後、勇者達は街へと到着したのだった。
食糧も手付かずだったのでそこで補給すると、次の街へと目指した。

少し手前に小さな村があるが、最初はそこを避けて行く予定だったが、
予想外の出来事に寄り道する事にしたのだった。

「この前の街は異常だったよな~」
「まぁ…そうだな」

気のない返事をすると村が見えてきた。
外から見る分にはなんの変てつもない村だった。

今度は全員で乗り込むと各家の中は鎮まり返っていた。
ドアをゆっくり開けると中で住人が死んでいたのだった。
心臓にひとつき。

穴がポッカリと空いていたのだ。
何かが、突き抜けたような痕。
そして壁を抉って何かが刺さった痕も見受けられた。

「この村の住人も全員魔族なのに…」
「これで、これから行く街も村も、もしかしたら…」

一つの仮説を考えていた。
誰もが分かる仮説、それはもう魔王城以外に生きている魔族はいないので
はないか?
という事だった。

この時の勇者達はまだ知らない。
人族の大陸の方で魔族の大幅な進行が繰り広げられている事に。
国がどんどん落とされて行っている事に。

全滅するのはどっちが先なのか?人か魔族か?
時間の問題だろう事に、未だ気づく事はできなかった。

一軒だけ綺麗そうなところを片付けると、休憩することにした。

「でもさ~なんでこんな事してんだろう?」
「なんでって?」
「だってさ~これって勇者である私たちの仕事でしょ?メリットないじゃん?」

カエデの意見も最もだった。
考えれば、考えるほどおかしいとしか思えない。

「いっそ、魔王自体がいなければ、平和も守られるし、私たちも帰れるんじゃ
 ない?」
「魔王を勇者が倒さないと帰れないとか?」
「えーーー、それってゲームとかにあるシナリオ進めないとクリアできないと
 か言うやつ?」
「かもしれない…だって俺らはカエデちゃんと違ってレベルはどんどん上がっ
 てるのに、カエデちゃんとの差がそんなに広がってるイメージないのってさ
 やっぱり、スキルをたくさん保有してるせいだよね?ならレベル上限突破す
 る意味って何だったんだろうって」

天野の言っている意味も分かる。
あの時春樹を殺してまで手に入れたレベル解放は何を意味していたのか?
それ以降に出会った春樹は本物だったのか?
前の身体と同化したけど、それ以降何か不安そうだったし、何かがあったのだ
と考えるのが普通だろう。

答えはすぐそこまで迫ってきていたのだった。
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