偽りの王女に奪われた世界

秋元智也

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チャリオット戦

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今にも壊れそうな吊り橋を渡るとボス部屋に続く扉があった。
「いいか?指示通りに行くぞ?」
「「はい」」
「は~~~い!」
多少の不安は残るが、俺は気にしないことにした。
扉を押すと重そうな音がして開きだした。
すると、一気に霧に覆われて、次に現れたのは建物の中だった。
先程開いた扉は跡形もなく消えている。
真っ直ぐに繋がった道。
奥からものすごい音と振動が伝わってくる。
目の前には3体のスケルトンが剣と盾を構えながらこちらに向かってきていた。
ミナと俺は駆け出すと一気に切り伏せると窪みの隙間に身を隠した。
その頃、ゼムとカールも隙間に身を隠す。
すると、大きな地響きと共に現れたのは、馬がわりに大きな魔獣に引かせていて、それの手綱を握るのは首のない騎士、いわゆるデュラハンが乗った大きな暴れ馬ならぬ、暴れる魔獣馬車。
こんなのに引かれたらひとたまりもない。
通りすぎるとすぐに通路に出るとチャリオットが来た方角に走り出す。
そこにはローブを被った魔術師が攻撃魔法を打ち放ってきた。
「当たるかよっ」
「そんなにどんくさくはないね~っと。」
両サイドから避けると飛び込みながら切りつける。
最後に悪足掻きか、魔方陣が出来てそこからはスケルトンが5体召喚された。
「遅かったね」
ミナはすぐにスケルトンの方に向かおうとして走り出した。
「そろそろまた来るぞ!」
「わかってるって!」
1体を切ると、またもや地響きが近づいてくる。
通路から一旦回避して隙間に身を隠すとものすごい勢いで走り去っていった。
そこに残されたのはスケルトンの散ったエフェクトだった。
「もう一体魔術師を倒したら攻撃に入るぞ!カールとゼムはチャリオットを攻撃。俺らはあと少しだ。」
「うーん。最後は殺らせてよー」
ミナは不満を洩らした。
「分かったから、行くぞ!」
過ぎ去った後に、またもや走り出す。
スケルトンが魔方陣から沸いてくるのを確認しながらそのまま俺は前に進んだ。
ミナは後ろに行かないようにスケルトンを一体ずつ葬っていた。
隙間の一部が光出すと魔法が飛んで来た。
「見つけた!」
飛んで来るのを避けながらそのまま突っ込んでいく。
狭い隙間に飛び込むと一気に剣を振り下ろした。
魔術師が要る限り、再現なく沸いてくるスケルトンだが、先に倒してしまえば後は簡単だった。
隙間に各々入り込むと弓や魔法を唱える。
ミナに関しては火炎壺を構えた。
丁度チャリオットが向かってくる前に弓矢や火炎壺を投げつける。
ものすごい勢いで走っているためかそんなことでは怯まず、ずっと円形になった通路を走り続ける。
一部分大きく空いた奈落の穴があるのだがそんなことはお構いなしに飛び越える。
時間はかかるがゆっくりと、確実に攻撃を当てていった。
HPが残りの3割を切った頃地響きが止んだ。
俺はミナと二人で様子をみるためにゆっくりと進んでいく。
すると、ダメージが大きすぎたのか奈落の穴を飛び越えられずに必死にしがみついている姿が見えた。
「行ってこい」
「えへへっ・・・」
喜んでミナは走り出すとしがみついていた足を切り捨てた。
「てやっー!」
その勢いでチャリオットはグラッと傾き奈落へと落ちていった。
「勝利ー!」
「って、お前だけじゃねーだろ?」
「そうでした。」
舌をペロッと出すとこちらを振り返った。
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