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第二章
5話 転生者?
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タオルをイリアに渡すと前を隠すように言って、その前をケイルは
イリアを隠すようにして湯の中に入った。
「そう警戒するなって」
「イリアの方をジロジロ見ている人に警戒するなって方がおかしい
でしょ?」
「あははっはっ。まぁ~そりゃ~な~、いい女だしな~。でもよ…
前に会った時と変わってねーよな?ケイルは大きくなったのにさ」
「それは僕が育ち盛りだからじゃないですか?」
「そうか?」
「アル兄達は25くらいでしたっけ?」
「まだ、23だ!勝手に年を誤魔化すな!」
ムキになって言うアルフレッドにケイルは笑いながら答える。
「僕、まだ15なんで!」
「そうだよな~、前にあったのは5年も前か~」
「そうですね…」
10歳の子供が5年も経てば結構大きくなった気がした。
あの時からイリアの魔法は異常だった。
支援魔法も去ることながら、攻撃魔法の威力が桁違いに強すぎる気
がする。
そこで考えられるのは『転生者』という言葉が思い浮かんだのだ。
「あのよ~ちょっと聞きたいんだが…転生者って知ってるか?」
「…?」
「あぁ、変な事言ったか?どうにもイリアちゃんの強さが奇妙に思
えてな…」
「知らないわ。私は師匠に色々教えてもらって、それを弟のケイル
に教えているの。」
「本当の姉弟じゃないんだろ?」
アルフレッドの言葉に反応が遅れてしまった。
少し怪しまれただろうか?
「もう、いい加減にしたら?」
隣のラニが呆れたように言って来た。
「この人ね。強い人には必ず聞いているのよ。もし転生者なら、一緒
に元の世界に帰れるからってパーティーに誘うのよ?そんなに私が
頼りないのかしら?」
「そうじゃねーって。ただ、本当に転生者ならさ~魔王が討伐された
ら、神様がなんでも願いを叶えてくれるって言ったんだよ。だから
一緒に帰るって事もできるんじゃねーかって思ってさ~」
アルフレッドは善意で言ってくれてるらしい。
が、そこは多分無理な気がした。
ケイルこと、佐野遼馬の体はもう朽ちていて、戻ったとしても生きて
行くはずだった場所はもうないのだ。
もしかしたらイリアだけでも…圭子だけならまだ母さんを一人残して
しまったので、一緒に生きていく人生もあるかもしれない。
話の途中でイリアを眺めたが、すぐに首を振って気にするなと言われ
た気がした。
「もう、俺ら出るな!お二人さん、ゆっくりしてけよ~」
「お先に~、またどこかで会えるといいわね!」
「また、お元気で」
アルフレッドに続いてラニも出て行った。
本当に二人っきりになると少し気まずかった。
「本当に良かったのか?圭子だけなら…」
「誰が戻りたいって言ったのよ?お兄ちゃんを置いていけるわけないじゃ
ない」
「…そっか…そう…なんだ」
「何よ?」
「いや、なんか嬉しいなって…俺はもう死んでるから戻る場所もないって思
って転生したけど、圭子はその姿のままこっちへ来てるからさ…まだ…」
「もう、いいじゃない。私はここで生きていく。そう決めたの。」
「…ありがとな。」
イリアの方を振り向くとじっと眺めて抱きしめた。
肌の間にはタオルが一枚あるだけだった。
それに気づくとすぐに離れた。
「ご…ごめん」
「今更…いっそ抱いてみる?お兄ちゃん?」
「冗談でも、そんな言葉を言っちゃダメだ!ちゃんと好きな人ができるまでは
そう簡単に許しちゃだめなんだぞ!」
「なら、お兄ちゃんも、簡単に童貞卒業しないでよ!ばか!」
「はぁ~?それは話が別だろ!」
大声で言い合いになったが、誰もいない浴場では騒がしくても誰も咎める事は
なかった。
朝起きてみると、帰って来てから別々の部屋で寝ていたはずのイリアがまたも
や布団の中に潜り込んでいたのだった。
「おい、勘弁してくれよ…忍耐力でも鍛えろって言うのかよ…」
無防備に裸を晒してくっついて寝ているイリアに苛立ちを募らせていた。
イリアを隠すようにして湯の中に入った。
「そう警戒するなって」
「イリアの方をジロジロ見ている人に警戒するなって方がおかしい
でしょ?」
「あははっはっ。まぁ~そりゃ~な~、いい女だしな~。でもよ…
前に会った時と変わってねーよな?ケイルは大きくなったのにさ」
「それは僕が育ち盛りだからじゃないですか?」
「そうか?」
「アル兄達は25くらいでしたっけ?」
「まだ、23だ!勝手に年を誤魔化すな!」
ムキになって言うアルフレッドにケイルは笑いながら答える。
「僕、まだ15なんで!」
「そうだよな~、前にあったのは5年も前か~」
「そうですね…」
10歳の子供が5年も経てば結構大きくなった気がした。
あの時からイリアの魔法は異常だった。
支援魔法も去ることながら、攻撃魔法の威力が桁違いに強すぎる気
がする。
そこで考えられるのは『転生者』という言葉が思い浮かんだのだ。
「あのよ~ちょっと聞きたいんだが…転生者って知ってるか?」
「…?」
「あぁ、変な事言ったか?どうにもイリアちゃんの強さが奇妙に思
えてな…」
「知らないわ。私は師匠に色々教えてもらって、それを弟のケイル
に教えているの。」
「本当の姉弟じゃないんだろ?」
アルフレッドの言葉に反応が遅れてしまった。
少し怪しまれただろうか?
「もう、いい加減にしたら?」
隣のラニが呆れたように言って来た。
「この人ね。強い人には必ず聞いているのよ。もし転生者なら、一緒
に元の世界に帰れるからってパーティーに誘うのよ?そんなに私が
頼りないのかしら?」
「そうじゃねーって。ただ、本当に転生者ならさ~魔王が討伐された
ら、神様がなんでも願いを叶えてくれるって言ったんだよ。だから
一緒に帰るって事もできるんじゃねーかって思ってさ~」
アルフレッドは善意で言ってくれてるらしい。
が、そこは多分無理な気がした。
ケイルこと、佐野遼馬の体はもう朽ちていて、戻ったとしても生きて
行くはずだった場所はもうないのだ。
もしかしたらイリアだけでも…圭子だけならまだ母さんを一人残して
しまったので、一緒に生きていく人生もあるかもしれない。
話の途中でイリアを眺めたが、すぐに首を振って気にするなと言われ
た気がした。
「もう、俺ら出るな!お二人さん、ゆっくりしてけよ~」
「お先に~、またどこかで会えるといいわね!」
「また、お元気で」
アルフレッドに続いてラニも出て行った。
本当に二人っきりになると少し気まずかった。
「本当に良かったのか?圭子だけなら…」
「誰が戻りたいって言ったのよ?お兄ちゃんを置いていけるわけないじゃ
ない」
「…そっか…そう…なんだ」
「何よ?」
「いや、なんか嬉しいなって…俺はもう死んでるから戻る場所もないって思
って転生したけど、圭子はその姿のままこっちへ来てるからさ…まだ…」
「もう、いいじゃない。私はここで生きていく。そう決めたの。」
「…ありがとな。」
イリアの方を振り向くとじっと眺めて抱きしめた。
肌の間にはタオルが一枚あるだけだった。
それに気づくとすぐに離れた。
「ご…ごめん」
「今更…いっそ抱いてみる?お兄ちゃん?」
「冗談でも、そんな言葉を言っちゃダメだ!ちゃんと好きな人ができるまでは
そう簡単に許しちゃだめなんだぞ!」
「なら、お兄ちゃんも、簡単に童貞卒業しないでよ!ばか!」
「はぁ~?それは話が別だろ!」
大声で言い合いになったが、誰もいない浴場では騒がしくても誰も咎める事は
なかった。
朝起きてみると、帰って来てから別々の部屋で寝ていたはずのイリアがまたも
や布団の中に潜り込んでいたのだった。
「おい、勘弁してくれよ…忍耐力でも鍛えろって言うのかよ…」
無防備に裸を晒してくっついて寝ているイリアに苛立ちを募らせていた。
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