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第三章
11話 全てを滅ぼす力
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執務室に向かうと、書類に埋もれるようにネフェリーが溜まった仕事
を黙々とこなしていた。
「全く、こんなに埋もれて…他のもんにやらせればいいじゃろ?」
「お爺様。今日はどう言ったご要件で?」
「あぁ、お前にちょっと困った事が起きそうでな~」
「困った事ですか?勇者でしたらまだこちらには来ていないようです
が」
「ん?勇者を知っとるのか?」
「はい、先日連絡がありまして、とある村で足止めしてます。そこで
しばらくは動けないはずなので心配には及びません」
「それはアルフレッドとか言う名前の青年とラニという聖女が着いて
おるか?」
「はい、お爺様もお調べに?」
ケイルの言う事は間違ってはいなかったらしい。
なら、勇者は自分が勇者だと公言しながら旅を行っているのか?
これまた親切なんじゃなと思ってしまう。
「いや、今日は別件じゃ。すぐにここから避難するんじゃ。私と共に
来い」
「それは無理です。今日中のものも多く、余裕がないのです」
「そんな事はどうでもいい。今は大変な事態が…」
そんな最中、いきなり城門が爆発したのだ。
魔王城は昔から同じ位置にある。
だから人間側からも、場所はばれているのだ。
あのイリアという少女が狙うとしたら、真っ先にここじゃろうと思っ
ていたが、まさかたどり着くのが予想以上に早い。
「なんですか?騒々しい…すぐに部下を向かわせなさい!」
「ネフェリー、悪いがこれ以上は話している暇はない。行くぞ」
ネフェリーを連れて、隠居中に暮らすはずだった別荘へと転移した。
「お爺様、侵入者がいたといたのに、なぜ逃げるのですか!」
「それはな…お前では勝てん相手だからじゃ…私ならまだ迎え打てる
んじゃ、じゃからここで…」
「だから戦うなと言う事ですか?部下を置いて来て?私で敵わないな
ら部下はどーなるのですか!見殺しにするのですか?」
ネフェリーは出来た魔王だった。
魔族の為に、ここで暮らす全ての生き物の事を考えている。
だからこそ、死なすには惜しい存在なのだ。
ブライブが魔王にさえ指名しなければいい官僚として長生きできただ
ろう。
歴代の魔王達には力は劣るが頭脳はある。
ブライブの息子達は誰もが自分がという我が強かった。
そのせいで勇者が来た時に真っ先に討伐隊に参加して、散っていった。
それて誰も残らなかった。
ブライブより強い勇者は、現れなかった。
いつしか歴代最強と言われるようになった。
だが、そうじゃないのだ。
ブライブが昔聞かされた勇者は、もっと強かったと聞く。
見た目は少女の姿で、可憐なのに、やる事は悪魔の如く。
部下を全滅しただけに止まらず、国土の半分をも燃やし尽くしたと
伝承があるほどだった。
まるで、さっきの少女のようで、どうにもいても立ってもいられなか
った。
「私が城には戻る。じゃからネフェリーはここで大人しくしておるん
じゃ。それと…これを持っていてくれ」
手渡したのは丸いビー玉のようなもので、魔力が籠った玉だった。
「ここには人間の青年がはいっている。まだ身体が修復できておらんの
で外には出せんが、治ったら色が変わる。そしたらここから出してや
ってくれるか?」
「これは、誰なのですか?」
「わからん。が、もし私が死ぬような事があったら、これを渡せば見逃
してくれるやもしれん」
「お爺様!」
ブライブは城へと転移して唖然となった。
そこには城だった物の残骸しか残っていなかったのだった。
兵士は無惨に惨殺され、死体しか残っていない。
もう、台風でも過ぎ去った後のような、強烈な爪痕だけが残されていたの
だった。
を黙々とこなしていた。
「全く、こんなに埋もれて…他のもんにやらせればいいじゃろ?」
「お爺様。今日はどう言ったご要件で?」
「あぁ、お前にちょっと困った事が起きそうでな~」
「困った事ですか?勇者でしたらまだこちらには来ていないようです
が」
「ん?勇者を知っとるのか?」
「はい、先日連絡がありまして、とある村で足止めしてます。そこで
しばらくは動けないはずなので心配には及びません」
「それはアルフレッドとか言う名前の青年とラニという聖女が着いて
おるか?」
「はい、お爺様もお調べに?」
ケイルの言う事は間違ってはいなかったらしい。
なら、勇者は自分が勇者だと公言しながら旅を行っているのか?
これまた親切なんじゃなと思ってしまう。
「いや、今日は別件じゃ。すぐにここから避難するんじゃ。私と共に
来い」
「それは無理です。今日中のものも多く、余裕がないのです」
「そんな事はどうでもいい。今は大変な事態が…」
そんな最中、いきなり城門が爆発したのだ。
魔王城は昔から同じ位置にある。
だから人間側からも、場所はばれているのだ。
あのイリアという少女が狙うとしたら、真っ先にここじゃろうと思っ
ていたが、まさかたどり着くのが予想以上に早い。
「なんですか?騒々しい…すぐに部下を向かわせなさい!」
「ネフェリー、悪いがこれ以上は話している暇はない。行くぞ」
ネフェリーを連れて、隠居中に暮らすはずだった別荘へと転移した。
「お爺様、侵入者がいたといたのに、なぜ逃げるのですか!」
「それはな…お前では勝てん相手だからじゃ…私ならまだ迎え打てる
んじゃ、じゃからここで…」
「だから戦うなと言う事ですか?部下を置いて来て?私で敵わないな
ら部下はどーなるのですか!見殺しにするのですか?」
ネフェリーは出来た魔王だった。
魔族の為に、ここで暮らす全ての生き物の事を考えている。
だからこそ、死なすには惜しい存在なのだ。
ブライブが魔王にさえ指名しなければいい官僚として長生きできただ
ろう。
歴代の魔王達には力は劣るが頭脳はある。
ブライブの息子達は誰もが自分がという我が強かった。
そのせいで勇者が来た時に真っ先に討伐隊に参加して、散っていった。
それて誰も残らなかった。
ブライブより強い勇者は、現れなかった。
いつしか歴代最強と言われるようになった。
だが、そうじゃないのだ。
ブライブが昔聞かされた勇者は、もっと強かったと聞く。
見た目は少女の姿で、可憐なのに、やる事は悪魔の如く。
部下を全滅しただけに止まらず、国土の半分をも燃やし尽くしたと
伝承があるほどだった。
まるで、さっきの少女のようで、どうにもいても立ってもいられなか
った。
「私が城には戻る。じゃからネフェリーはここで大人しくしておるん
じゃ。それと…これを持っていてくれ」
手渡したのは丸いビー玉のようなもので、魔力が籠った玉だった。
「ここには人間の青年がはいっている。まだ身体が修復できておらんの
で外には出せんが、治ったら色が変わる。そしたらここから出してや
ってくれるか?」
「これは、誰なのですか?」
「わからん。が、もし私が死ぬような事があったら、これを渡せば見逃
してくれるやもしれん」
「お爺様!」
ブライブは城へと転移して唖然となった。
そこには城だった物の残骸しか残っていなかったのだった。
兵士は無惨に惨殺され、死体しか残っていない。
もう、台風でも過ぎ去った後のような、強烈な爪痕だけが残されていたの
だった。
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