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12 文化祭2日目
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文化祭2日目。
各催しものも活気が溢れていた。
その中でも利久斗のクラスの喫茶店は大繁盛を見ていた。昨日も多くの人が
ひっきりなしに訪れていたが、今日も期待できそうである。
パンケーキの味もさることながら、男子の女装という面白さが、ウケていた。
中にはミスコンにエントリーした利久斗を見にきた客もいたりした。
まだ着替えてもいない男子はというと、まだ開始時間でもないのに、朝から
列ができている事にうんざりし始めていた。
その逆に、女子は盛況ぶりに喜んではしゃぎ始めていた。もちろんミスコン
だけが景品が出るわけではない。クラスの出し物も評価されるのである。
入店した人数を把握するため、入り口で名前を書いてもらうのだが、その数
と、最後の投票で結果が出るにである。
女子 「なんか今日も忙しくなりそうだね」
女子2「これって、うちら一位狙えるんじゃない?」
女子 「田嶋が予想外に人集めてくれたしね~」
女子2「そうそう、本当に意外だよね~」
女子 「今日も働かせてやろう!」
女子3「異議なーし」
勝手に盛り上がり始めると、休憩時間を短くしていた。
天気も良く、校庭でのコンサートが披露されていた。見に行く時間も取れず、
接客させられ、男性陣に疲れが見え始めていた。
女子 「男子休憩してきていいよ」
女子2「田中、佐藤は残ってね。」
タクマ「なんでだよ~、こっちも笑われ疲れたんだよ」
シンノスケ「休憩しよう」
女子 「あんたたちは指名ほとんど入ってないんだから、今からしっかり
働いてよね~。」
タクマ「マジかよ~」
田嶋の後ろ姿を追いながら、舌打ちした。
田中の方はがっくしと項垂れて戻っていく。2時間後に金子と鈴木が戻って
きて、やっと田中と佐藤が休憩に入る事ができた。
シンノスケ「はぁ~。田嶋くんと一緒に回りたかったな~」
タクマ「いくぞ!」
シンノスケ「ん~どこいくの?」
タクマ「さっきの倉庫だよ。理科室のマネキン取ってこいよ」
シンノスケ「なんで俺が?自分で行けよ」
タクマ「田嶋を抱きたいんだろ?」
シンノスケ「関係あんのかよ」
タクマ「大アリだ」
そう言って、新之介は理科室に、拓磨は倉庫に使っている教室に行った。
自分の衣装を脱ぐと、新之介のもってきたマネキンに着せた。
タクマ「ほれ!昨日見た通りのポーズで立てよ!どうやって抱いてたんだよ」
シンノスケ「再現するのか?誰が菅原役すんだよ。まさか俺か?」
タクマ「ほら、早くしろよ。学ランに着替えて立てよ。どうせ陰で顔なんて
見えねーんだからよ。」
そう、顔は見えないんだから、シルエットさえ、それっぽく見えれば脅すネタ
になるのだ。ぎこちない手つきでマネキンの足を持ち上げると、自分の股間を
マネキンに近づけた。肌を密着させ、マネキンの腕をしっかりと自分の肩で
固定する。いま、まさに抱きつかれている様に見える。衣装は同じなので、
カツラも自分の使ってるやつを被せれば、セックスの真っ最中の出来上がり
である。風で光が差し込むと危ういところまで見えそうな角度だった。
拓磨は一旦外に出ると、携帯のカメラでカシャっと、写真を撮ってはシルエット
を確認した。見えそうで見えない角度。1番人間同士である事を誤認するように
何度も撮っておいた。
タクマ「もう、いいぞ~」
シンノスケ「人形にぴったりくっつくのって結構情けない姿だな~」
タクマ「お楽しみはこれからだろう?」
慌ただしく1日が過ぎていく。
フィナーレを知らせる音が流れて、体育館にみんなが集まった。
ミスコンの発表である。
司会「それでは今回のミスコンに選ばれたのは2年1組の田嶋利久斗
くんだぁ~。まさかの僅差で女子を追い越し生えあるミスコン
の称号を授ける~、さぁー、舞台に上がってきてくれたまえ!」
リクト「マジかよ…恥ずかしいよ」
イツキ「ほら、早く行ってこいよ」
樹に見送られ、舞台に上がる。もちろん衣装のままだ。
舞台に上がると、会場の視線が一斉に集まった。スカートの端を少しつまみ
軽くお辞儀をすると、ウインクをしてみた。冗談ついでにしたはずなのだが
妙に盛り上がってしまい、収集がつかなくなってしまった。
長い2日間がやっと、幕を下ろそうとしていた。片付けをする為に各自教室
の飾り付けをとっていく。
イツキ「リク、早く着替えて来いよ」
リクト「うん、あとで手伝うね」
イツキ「おう」
更衣室代わりに使っていた空き部屋に向かった。そこは窓も目張りがされていて、
外からは見えなくなっていた。中に入ると先客がいた。佐藤拓磨だった。
リクト「今日はお疲れ様~」
タクマ「お疲れ~、面白いもん見せてやろっか?」
意味深な表情で携帯の写真を見せてきた。
リクト「なに?……!!」
タクマ「昨日さ、倉庫で使ってる部屋でさ撮ったんだよね~、誰だかわかるよな?」
利久斗の表情が真っ青になったのをみて確信した。これは使えると…。
タクマ「学校でこんな事していいのかな~、まさかお楽しみを見られてたなんて思って
なかっただろう?これさ、構内にばら撒いてもいいんだぜ~」
リクト「お金なら…明日持ってくるから…消して…ください」
最後は消え入るような声でいう。声も震えていて、頭の中が真っ白になっていた。
(どうしよう、どうしよう。学校にバレちゃう、みんなに軽蔑される、樹に知られちゃう)
リクト「なんでもするから、このことは誰にも言わないで」
タクマ「なんでも?どんな事でもか?」
リクト「あ…あぁ。黙っててくれるのか?」
タクマ「勿論、いいぜ。片付け終わったら体育館裏の倉庫に一人で来いよ。そしたら
コレ、消してやるよ。それに誰にも言わないでおいてやるよ。」
リクト「わかった、終わったら向かう。」
そう言うと、さっさと着替えて樹の手伝いに向かった。
各催しものも活気が溢れていた。
その中でも利久斗のクラスの喫茶店は大繁盛を見ていた。昨日も多くの人が
ひっきりなしに訪れていたが、今日も期待できそうである。
パンケーキの味もさることながら、男子の女装という面白さが、ウケていた。
中にはミスコンにエントリーした利久斗を見にきた客もいたりした。
まだ着替えてもいない男子はというと、まだ開始時間でもないのに、朝から
列ができている事にうんざりし始めていた。
その逆に、女子は盛況ぶりに喜んではしゃぎ始めていた。もちろんミスコン
だけが景品が出るわけではない。クラスの出し物も評価されるのである。
入店した人数を把握するため、入り口で名前を書いてもらうのだが、その数
と、最後の投票で結果が出るにである。
女子 「なんか今日も忙しくなりそうだね」
女子2「これって、うちら一位狙えるんじゃない?」
女子 「田嶋が予想外に人集めてくれたしね~」
女子2「そうそう、本当に意外だよね~」
女子 「今日も働かせてやろう!」
女子3「異議なーし」
勝手に盛り上がり始めると、休憩時間を短くしていた。
天気も良く、校庭でのコンサートが披露されていた。見に行く時間も取れず、
接客させられ、男性陣に疲れが見え始めていた。
女子 「男子休憩してきていいよ」
女子2「田中、佐藤は残ってね。」
タクマ「なんでだよ~、こっちも笑われ疲れたんだよ」
シンノスケ「休憩しよう」
女子 「あんたたちは指名ほとんど入ってないんだから、今からしっかり
働いてよね~。」
タクマ「マジかよ~」
田嶋の後ろ姿を追いながら、舌打ちした。
田中の方はがっくしと項垂れて戻っていく。2時間後に金子と鈴木が戻って
きて、やっと田中と佐藤が休憩に入る事ができた。
シンノスケ「はぁ~。田嶋くんと一緒に回りたかったな~」
タクマ「いくぞ!」
シンノスケ「ん~どこいくの?」
タクマ「さっきの倉庫だよ。理科室のマネキン取ってこいよ」
シンノスケ「なんで俺が?自分で行けよ」
タクマ「田嶋を抱きたいんだろ?」
シンノスケ「関係あんのかよ」
タクマ「大アリだ」
そう言って、新之介は理科室に、拓磨は倉庫に使っている教室に行った。
自分の衣装を脱ぐと、新之介のもってきたマネキンに着せた。
タクマ「ほれ!昨日見た通りのポーズで立てよ!どうやって抱いてたんだよ」
シンノスケ「再現するのか?誰が菅原役すんだよ。まさか俺か?」
タクマ「ほら、早くしろよ。学ランに着替えて立てよ。どうせ陰で顔なんて
見えねーんだからよ。」
そう、顔は見えないんだから、シルエットさえ、それっぽく見えれば脅すネタ
になるのだ。ぎこちない手つきでマネキンの足を持ち上げると、自分の股間を
マネキンに近づけた。肌を密着させ、マネキンの腕をしっかりと自分の肩で
固定する。いま、まさに抱きつかれている様に見える。衣装は同じなので、
カツラも自分の使ってるやつを被せれば、セックスの真っ最中の出来上がり
である。風で光が差し込むと危ういところまで見えそうな角度だった。
拓磨は一旦外に出ると、携帯のカメラでカシャっと、写真を撮ってはシルエット
を確認した。見えそうで見えない角度。1番人間同士である事を誤認するように
何度も撮っておいた。
タクマ「もう、いいぞ~」
シンノスケ「人形にぴったりくっつくのって結構情けない姿だな~」
タクマ「お楽しみはこれからだろう?」
慌ただしく1日が過ぎていく。
フィナーレを知らせる音が流れて、体育館にみんなが集まった。
ミスコンの発表である。
司会「それでは今回のミスコンに選ばれたのは2年1組の田嶋利久斗
くんだぁ~。まさかの僅差で女子を追い越し生えあるミスコン
の称号を授ける~、さぁー、舞台に上がってきてくれたまえ!」
リクト「マジかよ…恥ずかしいよ」
イツキ「ほら、早く行ってこいよ」
樹に見送られ、舞台に上がる。もちろん衣装のままだ。
舞台に上がると、会場の視線が一斉に集まった。スカートの端を少しつまみ
軽くお辞儀をすると、ウインクをしてみた。冗談ついでにしたはずなのだが
妙に盛り上がってしまい、収集がつかなくなってしまった。
長い2日間がやっと、幕を下ろそうとしていた。片付けをする為に各自教室
の飾り付けをとっていく。
イツキ「リク、早く着替えて来いよ」
リクト「うん、あとで手伝うね」
イツキ「おう」
更衣室代わりに使っていた空き部屋に向かった。そこは窓も目張りがされていて、
外からは見えなくなっていた。中に入ると先客がいた。佐藤拓磨だった。
リクト「今日はお疲れ様~」
タクマ「お疲れ~、面白いもん見せてやろっか?」
意味深な表情で携帯の写真を見せてきた。
リクト「なに?……!!」
タクマ「昨日さ、倉庫で使ってる部屋でさ撮ったんだよね~、誰だかわかるよな?」
利久斗の表情が真っ青になったのをみて確信した。これは使えると…。
タクマ「学校でこんな事していいのかな~、まさかお楽しみを見られてたなんて思って
なかっただろう?これさ、構内にばら撒いてもいいんだぜ~」
リクト「お金なら…明日持ってくるから…消して…ください」
最後は消え入るような声でいう。声も震えていて、頭の中が真っ白になっていた。
(どうしよう、どうしよう。学校にバレちゃう、みんなに軽蔑される、樹に知られちゃう)
リクト「なんでもするから、このことは誰にも言わないで」
タクマ「なんでも?どんな事でもか?」
リクト「あ…あぁ。黙っててくれるのか?」
タクマ「勿論、いいぜ。片付け終わったら体育館裏の倉庫に一人で来いよ。そしたら
コレ、消してやるよ。それに誰にも言わないでおいてやるよ。」
リクト「わかった、終わったら向かう。」
そう言うと、さっさと着替えて樹の手伝いに向かった。
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