俺が恋をした相手は

秋元智也

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06 逢いたい

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冷たい布が額に当たって気持ちがよかった。

暗い視界はゆっくりと瞼を開けると薄暗い室内を映した。

すぐ横には心配そうに眺めるあきらさんの姿があった。
俺は気絶してしまったらしい。

「あきら…さん…?」
「よかった~、少しやり過ぎてしまったかな?身体は大丈夫かい?」

聞かれて起きあがろうとするが、腰に激痛が走ってそのまま横になった。

「…ぃってぇーーーー………」
「初めてなのに、無理をさせてしまったね、悪かった。」
「ちがっ…俺も気持ち良かったし……できれば、またシたい」
「はっはっは、君は可愛い事を言ってくれるね~、そうだね。体調がよく
 なったら、またやらせてくれるかい?」
「はい!…あっ…っ…」
「今はゆっくり寝てなさい。あとで車で送ってくから。」

あきらさんは俺の横に入ると優しく抱きしめてきた。
全裸のままの俺の身体をゆっくりと撫でるように触っていく。

「あきらさん!…俺…もう…」
「いいよ。今日はもう入れないから。」

そう言いながら執拗に乳首を弄ったり腰を撫でたりとされるので、眠って
いた俺の下半身が元気になりつつあった。

「稔のここはまだ足りなかったかな?」
「あきらさんが触るから…」
「はははっ、じゃ~、稔のみるくを頂こうとかな~」

あきらさんは俺の乳首に吸い付く様に舐めては吸ってを繰り返す。
くすぐったいだけだったのが、次第に熱を帯びていく。
これじゃ、寝てられないっ!!

散々煽られ、そのあとは精液を吸い取られ透明な液しかでなくなっていた。

そのあと、一緒にお風呂に入ると家へと送って貰った。
家の前で車を降りる前に抱きしめられ、キスをされた。
舌を絡めるようなディープなやつで、誰かに見られるのではないかとハラハラ
した。

「あきらさん…外では…」
「そうだったね。あまりに稔が可愛かったから。またね!」

そういうと帰っていった。
俺は家へと帰ると疲れてすぐに眠りについたのだった。


学校ではいつもの様に、なにも変わらない毎日がある。
しかし、変わった事と言えば、初めてのセックスがあまりにも印象的で気持ち
良かった事だった。

やっぱり俺はこっちなのかな…。

あきらさんに触れられているとちゃんと勃つし、AVを見た時は全く勃たなか
った。
最近はもっぱら尻の孔を弄っている方が感じるので、そっちばかり弄ってし
まう事が多かった。
週一でしか会えないので余計にもどかしい。

「もっと会えたらいいのに…」

一人ぽつりと愚痴をこぼすと空を眺めた。
後ろから抱きつく様に大輔が飛びついてくる。

「おーい、安藤今日の部活休みだってよ~!」
「おう!分かったぁ~」

大輔は稔の尻を当たり前の様に揉むとちんこをなぞる様に下から擦り上げた。

「ひゃっ…!な、なにすんだよ!」
「へんな声出すなって~感じちゃった?」
「そんな訳ないだろ!まったく…」

いつも大輔は距離感がおかしい。
それでも、これ以上触られない様にと距離をとった。
尻の中には最近あきらさんにもらった玩具が入っている。
弱い振動を発しているのでずっと触られているとバレてしまうそうで逃げた
のだ。音は小さく窓の外からの雑音でかき消される程度だが、振動はそうも
いなかい。

「なぁ~今日カラオケ行こうぜ~!いいだろう?久しぶりだしさ~」
「あーー。今日は家帰って勉強しようかなって…」
「いいじゃん。今日は俺部活ないんだぜ~、付き合えって~」
「す、少しだけだからな!」
「ならさ、夕飯うちで食べてけよ!母ちゃん遅いだろ?うん、そうしろって
 家に連絡入れとくからさ~、決まりな!」
「ちょっ…行くなんて言ってねーだろ!」

大輔は気にもせず家へと電話をかけた。
親に俺の分の食事を頼んでいる。
大輔の親とうちの親は昔から仲がいいせいかよく小さい時はお世話になって
いた。

父がいなくなってからは特に母親一人で俺を育てる為に働き詰めだった。
その間一人になるからと言って大輔の家に預けられたのだった。

しかし、中学になったあたりから、男同士で風呂に入るのに抵抗を覚えた。
同級生に欲情しそうになったのである。
その時から俺の葛藤が始まった。
大輔が持ってくるエロ本にはまったくと言っていいほど反応しない下半身に
疑問を覚えたのである。

そして、この間あきらさんに抱かれて思い知った。
それ以降、何度も抱かれて徐々に自分と言うモノを知っていった気がした。

学校が終わりカラオケに入るといつもの様に大輔は得意な歌を選曲して歌う。

「稔も歌えって!ほら、アレ歌えよ!あれ。」
「アレってなんだよ~、ちゃんと言えってw」

2時間歌いどうしで歌うと外はもう暗くなっていた。
大輔の家へと行くと食事をご馳走になり、今は大輔の部屋でのんびり寛いでいる。

「なぁ~、この後久しぶりに一緒に風呂入らねーか?」
「えっ…」
「なんだよ~嫌なのか?」
「あ、当たり前だろ!男の裸みて誰が得なんだよ~、俺そろそろ帰るから」
「いいじゃん。ちょっとだけさ~、それとちょっと話もあるんだ~」
「話なら、ここで言えばいいだろ?」
「まぁ、まぁ、いいじゃん。」

大輔が珍しくはっきり言わない。
するとそこにスマホから着信音が鳴った。

中を見るとあきらさんからのメッセージで「会いたい」と書かれていた。

俺も会いたい。すぐに抱かれたい。

すぐに鞄にしまうと荷物を持った。

「今日は帰るわ。ちょっと用事できたから。じゃーな!母さんにありがとう
 って伝えといて。また、学校でな!」
「おい…っ…」

何か言いかけたが、それを無視して駆け出していた。

ー今どこ?俺も会いたいー
ー君の家の前に来ているよ。車で待ってるー
ーすぐに行くー

メールを返しながら急いで家に向かった。
アパートの前に見覚えのある車が止まっていた。
運転席に近づくとあきらさんの姿が見えた。窓を開け声が聞こえる。

「会いたくなって来てしまったよ。今からどうかな?食事はなにがいい?」
「えーっと、友達の家で食べちゃって…」
「なら、ホテルなんてどう?」
「う、うん。/////」

直球で言われると恥ずかしいが、俺もしたかったからすぐに助手席に乗り込
んだのだった。

後ろから走って来た大輔には気づかず、嬉しそうに話すと車に乗ってホテル
へと直行した。
呆然と見つめる友人はそのままスマホにメッセージを残すと、道を引き返して
いった。



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