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6話 はっきり言えよ
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やっとお腹も満たされると口を離した。
一息ついた後で自分のやった事を思い出すと、すぐさま立ち上がり走り
だした。
(俺はなんて事を…しかも知らない人の…あんなところにしゃぶりつくな
んて…しかも精液が美味しいなんて…)
自分でもわからないくらいに動揺していた。
しかし、確かに美味しかったし、腹も満たされたのも事実だった。
鞄に入っていた石を取り出すと首にかけた。
ただの石だと思っていたけど、本当に大事なものなのかもしれない。
今さっき自分がした行動を思い起こしながら、改めて考え直した。
家に帰ると口の周りについていた精液を舐めるとやっぱり甘い味がした。
(もし口じゃなくて他のところでやったらどうなるんだろう?)
考えてみたがすぐに頭を切り替えて忘れる事にした。
それよりも毎回どうやって精液を貰うかを考えなくてはならなかった。
学校へ行っても、今はそればかりを考えてしまって集中できない。
「磯部くん、前へ来て答えてくれるか?磯部くん…、聴こえとるか?」
「はっ…あ、はい」
少し考え事をしていたせいか先生に呼ばれた事にも気づかなかった。
黒板の前に出ると回答を書き終え席に戻る。
先生も解答に満足したのか更に別の問題を解かせる為、別の生徒を指名し
ていた。
その日はもう何も手につかなかった。
何を食べても、満腹にならないお腹をさすりながら昼食を済ますといつも
通り生徒会室へと足を運んでいた。
そこには珍しい事に、昨日の今日で畑野の姿があった。
「会長にお話があって…」
目の前で副会長の神田に遮られるように仁王立ちされると、言い淀んでいた。
「昨日も話したでしょ?まだ何かあるなら私が代わりに聞きます。言ってみ
なさい。」
高圧的な態度で言われても、なかなか言いにくいもので、案の定畑野も言い
淀んでいた。
「神田さん、いいよ。俺が聞こうか?」
「いえ、会長のお手を煩わせる訳には。それに今日は昨日より顔色が良さそ
うですけど、何か悩みでもあるのですか?」
「えっ…なんでかな?」
「いえ、何か少し考え込んでいるように見受けられたので。何か悩みがある
のなら私に言ってください!なんでも力になります」
「大丈夫だよ。たいした事じゃないし…」
言葉を濁すが、悩みは尽きない。
まさか、セックスしてくれなど言えるはずもなく、ため息が自然と漏れる。
席を立つと『ちょっとトイレだから、気にしないで』と付け加える。
言わないと付いてきそうな勢いだったのでそれは困る。
ただ外の空気が吸いたいだけなので一人で外にでる。
畑野はすかさずついてきて、何かいいたげにしていた。
「何か俺に話があるんだろう?」
「会長は…磯野くんは、部活は入らないのですか?」
「部活?そうだね~ちょっと時間的に難しいかな…俺がバイトをしているのは
知ってる?学校の許可を取ってやってるんだけど、学校側から条件を出され
てて、それが学年順位10位以内に常に入っているという事なんだ。だから、
部活はやれないかな」
「…磯野くんが入れば大会へのエントリーできるんです。初めてだけど、実績
さえ残せば予算が降りるって事ですよね?」
「それはそうかもしれないけど。今の現状でって話だよ?俺は今生徒会もある
から中途半端になるような事はしたくないんだよ。それに俺が部活に入って
しまうと、贔屓していると言われてしまうからね?」
確かに、生徒会会長が入っている部活は贔屓されやすい。
前会長も自分の部活の部費は潤沢に取っていたという。
一息ついた後で自分のやった事を思い出すと、すぐさま立ち上がり走り
だした。
(俺はなんて事を…しかも知らない人の…あんなところにしゃぶりつくな
んて…しかも精液が美味しいなんて…)
自分でもわからないくらいに動揺していた。
しかし、確かに美味しかったし、腹も満たされたのも事実だった。
鞄に入っていた石を取り出すと首にかけた。
ただの石だと思っていたけど、本当に大事なものなのかもしれない。
今さっき自分がした行動を思い起こしながら、改めて考え直した。
家に帰ると口の周りについていた精液を舐めるとやっぱり甘い味がした。
(もし口じゃなくて他のところでやったらどうなるんだろう?)
考えてみたがすぐに頭を切り替えて忘れる事にした。
それよりも毎回どうやって精液を貰うかを考えなくてはならなかった。
学校へ行っても、今はそればかりを考えてしまって集中できない。
「磯部くん、前へ来て答えてくれるか?磯部くん…、聴こえとるか?」
「はっ…あ、はい」
少し考え事をしていたせいか先生に呼ばれた事にも気づかなかった。
黒板の前に出ると回答を書き終え席に戻る。
先生も解答に満足したのか更に別の問題を解かせる為、別の生徒を指名し
ていた。
その日はもう何も手につかなかった。
何を食べても、満腹にならないお腹をさすりながら昼食を済ますといつも
通り生徒会室へと足を運んでいた。
そこには珍しい事に、昨日の今日で畑野の姿があった。
「会長にお話があって…」
目の前で副会長の神田に遮られるように仁王立ちされると、言い淀んでいた。
「昨日も話したでしょ?まだ何かあるなら私が代わりに聞きます。言ってみ
なさい。」
高圧的な態度で言われても、なかなか言いにくいもので、案の定畑野も言い
淀んでいた。
「神田さん、いいよ。俺が聞こうか?」
「いえ、会長のお手を煩わせる訳には。それに今日は昨日より顔色が良さそ
うですけど、何か悩みでもあるのですか?」
「えっ…なんでかな?」
「いえ、何か少し考え込んでいるように見受けられたので。何か悩みがある
のなら私に言ってください!なんでも力になります」
「大丈夫だよ。たいした事じゃないし…」
言葉を濁すが、悩みは尽きない。
まさか、セックスしてくれなど言えるはずもなく、ため息が自然と漏れる。
席を立つと『ちょっとトイレだから、気にしないで』と付け加える。
言わないと付いてきそうな勢いだったのでそれは困る。
ただ外の空気が吸いたいだけなので一人で外にでる。
畑野はすかさずついてきて、何かいいたげにしていた。
「何か俺に話があるんだろう?」
「会長は…磯野くんは、部活は入らないのですか?」
「部活?そうだね~ちょっと時間的に難しいかな…俺がバイトをしているのは
知ってる?学校の許可を取ってやってるんだけど、学校側から条件を出され
てて、それが学年順位10位以内に常に入っているという事なんだ。だから、
部活はやれないかな」
「…磯野くんが入れば大会へのエントリーできるんです。初めてだけど、実績
さえ残せば予算が降りるって事ですよね?」
「それはそうかもしれないけど。今の現状でって話だよ?俺は今生徒会もある
から中途半端になるような事はしたくないんだよ。それに俺が部活に入って
しまうと、贔屓していると言われてしまうからね?」
確かに、生徒会会長が入っている部活は贔屓されやすい。
前会長も自分の部活の部費は潤沢に取っていたという。
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