インキュバス君は困ってます!

秋元智也

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9話 茂みの中で

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生徒会室を出て、バイト先へと向かった。
畑野にオススメの唐揚げ店を教えると早速弁当を買って行った。
手を振って帰っていくのを見送ると仕事に専念する。

「すいません、今日少し遅れてしまって…」
「いいわよ~、学校の方も大変でしょ?その辺は甘いのよ~ここ。」

バイトのおばさんに励まされながら真面目に仕事に打ち込む。
仕事が終わるといつものように山のような唐揚げを詰めて貰った。

「ありがとうございます」
「こちらこそ、いつも真面目に働いてくれるからな~。明日も頼むよ?」
「はい!」

恵が働き始めてから客足が増えたらしい。
特に夜は人が減るのだが、飲んだ後に、学校帰りに、部活帰りに、夜食にと
理由をつけて買いに来てくれる客が増えたのだ。
そのおかげで忙しい毎日だと言う。

唐揚げを少しつまみながら帰ると家に着いた。
疲れた身体を起こすとシャワーを浴びてご飯にする。
全部平らげたが一向にお腹が膨れない。

ぎゅるるるるぅ~~~。

「…」

このままでは本当にやばい。
恵はため息を漏らすと着替えて外に出る。
精液を頂いてからもう、4日も経つ。
日に日にお腹が空いてきてもう、限界になっていた。
バイト中もぎゅるぎゅると鳴ったが誰も言ってこないので気を使ってくれた
のだろうか?

歓楽街まで来ると、前みたいに酔い潰れた人はいないか探す。
暗い路地裏や、ラブホの裏路地。
公園のベンチなど探す時は居ないものだった。

「はぁ~お腹すいたなぁ~」

誰もが女を求めて来る歓楽街で男をナンパするやつなんていないだろう。
これは仕方がない、発展場と呼ばれる場所をスマホで検索すると近くの公園の
トイレがそうだと分かるとそっちへ足を向けた。

周りをキョロキョロと見回すと中に入ろうとする。
急に後ろにサラリーマン風の男性がくると声をかけられた。

「君、そっちの人?」
「そっちって?」

いきなり言われた言葉に戸惑うと肩に手が置かれて引きよせられた。

「どっちかな?こんな可愛いならネコちゃんかな?」
「あの~それはどう言う意味ですか?」
「いいよ、そんな純情そうな言い方いらないから。ぶっといの入られたいのか
 って聞いてるの!」
「ぶっといの…/////…それは…まさか…」

恵はやっと言ってる事を理解した。自分が掘られる側かと聞いていたのだ。
しかし、恵みとしては精液が欲しいのであってセックスがしたいわけではない。

「フェラだけじゃダメですか?」
「何?君、それ得意なの?」
「まぁ~そうですね。飲ませて欲しいんです」
「へー、興味出てきた。いいよ。」

そういうと一緒にトイレの中に入った。
しかし、個室は埋まっていて中からは男性の声が響いていた。

「ん~、今日混んでるね~。なら外でもいい?」
「えっ…外って…」

困惑する恵の手を引きトイレを出ると近くの茂みに誘われたのだった。
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