インキュバス君は困ってます!

秋元智也

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12話 誤解

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目眩を覚えるほどの快楽に奥に出した時の快感は忘れられないほど強烈に畑野の
心に焼き付けられた気がする。
それも、男の中に出したというのは信じ難い事実だった。

そして、そんな自分がこれ以上ないくらいに満足してしまっている事に驚きを隠
せない。
そして、磯部の学校では見たことのないような淫美な姿から目が離せない。
大きく息を吐くとゆっくりと身体を起こして畑野の性器を抜くとポッカリと開い
た孔がひくひくと収縮していた。

これほど、エロく見えるのはなぜだろうか?
しかも、自分と同じものがぶら下がっていると言うのに、女の裸を見るより余程
エロく見えてしまうのだった。
下半身のみ剥き出しにした、艶かしい姿態を見ているとまた興奮してくる気がす
る。

すると、さっきまで虚だった瞳に感情が見えた気がした。

「あれ…畑野…くん?どうしてここに?」
「えぇっ!まさかさっきの覚えてないなんて言わないよな?」
「さっきまでの事…?」

恵はスースーする自分の下半身を眺め、そして畑野の萎えた性器から滴り落ちる液
が目に映った。

「なっ…なんでこんな!嘘だろ…何で?」

困惑したように近くに投げ捨てられたズボンとパンツを掴むとすぐに履いた。

「なぁ~、磯部くん。俺さぁ~」
「触るな!何なんだよ、何でこんな事…」

触れようとした畑野の手を叩き落とすと逃げ出してしまった。
何がどうなったのか畑野には分からない。
ただ、今の磯部が普通の反応だろう。
なら、さっきのはどうしたのだろう。まるで別人にでもなったかのように魅惑的
だった。

その日はそのまま家に帰った畑野はさっきまでの映像が忘れられずにいた。

まるで自分の心臓を鷲掴みにされたかのような感情が湧き起こってきていた。
名前をつけるなら激しい愛憎とでも言えるだろう。

いきなり襲われたというのだろうか?
それとも、あれはただ犬に噛まれたようなものだったのだろうか?
それにしても生々しい体験だった。

磯部の態度を考えると、今後態度を変えられてもおかしくないだろう。
あの時の磯部は何だったのだろう?

本人であって、本人ではない。
まるで薬でも飲まされて何をやっていたの分からなかったのだろうか?
気がついたら、畑野とシた後だったとでも思ったのだろうか?

これは非常にまずい。
誤解だけでも解かないと、まずい事になる予感しかしない。
畑野は明日、学校に行ったら磯部と話をしよう。
そう考えると、眠りについた。

もちろん夢の中で磯部の妖艶な姿がまるで悪魔のように彼を誘惑したのだった。
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