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16話 ずるいぞ!
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畑野は部活の仮メンバーを、恵は精液の提供者を手に入れたのだった。
お互いメリットがある事なので断る理由はない。
生徒会室に大声で叫びながら入ってきた男がいた。
所澤新之介だった。
「かいちょー!どーゆー事ですか!柔道部には入ってくれないのに、なんで
あんな記録も実績も残せないような弱小部に入るんですか?」
「所澤くん、仮だよ、仮。正式なメンバーになったわけじゃない。」
「それでも、前から柔道部のが勧誘してるでしょ!なんで一緒にやってくれ
ないんですかぁ~会長がいれば団体戦優勝間違いなしじゃないですか!」
「それは何度も言ったが、頑張ってる人を押し退けて俺は出る気はないし、
人数なら十分にいるだろう?」
まだ納得いかないと文句たらたらだった。
犬飼と神田は来ても、ずっと言い続けていた。
「そういえば、会長はどうして畑野くんに肩入れするんですか?手を貸さない
かと思ったのに…」
「それ、僕も不思議です。いい方法を教えるのはあっても自分が入って手伝う
なんて意外です」
神田の言葉に犬飼も乗ってくる。
「まぁ~気まぐれ…かな」
「何か弱みを握られた訳じゃないですよね?」
「…そ、そんな事はないぞ」
じっと見つめられると目を逸らしたくなる。
犬飼は疑うように言ってくる。
確かに、つい最近までは部活動には関与しないと言っていたのだから疑われても
仕方ないだろう。
これも生きる為だった。
一ヶ月はこれで食事に困る事はなくなった。
これだけでも少し安堵したのも事実だった。
昨日たらふく飲ませてもらったおかげか、お腹が鳴るほどではない。
バイト終わりに畑野と会う約束をしているので、合鍵を彼には渡している。
「なぁ~やっぱり柔道部にもさ~一時でいいから来ないか?」
「煩い!筋肉だるま!いい加減にしてよ!」
何度も言う所澤に対して神田がキレた瞬間だった。
ガタイの大きい所澤にこんなにはっきり言えるのは神田くらいなものだろう。
あとは、所澤が一目置いている会長である恵自身だった。
苦笑いして誤魔化すと会計と書記、副会長のやりとりを眺めていた。
そこへ畑野が来たものだから余計に、3人の目つきが厳しいものとなった。
「磯部くん、これ大会の資料と競技の説明資料。それとエントリーシートの提出し
たやつのコピーで…?」
「おい、あんた!会長を脅してるんじゃないだろうな?」
「ちょっと、どう言うつもりよ!会長は忙しい人なんだからね!」
「柔道部に喧嘩売るつもりか?」
犬飼をはじめ、神田、所澤と順番に文句を言いだす。
「みんな、そこまで!俺がやるって決めたんだから、それ以上は詮索しない!わかっ
たか?」
「「はい」」
まだ何か言いたげな顔の3人は自分の仕事に戻った。
「大丈夫なんですか?」
「何がだ?」
「いや、なんか条件つけて無理矢理やらせてる感が…」
「まぁ、一度引き受けた事はしっかりやるさ。ただ、競技大会までだがな?それは覚え
ておくように」
「はい。」
「代わりに今日は何回飲ませてくれるんだ?」
小声で囁くと、畑野は真っ赤な顔して離れていく。
少しおちょくるのも楽しいかもしれないと思ってしまった。
お互いメリットがある事なので断る理由はない。
生徒会室に大声で叫びながら入ってきた男がいた。
所澤新之介だった。
「かいちょー!どーゆー事ですか!柔道部には入ってくれないのに、なんで
あんな記録も実績も残せないような弱小部に入るんですか?」
「所澤くん、仮だよ、仮。正式なメンバーになったわけじゃない。」
「それでも、前から柔道部のが勧誘してるでしょ!なんで一緒にやってくれ
ないんですかぁ~会長がいれば団体戦優勝間違いなしじゃないですか!」
「それは何度も言ったが、頑張ってる人を押し退けて俺は出る気はないし、
人数なら十分にいるだろう?」
まだ納得いかないと文句たらたらだった。
犬飼と神田は来ても、ずっと言い続けていた。
「そういえば、会長はどうして畑野くんに肩入れするんですか?手を貸さない
かと思ったのに…」
「それ、僕も不思議です。いい方法を教えるのはあっても自分が入って手伝う
なんて意外です」
神田の言葉に犬飼も乗ってくる。
「まぁ~気まぐれ…かな」
「何か弱みを握られた訳じゃないですよね?」
「…そ、そんな事はないぞ」
じっと見つめられると目を逸らしたくなる。
犬飼は疑うように言ってくる。
確かに、つい最近までは部活動には関与しないと言っていたのだから疑われても
仕方ないだろう。
これも生きる為だった。
一ヶ月はこれで食事に困る事はなくなった。
これだけでも少し安堵したのも事実だった。
昨日たらふく飲ませてもらったおかげか、お腹が鳴るほどではない。
バイト終わりに畑野と会う約束をしているので、合鍵を彼には渡している。
「なぁ~やっぱり柔道部にもさ~一時でいいから来ないか?」
「煩い!筋肉だるま!いい加減にしてよ!」
何度も言う所澤に対して神田がキレた瞬間だった。
ガタイの大きい所澤にこんなにはっきり言えるのは神田くらいなものだろう。
あとは、所澤が一目置いている会長である恵自身だった。
苦笑いして誤魔化すと会計と書記、副会長のやりとりを眺めていた。
そこへ畑野が来たものだから余計に、3人の目つきが厳しいものとなった。
「磯部くん、これ大会の資料と競技の説明資料。それとエントリーシートの提出し
たやつのコピーで…?」
「おい、あんた!会長を脅してるんじゃないだろうな?」
「ちょっと、どう言うつもりよ!会長は忙しい人なんだからね!」
「柔道部に喧嘩売るつもりか?」
犬飼をはじめ、神田、所澤と順番に文句を言いだす。
「みんな、そこまで!俺がやるって決めたんだから、それ以上は詮索しない!わかっ
たか?」
「「はい」」
まだ何か言いたげな顔の3人は自分の仕事に戻った。
「大丈夫なんですか?」
「何がだ?」
「いや、なんか条件つけて無理矢理やらせてる感が…」
「まぁ、一度引き受けた事はしっかりやるさ。ただ、競技大会までだがな?それは覚え
ておくように」
「はい。」
「代わりに今日は何回飲ませてくれるんだ?」
小声で囁くと、畑野は真っ赤な顔して離れていく。
少しおちょくるのも楽しいかもしれないと思ってしまった。
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