インキュバス君は困ってます!

秋元智也

文字の大きさ
21 / 52

20話 独占欲

しおりを挟む
学校へ行くと教室にはいち早く畑野の姿があった。

「おはよう、裕也くん。」
「おはよう。恵くん!あの…これ。過去に出された問題だから…みるかなって」
「それはありがたい、傾向を考えるのに助かるよ!」

受け取ると一通り目を通した。
簡単ではないが、数がある分、傾向と対策を練るにはありがたかった。

休みの時間があると、問題を眺め解答を書いていく。
一週間すればある程度、解けるようになった。
ワンダーフォーゲル部の部室へと行くと畑野以外にも真剣に問題に取り組む人が
いた。

「すいませ~ん?いいかな?これ、借りてたやつなんだけど…」
「会長!?えっ!マジで入ってくれたんですか!」

目を輝かせて近寄ってきた生徒は畑野の言っていた一緒に行くメンバーなのだろう。

「いや、一時的なものだけどね。今回のエントリー人員が足りないと…」
「嬉しいです!同じ男なのにこんなに違うもんなんですね~。今って誰かと付き合っ
 てたりするんですか?」

迫ってくる勢いでくるので、後退りすると、そこに畑野が来て引き剥がされていた。

「迷惑かけるんじゃない!だから言っただろ?わざわざきてくれたんだ、嫌われる様な
 事はするな!いいな?」
「はーい、でも、気になるじゃないですかぁ~。もしよかったら僕も恋人候補になりま
 すよ~」

軽い気持ちで言ったのだろう。しかし畑野には聞き捨てならなかったらしい。

「ダメだ!絶対にこの人には近づくな!いいな?」

大きな声で怒鳴ると恵を連れて奥へと向かう。

「そんな声を荒げなくても…」
「あんな軽いノリで恵くんに触れさせるなんて嫌だ!俺は…本気で」
「まぁ、まぁ、これ返しにきただけだから」
「はぁ~もういいのですか?」
「あぁ、もうだいぶ覚えたし、次のをお願いしたいんだが?」
「はい、すぐに持ってきます!」

別の項目のを持ってくると渡してくれた。
インキュバスの発症から周りに対しての印象も少し変わった気がする。
隙あれば、迫ろうとしてくる生徒が増えた気がする。

恵自身は何も変わっていない。
食事は畑野が与えてくれるので、それで満足している。
なのに、二人っきりになると周りの鼻息が荒くなる気がするのは何故だろう?
満腹のインキュバスは周りにフェロモンを振りまく事はないはずなのだが…。

いつしか日も経ち、一ヶ月という期限を過ぎても畑野につけた印は消えなかった。
毎日の様にしている行為のせいか上書きされてしまったらしい。

いつもの様に恵の家で身体を重ね、最近では畑野の方が上になって腰を振る事が多
くなった気がする。

恵にとって楽だからいいけど、食事以上に快楽が勝ってきた気がする。

くちゅくちゅという音が耳に届く。
後孔はローションなど使わなくても勝手に濡れて来て摩擦でより快楽が迫り上がって
くる。

「はあぁっ、気持ちいい…もっとして…裕也ぁっ!」
「恵くんっ…締め付けすぎっ…もっと緩めてってば!」
「ダメッ…ぬいちゃやだぁっーー!もっと欲しいからぁ~」

出した後も足を腰に絡めると抜かせないと締め付けるもんだから、再び勃起させられる。
これではエンドレスだ。
畑野も最近やっと理解してきたのだった。
インキュバスという意味と、この目の前の男の乱れように…。

誰にも渡したくない…俺だけで満足させるんだ。
それだけが畑野にとって大事な事となった。
大会など、どうでもいい。ずっと離したくない。誰か知らない男に渡すなんて絶対に嫌だ。
部室で恵の手を掴んだことさえ許せないと感情が昂っていた。
これは、嫉妬なのか?それともただの、性欲だけなのか?
今は畑野自身もわからずにいたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~

水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。 アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。 氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。 「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」 辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。 これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない

タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。 対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──

【完結】言えない言葉

未希かずは(Miki)
BL
 双子の弟・水瀬碧依は、明るい兄・翼と比べられ、自信がない引っ込み思案な大学生。  同じゼミの気さくで眩しい如月大和に密かに恋するが、話しかける勇気はない。  ある日、碧依は兄になりすまし、本屋のバイトで大和に近づく大胆な計画を立てる。  兄の笑顔で大和と心を通わせる碧依だが、嘘の自分に葛藤し……。  すれ違いを経て本当の想いを伝える、切なく甘い青春BLストーリー。 第1回青春BLカップ参加作品です。 1章 「出会い」が長くなってしまったので、前後編に分けました。 2章、3章も長くなってしまって、分けました。碧依の恋心を丁寧に書き直しました。(2025/9/2 18:40)

闇に咲く花~王を愛した少年~

めぐみ
BL
―暗闇に咲き誇る花となり、その美しき毒で若き王を  虜にするのだ-   国を揺るがす恐ろしき陰謀の幕が今、あがろうとしている。 都漢陽の色町には大見世、小見世、様々な遊廓がひしめいている。 その中で中規模どころの見世翠月楼は客筋もよく美女揃いで知られて いるが、実は彼女たちは、どこまでも女にしか見えない男である。  しかし、翠月楼が男娼を置いているというのはあくまでも噂にすぎず、男色趣味のある貴族や豪商が衆道を隠すためには良い隠れ蓑であり恰好の遊び場所となっている。  翠月楼の女将秘蔵っ子翠玉もまた美少女にしか見えない美少年だ。  ある夜、翠月楼の二階の奥まった室で、翠玉は初めて客を迎えた。  翠月を水揚げするために訪れたとばかり思いきや、彼は翠玉に恐ろしい企みを持ちかける-。  はるかな朝鮮王朝時代の韓国を舞台にくりひげられる少年の純愛物語。

辺境騎士が、涙を流すとき【完結】

てる
BL
辺境騎士団長(攻)x ツンデレ副団長(受)の、じれったくも切ない物語。魔法が存在するファンタジーな世界でのお話。 長かった戦争が終わり、辺境騎士ロイドは平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、団長のルシアンから突然呼び出された。 「話したいことがある。今夜、私の部屋へ来てくれ」 まさか……俺、クビになるのか!? 覚悟してルシアンの部屋を訪れると、思いもよらない展開になった。 どうして、俺なんだ。どうせ、遊びのつもりなんだろう? そう思っても、俺の心は激しく揺さぶられてしまう。 でも……ダメなんだ!俺はお前にふさわしくない。 過去のあの忌まわしい記憶が、今でも俺を縛りつけてるから。 ルシアンは貴族社会に戻り、俺は王都で新しい任務に就く。 もう昔のように一緒にはいられない。 ところが、王都に着いてみれば、近衛隊は賭博や女遊びにうつつを抜かす輩ばかり。 おまえら、いい加減にしろよ! こいつらを正しい道へと導き、王都軍を立て直す……そんな大仕事が俺にできるのか? 更にそこへ、もう一つ難題が舞い込んだ。 えっ、王妹殿下が俺に惚れてるって!? だが、そこには何か思惑があるらしい……やっぱりな。 そうわかっていても、そんなしおらしい顔で頼まれたら断れない。 ああっ!どうして俺はいつもこうやって面倒ごとに巻き込まれるんだ! まさかそのせいで、再びこの心の傷が暴かれることになるなんて…… その時は思いもしなかったんだ。

青い炎

瑞原唯子
BL
今日、僕は同時にふたつの失恋をした——。 もともと叶うことのない想いだった。 にもかかわらず、胸の内で静かな激情の炎を燃やし続けてきた。 これからもこの想いを燻らせていくのだろう。 仲睦まじい二人を誰よりも近くで見守りながら。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

処理中です...