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25話 お札
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手には何かお札が握られていて、赤い呪印が施されていた。
「それは何だい?汚れでもついていたのかな?」
「いいえ?なんでもないですよ?ハズレかぁ~つまんなーい」
「君も大会にエントリーしてるんだろう?」
「あぁ、趣味で山登りしてるからね~。修行の一環ってやつ?」
「修行?」
「そう、化け物退治のね!」
「…」
一瞬ドキッとしてしまった。
触れられた肩ぐちがジクジクと痛む。
そこへ畑野が来ると恵の前に立つとすごい形相で話し始める。
「青山、この人には近づくなって言ったはずだが?昨日もしつこく付きまとった
そうじゃないか?」
「えーちくったの?それは酷いな~会長ってば」
「どっちが酷いんだ!話は終わっただろ?忙しい人なんだ。ついでに問題集持っ
てくか?」
「そうだな…借りるよ」
そういうと青山を置いて奥に入っていく。
やって青山の目の届かないところに来ると畑野が心配そうに抱きしめてきた。
学校ではこう言うことはしないと言っていたのだが今はそれが嬉しかった。
立ってるのも辛くてそのまま倒れる様に畑野の胸の中へと倒れて行った。
「恵くん?」
「ごめん、もう限界かも…」
奥の部屋には他の生徒は入ってこないのでゆっくりとできた。
瞬く抱きしめられたまま横になるとやっと目を覚ました。
肩に痛みを感じ、畑野の前で脱ぎ始めると、慌てふためく畑野に落ち着く様に
言った。
シャツを脱ぐと肩が真っ赤に腫れて爛れている。
少し血が滲み触ると痛みで顔を歪めた。
「大丈夫なのか?」
「いっ…たい…」
「これはどうしたんだ?あいつがやったのか?」
「大丈夫だから。あいつは俺をインキュバスだと疑って札を肩に当てただけだ。」
「それでこんな風になるのかよ!」
「そうだな…だが、痛いって言ってたら化け物として殺されてたかもな?」
「そんな…」
「俺だって冗談じゃない。でも…それが普通なのかも…」
「違う、俺はそんな事思わない。だって誰にも迷惑かけてねーじゃん?」
「…裕也は優しいな?」
一向に帰ってこない会長を心配した生徒会メンバーが会長を探す声が聞こえてくると
すぐに起き上がると出て行く。
「ありがと」
「いいよ、今日はバイト先に迎えに行くからな?」
「そこまでしなくても…」
「俺がしたいんだ。いいだろ?」
「うん…/////」
照れる様に頬を染めると頷いたのだった。
もちろん、畑野にとっても見張る意味でもあった。
恵に付く虫は先に排除しておきたいと言うものあるが、恵を始末させる訳にもいかない。
その頃、季節外れの転校生があった。
その女子生徒は瞬く間にクラス、学年中の人気者になって行った。
もちろん会長を慕う数多い女子や、男子生徒も、一目奥ほどの美人だった。
そんな人が畑野と同じクラスになったのだった。
「それは何だい?汚れでもついていたのかな?」
「いいえ?なんでもないですよ?ハズレかぁ~つまんなーい」
「君も大会にエントリーしてるんだろう?」
「あぁ、趣味で山登りしてるからね~。修行の一環ってやつ?」
「修行?」
「そう、化け物退治のね!」
「…」
一瞬ドキッとしてしまった。
触れられた肩ぐちがジクジクと痛む。
そこへ畑野が来ると恵の前に立つとすごい形相で話し始める。
「青山、この人には近づくなって言ったはずだが?昨日もしつこく付きまとった
そうじゃないか?」
「えーちくったの?それは酷いな~会長ってば」
「どっちが酷いんだ!話は終わっただろ?忙しい人なんだ。ついでに問題集持っ
てくか?」
「そうだな…借りるよ」
そういうと青山を置いて奥に入っていく。
やって青山の目の届かないところに来ると畑野が心配そうに抱きしめてきた。
学校ではこう言うことはしないと言っていたのだが今はそれが嬉しかった。
立ってるのも辛くてそのまま倒れる様に畑野の胸の中へと倒れて行った。
「恵くん?」
「ごめん、もう限界かも…」
奥の部屋には他の生徒は入ってこないのでゆっくりとできた。
瞬く抱きしめられたまま横になるとやっと目を覚ました。
肩に痛みを感じ、畑野の前で脱ぎ始めると、慌てふためく畑野に落ち着く様に
言った。
シャツを脱ぐと肩が真っ赤に腫れて爛れている。
少し血が滲み触ると痛みで顔を歪めた。
「大丈夫なのか?」
「いっ…たい…」
「これはどうしたんだ?あいつがやったのか?」
「大丈夫だから。あいつは俺をインキュバスだと疑って札を肩に当てただけだ。」
「それでこんな風になるのかよ!」
「そうだな…だが、痛いって言ってたら化け物として殺されてたかもな?」
「そんな…」
「俺だって冗談じゃない。でも…それが普通なのかも…」
「違う、俺はそんな事思わない。だって誰にも迷惑かけてねーじゃん?」
「…裕也は優しいな?」
一向に帰ってこない会長を心配した生徒会メンバーが会長を探す声が聞こえてくると
すぐに起き上がると出て行く。
「ありがと」
「いいよ、今日はバイト先に迎えに行くからな?」
「そこまでしなくても…」
「俺がしたいんだ。いいだろ?」
「うん…/////」
照れる様に頬を染めると頷いたのだった。
もちろん、畑野にとっても見張る意味でもあった。
恵に付く虫は先に排除しておきたいと言うものあるが、恵を始末させる訳にもいかない。
その頃、季節外れの転校生があった。
その女子生徒は瞬く間にクラス、学年中の人気者になって行った。
もちろん会長を慕う数多い女子や、男子生徒も、一目奥ほどの美人だった。
そんな人が畑野と同じクラスになったのだった。
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