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26話 転校生
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担任の先生に連れられて来たのは、まるでテレビのアイドルにでもあった
かの様な容姿をもつ女生徒だった。
「今日からこのクラスになった秋谷 春乃くんだ。転校したてでまだ分か
らない事が多いと思うが、みんな、助けてやってくれ!」
「秋谷春乃です、よろしくお願いします。趣味は食べる事です。美味しい
お店などあったら一緒に連れてって下さいね?それと彼氏募集中です。」
どっと笑いが起きた。
こんなに美人なのにフリーなのかと。
休み時間は誰もが彼女と話したがったし、彼女も気さくでいい人そうだった。
何故か近くに行くと甘いいい匂いがした。
(まるで恵くんの肌に触れた時みたいな心地いい匂い…ん?)
畑野は自分で考えた事を復唱すると改めておかしく感じた。
どうしてそう思ったのか?
自分でもわからなかった。
大会が迫り恵がよく部室に来る様になった。
青山は最近では興味が失せたのか、話しかけても来なくなった。
代わりに転校生の方に興味があるらしい。
そして転校生も生徒会室のそばでうろうろしているのをよく見かける様になった。
「秋谷さん、どうしたの?こんなところで…」
「いえ、ちょっと。会長ってどんな方なのですの?」
「気さくで、優しくていい人だよ?頭いいしね!」
裕也が言うと、何か値踏みでもする様に見つめていた。
「何か用事なら入って行ったら?」
「そうね、その前に食事にしたいわ。あなたこっちにいらして?」
畑野に手を差し出すと甘い匂いが濃くなった。
目の前がふらっとして彼女の後をついていこうとしている自分に気づく。
すぐに引き戻るといきなり自分の頬を思いっきり叩いた。
パンッ!
その音で一瞬くらっときたのが治った。
「あなた…何故効かないの?」
「効かない?なんの事?」
驚いた顔をしていた彼女がいきなり悲鳴を上げた。
「きゃぁぁぁぁーーー!!」
何事かと思うと青山が真後ろにいて何かを押し当てたようだった。
それはお札の様な紙で、多分恵の肩に押し当てたやつだとすぐに分かった。
「あなた、まさかっ!」
「俺の先輩に何をしようとしたんですかぁ?化け物さん?」
青山の声に転校生はすぐさま逃げる様に走り去っていった。
追いつけるほど遅くはないので放置した様だった。
「何をやってるんですか?危ないですよ?あいつらは人間の性を吸って生
きてる化け物ですよ?」
「それでも…生きる為だろ?」
「甘いですね~、会長もそうかと思いましたが違ったみたいですね?まぁい
いでしょう。1匹は見つけましたから」
獲物を見つけたかの様な目であさってを見つめていた。
次の日は転校生は休んだ様だった。
あのお札が効いたのだろうか?
恵の傷は畑野の精液を取ったらすぐに治って行った。
多分、あの転校生もそうなのだろう。
畑野にはその転校生が少し気になり始めた。
恵を待つ間に私服姿の転校生を見つけた。
「あれは…秋谷さん?」
隣にはサラリーマンの様な男性が一緒にいる。
最初に恵を見つけた時の事を思い出す。
精液を貰うためにひっかけたのだろうが、それでも今でも腹が立つ。
あの時、止めなければその男に恵は初めてを渡していたと言う事なのだ。
ただの食事と言われればそうなのだが、畑野にとっては一大事だったのだ。
かの様な容姿をもつ女生徒だった。
「今日からこのクラスになった秋谷 春乃くんだ。転校したてでまだ分か
らない事が多いと思うが、みんな、助けてやってくれ!」
「秋谷春乃です、よろしくお願いします。趣味は食べる事です。美味しい
お店などあったら一緒に連れてって下さいね?それと彼氏募集中です。」
どっと笑いが起きた。
こんなに美人なのにフリーなのかと。
休み時間は誰もが彼女と話したがったし、彼女も気さくでいい人そうだった。
何故か近くに行くと甘いいい匂いがした。
(まるで恵くんの肌に触れた時みたいな心地いい匂い…ん?)
畑野は自分で考えた事を復唱すると改めておかしく感じた。
どうしてそう思ったのか?
自分でもわからなかった。
大会が迫り恵がよく部室に来る様になった。
青山は最近では興味が失せたのか、話しかけても来なくなった。
代わりに転校生の方に興味があるらしい。
そして転校生も生徒会室のそばでうろうろしているのをよく見かける様になった。
「秋谷さん、どうしたの?こんなところで…」
「いえ、ちょっと。会長ってどんな方なのですの?」
「気さくで、優しくていい人だよ?頭いいしね!」
裕也が言うと、何か値踏みでもする様に見つめていた。
「何か用事なら入って行ったら?」
「そうね、その前に食事にしたいわ。あなたこっちにいらして?」
畑野に手を差し出すと甘い匂いが濃くなった。
目の前がふらっとして彼女の後をついていこうとしている自分に気づく。
すぐに引き戻るといきなり自分の頬を思いっきり叩いた。
パンッ!
その音で一瞬くらっときたのが治った。
「あなた…何故効かないの?」
「効かない?なんの事?」
驚いた顔をしていた彼女がいきなり悲鳴を上げた。
「きゃぁぁぁぁーーー!!」
何事かと思うと青山が真後ろにいて何かを押し当てたようだった。
それはお札の様な紙で、多分恵の肩に押し当てたやつだとすぐに分かった。
「あなた、まさかっ!」
「俺の先輩に何をしようとしたんですかぁ?化け物さん?」
青山の声に転校生はすぐさま逃げる様に走り去っていった。
追いつけるほど遅くはないので放置した様だった。
「何をやってるんですか?危ないですよ?あいつらは人間の性を吸って生
きてる化け物ですよ?」
「それでも…生きる為だろ?」
「甘いですね~、会長もそうかと思いましたが違ったみたいですね?まぁい
いでしょう。1匹は見つけましたから」
獲物を見つけたかの様な目であさってを見つめていた。
次の日は転校生は休んだ様だった。
あのお札が効いたのだろうか?
恵の傷は畑野の精液を取ったらすぐに治って行った。
多分、あの転校生もそうなのだろう。
畑野にはその転校生が少し気になり始めた。
恵を待つ間に私服姿の転校生を見つけた。
「あれは…秋谷さん?」
隣にはサラリーマンの様な男性が一緒にいる。
最初に恵を見つけた時の事を思い出す。
精液を貰うためにひっかけたのだろうが、それでも今でも腹が立つ。
あの時、止めなければその男に恵は初めてを渡していたと言う事なのだ。
ただの食事と言われればそうなのだが、畑野にとっては一大事だったのだ。
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