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47話 暗黙のルール
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女子生徒は畑野を問い詰めようと迫ろうとして後ろから声をかけてきた
池下に呼ばれた。
「君たちは何をやってるんだ?ここは2年の教室だろ?」
「えーー、でもぉ~畑野先輩に大事な話があって~」
「そうなんです!本当に大事な事なんです!女子として尊厳に関わるん
です!」
全く何を言っているのかと思う事だが、女子にとっては必死だったらし
い。
暗黙のルールとは畑野自身も知っている。
女子の間で噂になっているやつだ。
一年で磯部がまだ、知られていなかった時の事だ。
御局様的な存在の令嬢が当時入学したての磯部に告白したとかで、その時
木端微塵にフラれた事から、女子の間で誰が落とせるかと言う賭けが始ま
ったのだ。
そして全員が失敗し、心の傷を癒す為に、抜け駆け禁止。
そして生徒会長になった磯部の傍には、政治家の娘である神田沙耶香が付
いたことで、余計に誰も声をかけるが、余計な事は言えなくなったのだ。
むしろ、それは男子にも普及していた。
運動神経のいい恵を巡って運動部は獲得作戦に出るが、結局は書記に所澤
が就任した事で、いろんな面で牽制させる意味でガチガチに固められた。
もし、恵と付き合いたいならまずは所澤を倒し、神田の認められてからと
いう暗黙のルールができた。
それも、所澤を力で屈服できるのは恵だけなので、絶望的に思えた。
それを打ち破ったのが、畑野だともっぱらの噂だった。
恵が自分から会いに行くし、部室にも行っていると噂され、生徒会室によく
行くのは恵がワンダーフォーゲル部の部室にくるとある事ない事騒がれるか
らだった。
もちろん、付き合ってる事は内緒だし、身体の関係のが先だったなんて誰に
も知られてはならない。
きっと所澤がクラスにやってきてボコボコにされそうだったからだ。
そして、今は恵がご機嫌斜めな上に、女子部員には問い詰められ畑野には厄
日でしかなかった。
「もう、いいから戻りなさい。もうすぐ昼休憩終わりだぞ?」
「えーーー。」
「せめて答えだけでも聞いてからっ!」
「畑野も次は移動教室だろ?ほら、行くぞ!」
池下がいなすと、やっと静かになった。
「お前らも、変な噂流すなよ?生徒会から睨まれていい事はないぞ?」
「「はーい」」
まだ何かききたげな返事だったが帰って行った。
「ありがとな!」
「色男も大変だな?」
「ふぇっ!ち、違う…」
池下は分かってると言いながらポンと肩を叩くとそれ以上は何も言ってこな
かった。
放課後部室に行くとそこには池下を含め、珍しく席を置いているだけの女子
生徒も来ていた。
多分昼のことだろう。
「畑野せんぱーい♪おはなし聞かせてもらいますよ~」
「そうですよ~、あの磯部先輩にあんな顔させるんですもん、どう言う事な
んですかぁ!」
そこに青山が入ってくると困った顔の畑野と一年の煩い声に眉を顰めると爆弾
を投下していった。
「磯部先輩と畑野先輩って付き合ってないぜ?ただセックスする仲だからな…」
さらっと言われた言葉に女子たちの口が開いたまま固まってしまった。
池下に呼ばれた。
「君たちは何をやってるんだ?ここは2年の教室だろ?」
「えーー、でもぉ~畑野先輩に大事な話があって~」
「そうなんです!本当に大事な事なんです!女子として尊厳に関わるん
です!」
全く何を言っているのかと思う事だが、女子にとっては必死だったらし
い。
暗黙のルールとは畑野自身も知っている。
女子の間で噂になっているやつだ。
一年で磯部がまだ、知られていなかった時の事だ。
御局様的な存在の令嬢が当時入学したての磯部に告白したとかで、その時
木端微塵にフラれた事から、女子の間で誰が落とせるかと言う賭けが始ま
ったのだ。
そして全員が失敗し、心の傷を癒す為に、抜け駆け禁止。
そして生徒会長になった磯部の傍には、政治家の娘である神田沙耶香が付
いたことで、余計に誰も声をかけるが、余計な事は言えなくなったのだ。
むしろ、それは男子にも普及していた。
運動神経のいい恵を巡って運動部は獲得作戦に出るが、結局は書記に所澤
が就任した事で、いろんな面で牽制させる意味でガチガチに固められた。
もし、恵と付き合いたいならまずは所澤を倒し、神田の認められてからと
いう暗黙のルールができた。
それも、所澤を力で屈服できるのは恵だけなので、絶望的に思えた。
それを打ち破ったのが、畑野だともっぱらの噂だった。
恵が自分から会いに行くし、部室にも行っていると噂され、生徒会室によく
行くのは恵がワンダーフォーゲル部の部室にくるとある事ない事騒がれるか
らだった。
もちろん、付き合ってる事は内緒だし、身体の関係のが先だったなんて誰に
も知られてはならない。
きっと所澤がクラスにやってきてボコボコにされそうだったからだ。
そして、今は恵がご機嫌斜めな上に、女子部員には問い詰められ畑野には厄
日でしかなかった。
「もう、いいから戻りなさい。もうすぐ昼休憩終わりだぞ?」
「えーーー。」
「せめて答えだけでも聞いてからっ!」
「畑野も次は移動教室だろ?ほら、行くぞ!」
池下がいなすと、やっと静かになった。
「お前らも、変な噂流すなよ?生徒会から睨まれていい事はないぞ?」
「「はーい」」
まだ何かききたげな返事だったが帰って行った。
「ありがとな!」
「色男も大変だな?」
「ふぇっ!ち、違う…」
池下は分かってると言いながらポンと肩を叩くとそれ以上は何も言ってこな
かった。
放課後部室に行くとそこには池下を含め、珍しく席を置いているだけの女子
生徒も来ていた。
多分昼のことだろう。
「畑野せんぱーい♪おはなし聞かせてもらいますよ~」
「そうですよ~、あの磯部先輩にあんな顔させるんですもん、どう言う事な
んですかぁ!」
そこに青山が入ってくると困った顔の畑野と一年の煩い声に眉を顰めると爆弾
を投下していった。
「磯部先輩と畑野先輩って付き合ってないぜ?ただセックスする仲だからな…」
さらっと言われた言葉に女子たちの口が開いたまま固まってしまった。
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