51 / 52
50話 いつも一緒に
しおりを挟む
いつしか、畑野は恵の家に入り浸りになるようになっていた。
「もうすぐ受験だろ?ちゃんと大丈夫なのか?」
「あぁ~もう、言わないでくれよ~」
「そんな事言ってもな~。勉強しに来たんだろ?なら、この手は何なんだ?」
恵の言っているこの手とは、恵の腹からズボンに入ろうとしている畑野の手の
事だろう。
「ん~ちょっと運動した方が勉強捗るかなって…」
「そんな訳ないだろ?ここから、ここまで全部解くまで触るのも禁止だ!」
「触ってるくらいいいだろ?それとも恵くんもこっちの限界?」
股間を膨らませている恵に畑野がいい寄るが、そもそも畑野が触ってくるから
勃ったのであって、初めからじゃない。
「いい、トイレで抜いてくるから。まずはここをやれよ!」
「そんな~」
「俺はこっちでやるからいい」
恵が集中する様に机に向かう。
相変わらずすごい集中力だった。
黙々と解いて行く。
分からないところがあるのか?と思うくらいにスラスラ解くので、その姿勢さえ
も目を奪われる気がする。
家で勉強をする理由は、わからないところを聞けるという事と、もう一つは…。
畑野は言われた場所までやり終わると息抜きの為に背伸びをした。
目の端ではまだ、恵が集中している。
ゆっくりと近づくと首筋をぺろりと舐める。
「ひゃぁっ!な、何してっ!!」
「言われたところは終わったからいいだろ?」
「あぁ、もうこんな時間か…少し休むか…」
「そうそう、休もう~」
そう言うとベッドに寝転がる。そして恵においでおいでと手を振る。
何かいいたげだったが、そのまま畑野の腕の中に収まってきた。
3年に学年が上がって受験が近くなると、周りもピリピリしてきて恋愛の事な
ど一時的に言われなくなった。
もちろん畑野はワンランク上の大学を目指している。
なぜなら、大学に通うのにアパートを借りて通う事になるのだが、それが恵の
家に近いのだ。
「俺さ~、○○大学に受験するんだよね~」
「へ~ならどこか借りるのか?」
「ここから通えば近いよな?」
「それを言うなら実家でも近いだろ?今の高校と変わらないんじゃないか?」
「そんな事じゃなくて~、一緒に住もうって言ってくれね~の?」
「…/////」
答えを待っていると真っ赤になって口澱んだ。
「嫌だったか?」
「あ…いや、嫌じゃないけど…」
「ん?」
「毎日だと…飽きないか?」
「はぁ~?今更だろ?」
心配している事が少しずれていた気がする。
頭いいはずなのに…。
「だって…ずっと一緒に寝起きするんだろ?飽きられたらどうしようって…」
「飽きる訳ないだろ?こうやって毎日抱きしめて眠れるんだぞ?幸せだろ?」
「…うん」
小さな声で頷かれると言ってるこっちが恥ずかしくなってきた。
無事、受験に受かると卒業式を迎え、沢山の後輩から睨まれながらの卒業と
なった。
恵はと言うと、後輩から惜しまれ、暗黙のルールによって誰もが言いたい一言
を言えずに見送ったのだった。
「もうすぐ受験だろ?ちゃんと大丈夫なのか?」
「あぁ~もう、言わないでくれよ~」
「そんな事言ってもな~。勉強しに来たんだろ?なら、この手は何なんだ?」
恵の言っているこの手とは、恵の腹からズボンに入ろうとしている畑野の手の
事だろう。
「ん~ちょっと運動した方が勉強捗るかなって…」
「そんな訳ないだろ?ここから、ここまで全部解くまで触るのも禁止だ!」
「触ってるくらいいいだろ?それとも恵くんもこっちの限界?」
股間を膨らませている恵に畑野がいい寄るが、そもそも畑野が触ってくるから
勃ったのであって、初めからじゃない。
「いい、トイレで抜いてくるから。まずはここをやれよ!」
「そんな~」
「俺はこっちでやるからいい」
恵が集中する様に机に向かう。
相変わらずすごい集中力だった。
黙々と解いて行く。
分からないところがあるのか?と思うくらいにスラスラ解くので、その姿勢さえ
も目を奪われる気がする。
家で勉強をする理由は、わからないところを聞けるという事と、もう一つは…。
畑野は言われた場所までやり終わると息抜きの為に背伸びをした。
目の端ではまだ、恵が集中している。
ゆっくりと近づくと首筋をぺろりと舐める。
「ひゃぁっ!な、何してっ!!」
「言われたところは終わったからいいだろ?」
「あぁ、もうこんな時間か…少し休むか…」
「そうそう、休もう~」
そう言うとベッドに寝転がる。そして恵においでおいでと手を振る。
何かいいたげだったが、そのまま畑野の腕の中に収まってきた。
3年に学年が上がって受験が近くなると、周りもピリピリしてきて恋愛の事な
ど一時的に言われなくなった。
もちろん畑野はワンランク上の大学を目指している。
なぜなら、大学に通うのにアパートを借りて通う事になるのだが、それが恵の
家に近いのだ。
「俺さ~、○○大学に受験するんだよね~」
「へ~ならどこか借りるのか?」
「ここから通えば近いよな?」
「それを言うなら実家でも近いだろ?今の高校と変わらないんじゃないか?」
「そんな事じゃなくて~、一緒に住もうって言ってくれね~の?」
「…/////」
答えを待っていると真っ赤になって口澱んだ。
「嫌だったか?」
「あ…いや、嫌じゃないけど…」
「ん?」
「毎日だと…飽きないか?」
「はぁ~?今更だろ?」
心配している事が少しずれていた気がする。
頭いいはずなのに…。
「だって…ずっと一緒に寝起きするんだろ?飽きられたらどうしようって…」
「飽きる訳ないだろ?こうやって毎日抱きしめて眠れるんだぞ?幸せだろ?」
「…うん」
小さな声で頷かれると言ってるこっちが恥ずかしくなってきた。
無事、受験に受かると卒業式を迎え、沢山の後輩から睨まれながらの卒業と
なった。
恵はと言うと、後輩から惜しまれ、暗黙のルールによって誰もが言いたい一言
を言えずに見送ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完結】その少年は硝子の魔術士
鏑木 うりこ
BL
神の家でステンドグラスを作っていた俺は地上に落とされた。俺の出来る事は硝子細工だけなのに。
硝子じゃお腹も膨れない!硝子じゃ魔物は倒せない!どうする、俺?!
設定はふんわりしております。
少し痛々しい。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる