サバイバルゲーム

秋元智也

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回復キット

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あれから奥田澪と犬飼要と金古亮太の三人は周りを警戒しながら荒木俊介と内田紗耶香に合流しようということになった。
侵入者が一人という前提だったが、それ以上いるというのなら話は違ってくる。
個別に撃破されるのは非常にまずい。
急ぎつつ警戒を怠らないようにしていると前でフラッシュライトが光った。
「紗耶香ぁーーー」
荒木俊介の声が響き渡る。
これは、最悪の事態が起きている事を示していた。
「先にいく。後ろの援護よろしく」
奥田澪が言うが早いか走り出していた。薄暗がりだというのに器用に避けながら走る奥田澪に感心しながら後ろを警戒しながら二人は後を追った。
荒木俊介を上から狙っている男に照準を合わせると奥田澪は走りながら撃ち出したのだ。
全弾当たるとは思っていないが、怯ませればそれでいい。止めは近づいてからきっちりと殺る。
一人じゃないのを遠くから確認しているので、さっきの撃った男はほかって植木に隠れた方にスカーを構える。
タタタッ。タタタッ。タタタッ。
撃ち終わるとストックを外して新しいのに付け替える。その時間は僅か6秒。
そこで男から声が漏れた。
「待ってくれ。降参だ」
まだ決着はついていない。奥田澪は眉間にシワを寄せた。
「頼むから殺さないでくれ。お嬢ちゃんが強いのは分かったから。どうだ?一緒に組もうじゃないか。なぁ?」
本気で言っているのかが疑問だったが犬飼要と金古亮太が来たとこで男は頭の後ろに手を挙げて降参だといい放ち、静かに出てきた。
近くにあるロープで縛り上げると荒木俊介の方に近寄った。もう一人の男はすでに息絶えていた。
荒木俊介は脇腹に被弾して意識を失っている。内田紗耶香に対してはもう手遅れだった。
「俊介。どうしよう、ここには病院なんてないし」
慌てる金古亮太に犬飼要は近くにあった。包帯で止血した。
「治してやろうか?」
ロープで縛られた男は不適に笑った。
「嘘をつくな。逃げれると思うな」
奥田澪が銃口を男の額に当てた。
それを見ていた犬飼要はそっと止めさせる。
「聞きたい事がある。お前達は何人で行動している?」
「あんちゃんは話が通じそうだ。四人で行動していた」
奥田澪が素早く動くと男の首を締め出した。
「仲間はどこだ?さっさと言え」
「く、苦しいっ、、、」
犬飼要が奥田澪の腕を引き剥がすと落ち着かせる。
「で、どうなんだ?どこにいる?」
「俺だけだよ。ここに入る前に一人殺られた。ここに来たのは三人だ。一人はそこにいる。もう一人はお宅らが殺ったんだろう?」
そういうと金古亮太の方を顎でしゃくった。
「それは仲間のバックだ。趣味の悪いマスコットが付いてやがるしな」
さっきの男が持っていたバックを回収したのだ。大きめで使いやすそうだったからだ。横にはへんてこな緑のマスコットが付いていた。
「もうひとつ聞きたい。俊介を助けられるってのは本当なのか?」
「あぁ、助けられる。俺のバックを開けてみな。その中に手のひらサイズの赤い十字架の付いたケースがあるだろう?それを治したい奴の近くで開いてみな」
金古亮太が言われた通りにすると開けたとたんに中から包帯が吹き出して荒木俊介にまとわりついた。
体を覆ってしまい、どうなったかわからない。
「貴様ー何をした!」
取り乱す奥田澪を犬飼要がすぐに取り押さえた。
男は不適に笑うと 「黙ってみてな」 と言った。
次第に収まるとさっきのケースは中身がなくなってしまった。
すると荒木俊介が目を覚ました。

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