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デス・ゲーム13日目 最後の晩餐
しおりを挟む13日目の夜。
優笑と優楽。
もう他には誰もいない。
最期の晩餐。
優楽はココアがいない事に少し驚いた様子だった。
ゲームマスターも今日は現れない。
夕食は向かい合う二人がけのテーブルに綺麗に用意されていた。
薄暗い部屋のなかで、キャンドルの光が揺れている。
ふわふわパンケーキのはちみつチーズベーコン添え。
優笑と優楽の大好きなメニュー。
真っ赤な薔薇の花も一輪飾られている。
いやらしい演出だな、と思う。
無表情で優笑は眺め、いちごみるくを飲んだ。
カチャカチャとフォークとナイフの音だけが響く。
優笑がこの甘じょっぱさが大好きですぐにハマってしまったが、優楽は最初は『はちみつとチーズ!?』なんて気持ち悪そうな顔をしたのに……。
いつの間にか大好きです! と一緒に言うようになって……。
いつも、笑顔でお喋りしながら食べていた料理。
どんな気持ちで食べているんだろう。
私もどんな気持ちなんだろう、今……。
「明日の夜……研究所の前で待ってる」
優笑はそれだけ優楽に伝えた。
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