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2章 縁、開店!または、珍客万来
初来店は王子様と王女様?
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「ようこそ、トワ様。そちらが?」
「ええ、息子のガルドと娘のカティよ」
王子様の方はどちらかというと武人肌なのだろうか。手には剣や刀で付くタコが出来ているが、顔は甘いマスクそのもの。服で隠れてはいるが、しっかりと鍛えてあるのが見て取れる。見かけで判断すれば大怪我と言う奴だろうか?しかし、それにしてはあまり覇気が見られない。所謂、鍛えるのが習慣になってるタイプだろう。
王女様の方は深窓の姫君と言う感じがする。見る者すべて振り返るであろう美貌ではあるが、やはりどこか覇気が無い。
「お二人ともようこそ、おいで下さいました。では、こちらへ」
「うむ」
「ええ」
キョロキョロと茶室作成で出来た部屋の一角を見回す二人。この辺はやはり子供という事であろう。
「姫様、王子様。その畳と呼ばれる上は土足は禁止ですので、靴は脱いで上がりなさってください」
「「フェリア?!」」
和服に合うように髪を簪で留めたフェリア殿に2人は驚き、王妃様もまあまあと声を出している。
「ああ、これは着物というものです。チャキ様の茶道を行う際に女性が着る服でもあるそうです。ちなみに、まだ先ですが、そちらのカウンター席で販売受付を行う予定でございます」
「今はまだ無理なのかしら?」
「そうですね。まず、着物は着方が難しいので、着付けというものを覚えないといけません。一応、自分がフェリア殿に指導しておりますが、ようやく覚え始めなので、もう少しお待ちいただければ幸いです」
うん、自分が性別どっちかは分からんけど、帯を締める作業だけするのはセーフだよね、うん……最初は、服の着せ方を教えてたけど……いや、アウト……なのか?
「それでは、茶を点てさせていただきます。正座など堅苦しい事は申し上げません。楽な姿勢でどうぞ」
今回の茶は苦め過ぎず、甘すぎずでいきたい。茶筅をすっと立てて、回していく。ちらりと見ると、珍しいのか、王子様とと王女様は茶から目を離していない。
「では、どうぞ」
まずは子供二人に出す。2人は母である王妃様を見たが、彼女はこくりと頷く。まあ、好奇心で待ちきれない子供の心情を理解しての事だろう。
「っ?!苦っ、いや、甘い!いや、やっぱり苦い?」
「お父様やお母様の言う通り、不思議な飲み物です」
「それでは、全て飲まれる前に本日の茶菓子を」
トワ殿にも茶を出した後で、菓子箱を取り出し、開けるとプルプルした透明な餅が出てくる。それを取り分け、上から黄色い粉……きな粉をかける。ここに蜜もかけれれば、更に良いのだが、今回はあえて無しにしている。
「わらび餅でございます。一応、適量かけておりますが、こちらのきな粉、大豆を粉にして少々甘く味付けした物が足りなければ、一緒にある粉入れから追加してどうぞ」
茶菓子としては少し向かないお菓子ではあるが、今回はお土産の事も意識している。最中などでも良いが、今の季節は春と夏の狭間。当日食べ切るであろう事も考え、清涼感ある一品にしたかったのだ。葛餅だと少し時間が経ってしまうと少し味が落ちるからね。
「これは冷たいお餅なのですね」
「然様でございます。このように木筒に入れて、氷を入れた水に浸すのでございます。皆様が来られる直前に出しておきました。お土産にも差し上げるので、同じようにすれば同じ味わいになりますよ」
そう言って竹……とは言えないので、木筒として出した器からニュルンと出てきた餅を見せる。なお、トワ殿の顔がお土産と聞いた瞬間輝きまくったのは見なかった事にする。
「このきな粉っていうのと合わせると美味しいです、母上!」
「それだけじゃないわ!このお茶と合わせると、苦いお茶が美味しくなるの!」
どうやら、自分の目論見は成功したらしい。何となくではあるが、王子と王女の状態は分かっていたのだ。フェリア殿の話を聞いて、それは確信に近かったのだから。
無気力で動けぬ父、それを憂いて嘆く母。長い事見てきたこの二人は子供らしく振る舞う事を辞めたに違いない。甘える事も、笑顔を見せる事も無い。ただただ、2人は王と王妃の子供として相応しくあろうとしたのだ。だから、評価がチグハグになるのだ。
「然様でございますな。トワ様。さっそく同じように食べられては?」
「………………ええ!」
「しばし、席を離れ、お持ち帰りの御準備を致します。御歓談ください」
そこに居たのは王族ではなく、家族の肖像。笑い合う親子を見て、フッと優しい気持ちになる。
「決めた!私、チャキ様のお嫁さんになる!」
最後に爆弾さえなければねええええええええええええええ!
「ええ、息子のガルドと娘のカティよ」
王子様の方はどちらかというと武人肌なのだろうか。手には剣や刀で付くタコが出来ているが、顔は甘いマスクそのもの。服で隠れてはいるが、しっかりと鍛えてあるのが見て取れる。見かけで判断すれば大怪我と言う奴だろうか?しかし、それにしてはあまり覇気が見られない。所謂、鍛えるのが習慣になってるタイプだろう。
王女様の方は深窓の姫君と言う感じがする。見る者すべて振り返るであろう美貌ではあるが、やはりどこか覇気が無い。
「お二人ともようこそ、おいで下さいました。では、こちらへ」
「うむ」
「ええ」
キョロキョロと茶室作成で出来た部屋の一角を見回す二人。この辺はやはり子供という事であろう。
「姫様、王子様。その畳と呼ばれる上は土足は禁止ですので、靴は脱いで上がりなさってください」
「「フェリア?!」」
和服に合うように髪を簪で留めたフェリア殿に2人は驚き、王妃様もまあまあと声を出している。
「ああ、これは着物というものです。チャキ様の茶道を行う際に女性が着る服でもあるそうです。ちなみに、まだ先ですが、そちらのカウンター席で販売受付を行う予定でございます」
「今はまだ無理なのかしら?」
「そうですね。まず、着物は着方が難しいので、着付けというものを覚えないといけません。一応、自分がフェリア殿に指導しておりますが、ようやく覚え始めなので、もう少しお待ちいただければ幸いです」
うん、自分が性別どっちかは分からんけど、帯を締める作業だけするのはセーフだよね、うん……最初は、服の着せ方を教えてたけど……いや、アウト……なのか?
「それでは、茶を点てさせていただきます。正座など堅苦しい事は申し上げません。楽な姿勢でどうぞ」
今回の茶は苦め過ぎず、甘すぎずでいきたい。茶筅をすっと立てて、回していく。ちらりと見ると、珍しいのか、王子様とと王女様は茶から目を離していない。
「では、どうぞ」
まずは子供二人に出す。2人は母である王妃様を見たが、彼女はこくりと頷く。まあ、好奇心で待ちきれない子供の心情を理解しての事だろう。
「っ?!苦っ、いや、甘い!いや、やっぱり苦い?」
「お父様やお母様の言う通り、不思議な飲み物です」
「それでは、全て飲まれる前に本日の茶菓子を」
トワ殿にも茶を出した後で、菓子箱を取り出し、開けるとプルプルした透明な餅が出てくる。それを取り分け、上から黄色い粉……きな粉をかける。ここに蜜もかけれれば、更に良いのだが、今回はあえて無しにしている。
「わらび餅でございます。一応、適量かけておりますが、こちらのきな粉、大豆を粉にして少々甘く味付けした物が足りなければ、一緒にある粉入れから追加してどうぞ」
茶菓子としては少し向かないお菓子ではあるが、今回はお土産の事も意識している。最中などでも良いが、今の季節は春と夏の狭間。当日食べ切るであろう事も考え、清涼感ある一品にしたかったのだ。葛餅だと少し時間が経ってしまうと少し味が落ちるからね。
「これは冷たいお餅なのですね」
「然様でございます。このように木筒に入れて、氷を入れた水に浸すのでございます。皆様が来られる直前に出しておきました。お土産にも差し上げるので、同じようにすれば同じ味わいになりますよ」
そう言って竹……とは言えないので、木筒として出した器からニュルンと出てきた餅を見せる。なお、トワ殿の顔がお土産と聞いた瞬間輝きまくったのは見なかった事にする。
「このきな粉っていうのと合わせると美味しいです、母上!」
「それだけじゃないわ!このお茶と合わせると、苦いお茶が美味しくなるの!」
どうやら、自分の目論見は成功したらしい。何となくではあるが、王子と王女の状態は分かっていたのだ。フェリア殿の話を聞いて、それは確信に近かったのだから。
無気力で動けぬ父、それを憂いて嘆く母。長い事見てきたこの二人は子供らしく振る舞う事を辞めたに違いない。甘える事も、笑顔を見せる事も無い。ただただ、2人は王と王妃の子供として相応しくあろうとしたのだ。だから、評価がチグハグになるのだ。
「然様でございますな。トワ様。さっそく同じように食べられては?」
「………………ええ!」
「しばし、席を離れ、お持ち帰りの御準備を致します。御歓談ください」
そこに居たのは王族ではなく、家族の肖像。笑い合う親子を見て、フッと優しい気持ちになる。
「決めた!私、チャキ様のお嫁さんになる!」
最後に爆弾さえなければねええええええええええええええ!
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