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3章 では、再生を始めよう。お茶で!
閑話 必要な物を揃えましょう!
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「必要なものとな?」
「正確には必要な物と職人ですね」
そう、自分は茶室作成のスキルで出せるが、広めるにはありとあらゆる物がこの世界の物で出来なければ意味が無い、また、それを作る職人も居なくては広めるに辺り、話にならないのである。
「例えばこれです」
そう言って、茶室作成で出現する茶器を見せる。
「自分のスキルを使えばこれは出せます。しかし、私以外が教える場合はどうでしょうか?」
「なるほどな……」
要するにだ、自分と同じスキルに目覚める人間が居ない!とは確実には言えないが、広めるならば、教える人は多い方が良い。だが、その人全員がスキルとして茶器を産みだす事が出来るか?と言われると限りなくゼロに近いだろう。
ならば、作れる方が良いに決まっている。着物はうちの店員が教える事は出来るが、茶器や茶室を作る職人は必須とも言える存在になるだろう。
「時間がかかりそうですね」
王妃やその場に居る人が苦い顔をするが、元々、茶道は一日して成らずと言っても良い。自分は茶道を広める人間を指導しなければいけないし、茶室の庵を作るにしても魔法だけでの建設は難しい、その上で、茶道を広めるルートも開拓しなければならない。はっきり言えば、1年とか2年ではなく、大変長い期間を自分は想定している。
「広めるという事はそういう事です。そうですね……自分は短くても5年以上は想定しております。これが一番早く見積もっての想定かと…」
まずは指導員を増やす、これは急務であり、自分でも例えば、5人に茶道を完全に教えるまで1年近くはかかるだろう。更にその指導員が教えていき、適正な人数とも言えるまで早くて3年と言う所か?また、その指導員の下の弟子達が広めるまで1年以上かかるだろう。
また、茶室についても、この世界の建築技術とは体系がそもそも違う。土の魔法などで即出来ない所も大きい。更に言えば、庵を1つの国に1つとかあり得ない訳で……様々な所に注文等が殺到するだろう。
「長い……な」
王が言われるように長くはあるが、これでも短く見積もっているのだ。世界に広めるなら、5年どころか10年20年単位の時間が必要になる。ここまで短く見積もれるのは魔法やギルド等がある所が大きい。また、自分に王族の伝手が多い所も大きいだろう。
「はい。そこで人員です。ギルドを通すのは勿論ですが、王の名の下に広める必要性があります」
「と言うと?」
「ぶっちゃけてしまうと、自分は確かにこの国では信頼に足る人間でしょう。しかし、茶道が広まっていない他国にしてはどうでしょう?」
「そういう事か」
確かに自分はこの国では名を馳せている。しかし、自分を知らない人間・種族から見たらどうだろう?習うに値するか?答えは否である。
自分はまだ、この世界に来て、茶道を始めて1年も満たない若造のようなものである。確かに、無気力を治したなど手柄は多いが、魔王国など以外の他国に名は馳せているか?と聞かれると否としか言い様が無いのである。
「どのような人員が欲しい?」
「はい。様々な分野が欲しいですが、まずは茶器を作る……土を使っての器を作る人員が欲しいですね」
土魔法ならあっという間………と行かないのが茶器である。ぶっちゃけ話、すでにそこは試行済みである。常連である賢者殿や造詣に深いギルドマスターにも試してもらったのだが……まず、大変イメージが難しいらしい、賢者殿曰く……
『外見は同じでも中が空洞だったり、この器は焼きが入っている。そこの再現は土魔法だけでは難しい。だからと言って、火と土の2属性でいけるかと言われてもノー。それ以外にも何か塗ったりしている、この鮮やかさの再現も上手くいかない。魔法使うより、作れる職人を育てた方が早い』
とのことだ。簡単には行かないもんだね。その辺りも王に説明する。あ、ついでにこれも話しておかないとな。
「そして、土ですね」
「土?そこら辺のじゃ駄目か?」
「絶対に駄目とは言いませんが、器に向く土と言うのもありますし、全世界で共通の土が取れるとは限りませんので、地質調査も行って頂きたく」
「良かろう、地質調査は冒険者ギルドに、各職人に関しては商人ギルドに権限を渡しておく。並びに、アサシンギルドには各国への繋ぎを依頼する」
結構大きな動きになってきたが、まさに狙い通り!である。と言うか、今のままでは世界に茶道を広めるなど不可能!と言うのが自分の考えである。やっと、こつこつ行ってきた結果、茶道に興味を持ってもらえはしたが、世界は広い。その上、様々な用意はやはり個人では難しいのだ。
そこで、今の店の拡張などよりも王を刺激し、各国と繋ぎを作る他、職人や指導員を斡旋してもらう方向にした。勿論、自分自身も行動を移すつもりではある。
「話は聞きました!」
バンと扉が開かれ、入って来たのは魔王国の女王様ではありませんか……ん?なんで居るの?と思ったら、口の端に餡子のようなものが付いている。ああ、また、お忍びで来たのね。魔法、ベンリダナー……ていうか、同盟組んだとはいえ、茶菓子食う為だけに週5も来て、魔王国大丈夫なんだろうか?いや、大丈夫と思っておきたい。
「割と色々ツッコミ入れたいが……エリザベータ殿、その良き考えとは?」
「世界会議の開催をこの場で提案いたします!」
………………………………は?はい?
「正確には必要な物と職人ですね」
そう、自分は茶室作成のスキルで出せるが、広めるにはありとあらゆる物がこの世界の物で出来なければ意味が無い、また、それを作る職人も居なくては広めるに辺り、話にならないのである。
「例えばこれです」
そう言って、茶室作成で出現する茶器を見せる。
「自分のスキルを使えばこれは出せます。しかし、私以外が教える場合はどうでしょうか?」
「なるほどな……」
要するにだ、自分と同じスキルに目覚める人間が居ない!とは確実には言えないが、広めるならば、教える人は多い方が良い。だが、その人全員がスキルとして茶器を産みだす事が出来るか?と言われると限りなくゼロに近いだろう。
ならば、作れる方が良いに決まっている。着物はうちの店員が教える事は出来るが、茶器や茶室を作る職人は必須とも言える存在になるだろう。
「時間がかかりそうですね」
王妃やその場に居る人が苦い顔をするが、元々、茶道は一日して成らずと言っても良い。自分は茶道を広める人間を指導しなければいけないし、茶室の庵を作るにしても魔法だけでの建設は難しい、その上で、茶道を広めるルートも開拓しなければならない。はっきり言えば、1年とか2年ではなく、大変長い期間を自分は想定している。
「広めるという事はそういう事です。そうですね……自分は短くても5年以上は想定しております。これが一番早く見積もっての想定かと…」
まずは指導員を増やす、これは急務であり、自分でも例えば、5人に茶道を完全に教えるまで1年近くはかかるだろう。更にその指導員が教えていき、適正な人数とも言えるまで早くて3年と言う所か?また、その指導員の下の弟子達が広めるまで1年以上かかるだろう。
また、茶室についても、この世界の建築技術とは体系がそもそも違う。土の魔法などで即出来ない所も大きい。更に言えば、庵を1つの国に1つとかあり得ない訳で……様々な所に注文等が殺到するだろう。
「長い……な」
王が言われるように長くはあるが、これでも短く見積もっているのだ。世界に広めるなら、5年どころか10年20年単位の時間が必要になる。ここまで短く見積もれるのは魔法やギルド等がある所が大きい。また、自分に王族の伝手が多い所も大きいだろう。
「はい。そこで人員です。ギルドを通すのは勿論ですが、王の名の下に広める必要性があります」
「と言うと?」
「ぶっちゃけてしまうと、自分は確かにこの国では信頼に足る人間でしょう。しかし、茶道が広まっていない他国にしてはどうでしょう?」
「そういう事か」
確かに自分はこの国では名を馳せている。しかし、自分を知らない人間・種族から見たらどうだろう?習うに値するか?答えは否である。
自分はまだ、この世界に来て、茶道を始めて1年も満たない若造のようなものである。確かに、無気力を治したなど手柄は多いが、魔王国など以外の他国に名は馳せているか?と聞かれると否としか言い様が無いのである。
「どのような人員が欲しい?」
「はい。様々な分野が欲しいですが、まずは茶器を作る……土を使っての器を作る人員が欲しいですね」
土魔法ならあっという間………と行かないのが茶器である。ぶっちゃけ話、すでにそこは試行済みである。常連である賢者殿や造詣に深いギルドマスターにも試してもらったのだが……まず、大変イメージが難しいらしい、賢者殿曰く……
『外見は同じでも中が空洞だったり、この器は焼きが入っている。そこの再現は土魔法だけでは難しい。だからと言って、火と土の2属性でいけるかと言われてもノー。それ以外にも何か塗ったりしている、この鮮やかさの再現も上手くいかない。魔法使うより、作れる職人を育てた方が早い』
とのことだ。簡単には行かないもんだね。その辺りも王に説明する。あ、ついでにこれも話しておかないとな。
「そして、土ですね」
「土?そこら辺のじゃ駄目か?」
「絶対に駄目とは言いませんが、器に向く土と言うのもありますし、全世界で共通の土が取れるとは限りませんので、地質調査も行って頂きたく」
「良かろう、地質調査は冒険者ギルドに、各職人に関しては商人ギルドに権限を渡しておく。並びに、アサシンギルドには各国への繋ぎを依頼する」
結構大きな動きになってきたが、まさに狙い通り!である。と言うか、今のままでは世界に茶道を広めるなど不可能!と言うのが自分の考えである。やっと、こつこつ行ってきた結果、茶道に興味を持ってもらえはしたが、世界は広い。その上、様々な用意はやはり個人では難しいのだ。
そこで、今の店の拡張などよりも王を刺激し、各国と繋ぎを作る他、職人や指導員を斡旋してもらう方向にした。勿論、自分自身も行動を移すつもりではある。
「話は聞きました!」
バンと扉が開かれ、入って来たのは魔王国の女王様ではありませんか……ん?なんで居るの?と思ったら、口の端に餡子のようなものが付いている。ああ、また、お忍びで来たのね。魔法、ベンリダナー……ていうか、同盟組んだとはいえ、茶菓子食う為だけに週5も来て、魔王国大丈夫なんだろうか?いや、大丈夫と思っておきたい。
「割と色々ツッコミ入れたいが……エリザベータ殿、その良き考えとは?」
「世界会議の開催をこの場で提案いたします!」
………………………………は?はい?
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