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パーティー結成
1-5 婚約破棄され家から追放されたお嬢様
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「……誰?」
「ゆ、勇者パーティーの魔術師様の婚約者様であらせられる伯爵家のお嬢様ですぅ……」
「ほほほほほ、それも昨日までの事ですわ!」
目尻に溜まる涙を留めるのに必死なケントは、それでも律儀に答えてくれたけど、お嬢様が高笑いしながらそれを否定する。
「聖女様のお供をすれば私が嫉妬に狂って嫌がらせをするからと婚約破棄を言い渡されましたの。お父様にはそんな訳の分からぬ理由をこじつけられて婚約破棄されるなど我が家の恥と追い出されましたの。今日からは自分の食い扶持は自分で稼がねばなりませんのよ」
えええええ、勇者パーティーって……
「さあ、さっさとパーティー登録を致してしまいましょう!」
「ま、待って、どうせなら一緒に今日受ける依頼も持っていった方が二度手間にならな……なりませんよ!」
「……確かにそうね。それで、どれにするの?」
「ええと、どれが良いか分かるケント君?」
「え、え、その……」
「――初心者ならここから選ぶより常時依頼を効率よく進める方が良いだろう。……行くぞ」
「え、あっ、待って……!」
堂々と人混みを突っ切っていく二人の後をケント君と二人で小走りに付いていく。
「パーティー登録を」
「は、はい……ではこちらにご記入を……」
渡されるペラ紙。
「パーティー名は決めているのか?」
「えっと、候補はいくつか……」
考えては来たけれど。
「どうやら全員勇者パーティーには思うところがあるようですし……」
なら。
「銀の剣、ってどうですか?」
私の世界では邪悪なものや魔の者の弱点と言われるものだと説明し。
「聖なる剣は勇者の物。ならば私達は銀の剣で挑むまで」
「まあっ、痛快で素敵な名前ね!」
「ふむ、悪くない響きだな」
「な、なんか格好いい気がします……」
「ではパーティー名は銀の剣として、リーダーはどうする?」
「……順当に一番経験豊富なイマルさんが務めるのが妥当かと」
「それか、上に立ちなれてるお嬢様か……」
「私はもう令嬢ではありませんから、私の事はマリーと呼んで下さいませね。でも、確かに昨日までは貴族でしたから、命令はしなれています。ですが冒険者について勉強不足な私では的確な指示はだせませんわ」
「――分かった、俺がリーダーを名乗ろう」
パーティー名とリーダーの名前、メンバーの名前を書いて渡す。
「皆さんのカードをお預かりします」
昨日と同じ水晶玉の魔道具にそれらを吸わせ、戻って来たカードを返される。
「パーティー登録が完了しました」
――こうして、私達訳アリ追放者パーティー「銀の剣」は結成されたのだった。
「ゆ、勇者パーティーの魔術師様の婚約者様であらせられる伯爵家のお嬢様ですぅ……」
「ほほほほほ、それも昨日までの事ですわ!」
目尻に溜まる涙を留めるのに必死なケントは、それでも律儀に答えてくれたけど、お嬢様が高笑いしながらそれを否定する。
「聖女様のお供をすれば私が嫉妬に狂って嫌がらせをするからと婚約破棄を言い渡されましたの。お父様にはそんな訳の分からぬ理由をこじつけられて婚約破棄されるなど我が家の恥と追い出されましたの。今日からは自分の食い扶持は自分で稼がねばなりませんのよ」
えええええ、勇者パーティーって……
「さあ、さっさとパーティー登録を致してしまいましょう!」
「ま、待って、どうせなら一緒に今日受ける依頼も持っていった方が二度手間にならな……なりませんよ!」
「……確かにそうね。それで、どれにするの?」
「ええと、どれが良いか分かるケント君?」
「え、え、その……」
「――初心者ならここから選ぶより常時依頼を効率よく進める方が良いだろう。……行くぞ」
「え、あっ、待って……!」
堂々と人混みを突っ切っていく二人の後をケント君と二人で小走りに付いていく。
「パーティー登録を」
「は、はい……ではこちらにご記入を……」
渡されるペラ紙。
「パーティー名は決めているのか?」
「えっと、候補はいくつか……」
考えては来たけれど。
「どうやら全員勇者パーティーには思うところがあるようですし……」
なら。
「銀の剣、ってどうですか?」
私の世界では邪悪なものや魔の者の弱点と言われるものだと説明し。
「聖なる剣は勇者の物。ならば私達は銀の剣で挑むまで」
「まあっ、痛快で素敵な名前ね!」
「ふむ、悪くない響きだな」
「な、なんか格好いい気がします……」
「ではパーティー名は銀の剣として、リーダーはどうする?」
「……順当に一番経験豊富なイマルさんが務めるのが妥当かと」
「それか、上に立ちなれてるお嬢様か……」
「私はもう令嬢ではありませんから、私の事はマリーと呼んで下さいませね。でも、確かに昨日までは貴族でしたから、命令はしなれています。ですが冒険者について勉強不足な私では的確な指示はだせませんわ」
「――分かった、俺がリーダーを名乗ろう」
パーティー名とリーダーの名前、メンバーの名前を書いて渡す。
「皆さんのカードをお預かりします」
昨日と同じ水晶玉の魔道具にそれらを吸わせ、戻って来たカードを返される。
「パーティー登録が完了しました」
――こうして、私達訳アリ追放者パーティー「銀の剣」は結成されたのだった。
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