巻き込まれ召喚された賢者は追放メンツでパーティー組んで旅をする。

ざまぁのその後

16-3 お仕事改革

    取り敢えず、イマルから回されるお仕事をまず仕分けするところから、私はお仕事改革を始める事にした。
    流石にまだ本当に重要な国家機密レベルのお仕事は全部イマルが私の目に触れないように片付けてるから、私の手元にある仕事はなんて事無い雑用なんだけど。
    後始末系統の仕事と事前調査系統の仕事とを分け、省庁ごとの仕事にさらに振り分ける。
    その中には私に関する仕事も含まれていた。
    ――例えば聖女を派遣して欲しがっているC国とK国が小競り合いを始めそうなのをA国が仲裁に入ってくれてるけど、その尽力に感謝しA国のご機嫌を取りつつC国とK国にも上手いこと言って何とかしろとの無茶ぶりとか。……これは外交系の後始末。――小競り合いといっても軍が出るような戦争ではなく、あくまで外交官同士の大人気ない喧嘩腰のオハナシアイだからね。
    その一方で、C国とK国に売り込みたい物があるらしく、どの程度の価格でなら交渉が上手く運びそうか調べろというものもあった。これも外交系の仕事だけどこっちは事前調査系統の仕事。
    調べものはイマルが配下に命じて調べさせるのが常だと言うけど、なんだかんだ調べものが多いから、彼らはいつも忙しいらしい。
     ……その激務の中、わざわざ私達に付き合ってくれていたレン君。イマルが彼らに仕事を頼む頻度を見てると、かなりブラックな気がしてならない。
    「イマル、この仕事で一石二鳥狙っちゃおう」
     だから私はイマルに提案した。
    「この案件で売りたいのって果物の加工品だよね？    アルソレス国内でも結構人気があるから売りたい、って話だけどさ、この原料の果物ってこの国じゃあまり生産量多くないから、輸出すると原料の価格が跳ね上がって、結局ポシャりそうだと思わない？」
    だから。
   「この加工品と一緒に原料の植物ごと売り付けて育ててもらおう。調べてみたら気候的にはうちより生育に適した環境らしいから……。両国には入札で値段を決めてもらうの。で、高い値をつけた方に先に私が行って、畑の具合を見に行きますよって言えば全部解決しない？」
    ……いや、勿論政治に関しちゃまだまだ素人の意見だから、実際には現場の人達にはそれなりに交渉とか頑張って貰う必要はあるだろうけどさ。
    あちらも、アルソレスへの輸出品が増えるメリット付きで悪い話じゃないはずだ。
    「……なるほど。似たようなやり方で解決できそうな案件が他にもあったな。――次の会議で提案してみよう」
    ニヤリと満足そうな笑みをいただきました！