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後日談
第11話 もう一つのハッピーエンド
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「やぁ、体調大丈夫?」
「ええ、つわりも落ち着いたし、もう大丈夫よ」
今日は久し振りのお客様がお見舞いに来てくれていた。
「あっちの年数に数え直すのもう面倒でやらなくなったけど……、あっちじゃかなり若いお母さんよねぇ」
「あはは、全く居ないわけじゃないけど、ね。……かなり早いのは自覚してるよ。――私だってまさか出来るなんて思ってなかったし」
お見舞いに来てくれたレイとモモコ。嫌み混じりのモモコと軽く言葉のジャブでじゃれ合っていると、飲み物を乗せた盆を持ったメイドと共にイマルがやって来た。
「医者にすら驚かれたからな」
どっかとソファーに腰を下ろしたイマルが肩を竦めた。
「奇跡だと言われたぞ?」
「普通の夫婦なら子供ごときで奇跡呼ばわりか、って言うところなのに……」
健常な子供が無事に生まれるのは、普通の夫婦でも奇跡と言っていいだろうが、腹に出来た段階で奇跡呼ばわりはない。……普通だったら。
「ぐぐぐ、私だって遊びたいのに……!」
「いや、こないだ俺と海に行ったじゃん」
「アンタと行ってもしゃーないでしょ! ナンパも逆ナンも全部阻止しやがって!」
「――これに不満があるならいつでも交換は可能だぞ?」
「へぇ……そうなんだ」
「いやいやいや、ちょー待って!」
「替えるか?」
「止めてー!」
「んー、普段の護衛には不満はないんだけどね。何と言うか過保護と言うか……」
「うーん、でもこの世界で日本みたいなつもりでよく知らない男の人に付いてくのは危ないよ?」
「そりゃ分かってるけど! くそぅ、このリア充めぇ~!」
「うひゃっ!」
モモコがヒカルの頭にぐりぐりと拳をめり込ませる。
「……助けないんで?」
「あの位ならまだじゃれ合いの範囲内だろ? あの程度で俺が手を出したら野暮だろうが。――じゃれ合いで済まなくなったら俺がつまみ出すさ」
余裕な彼の態度に俺もつい面白くなくて口を尖らせた俺に、彼は容赦なく突っ込んできた。
「お前、そんなに甲斐性なしだったか?」
「……何のお話でしょう?」
「やっぱり俺の影に戻るか?」
「戻りませんよ!」
「だったらさっさと決着つけろ」
そう言って尻蹴っ飛ばされて、最後にゃ屋敷を摘まみ出された。……三ヶ月以内に何とかしろとのお達し付きで。それ過ぎたら問答無用で飛ばすと脅されて。
……うん。頑張ったよ俺。
物凄い頑張って口説いて落として押し倒しましたとも!
……何とか落とすのに三ヶ月かかったけど。
押し倒すのにさらに三ヶ月かかりましたけど!
その頃には聖女の息子が生まれて国ごと大フィーバーしてたけどね。
「ええ、つわりも落ち着いたし、もう大丈夫よ」
今日は久し振りのお客様がお見舞いに来てくれていた。
「あっちの年数に数え直すのもう面倒でやらなくなったけど……、あっちじゃかなり若いお母さんよねぇ」
「あはは、全く居ないわけじゃないけど、ね。……かなり早いのは自覚してるよ。――私だってまさか出来るなんて思ってなかったし」
お見舞いに来てくれたレイとモモコ。嫌み混じりのモモコと軽く言葉のジャブでじゃれ合っていると、飲み物を乗せた盆を持ったメイドと共にイマルがやって来た。
「医者にすら驚かれたからな」
どっかとソファーに腰を下ろしたイマルが肩を竦めた。
「奇跡だと言われたぞ?」
「普通の夫婦なら子供ごときで奇跡呼ばわりか、って言うところなのに……」
健常な子供が無事に生まれるのは、普通の夫婦でも奇跡と言っていいだろうが、腹に出来た段階で奇跡呼ばわりはない。……普通だったら。
「ぐぐぐ、私だって遊びたいのに……!」
「いや、こないだ俺と海に行ったじゃん」
「アンタと行ってもしゃーないでしょ! ナンパも逆ナンも全部阻止しやがって!」
「――これに不満があるならいつでも交換は可能だぞ?」
「へぇ……そうなんだ」
「いやいやいや、ちょー待って!」
「替えるか?」
「止めてー!」
「んー、普段の護衛には不満はないんだけどね。何と言うか過保護と言うか……」
「うーん、でもこの世界で日本みたいなつもりでよく知らない男の人に付いてくのは危ないよ?」
「そりゃ分かってるけど! くそぅ、このリア充めぇ~!」
「うひゃっ!」
モモコがヒカルの頭にぐりぐりと拳をめり込ませる。
「……助けないんで?」
「あの位ならまだじゃれ合いの範囲内だろ? あの程度で俺が手を出したら野暮だろうが。――じゃれ合いで済まなくなったら俺がつまみ出すさ」
余裕な彼の態度に俺もつい面白くなくて口を尖らせた俺に、彼は容赦なく突っ込んできた。
「お前、そんなに甲斐性なしだったか?」
「……何のお話でしょう?」
「やっぱり俺の影に戻るか?」
「戻りませんよ!」
「だったらさっさと決着つけろ」
そう言って尻蹴っ飛ばされて、最後にゃ屋敷を摘まみ出された。……三ヶ月以内に何とかしろとのお達し付きで。それ過ぎたら問答無用で飛ばすと脅されて。
……うん。頑張ったよ俺。
物凄い頑張って口説いて落として押し倒しましたとも!
……何とか落とすのに三ヶ月かかったけど。
押し倒すのにさらに三ヶ月かかりましたけど!
その頃には聖女の息子が生まれて国ごと大フィーバーしてたけどね。
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