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異世界へ
異世界の旅路
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――王都までの乗り合い馬車がある。
それを聞いて、私は大いに迷った。
異世界の慣れない街道を旅するのは大変ではある。が、乗り合い馬車なら旅の安全は確保できるけど、その分、私達の常識を疑われ怪しまれるリスクは高まる。
どこかの田舎に向かうのならそれでも逃げてしまえば済むかもしれないが、これから向かうのは王都だ。当然出入りのチェックも厳しいだろう。
――これについては旅していくのでも同じこと。
「うーん、何か、荷運びの護衛みたいな仕事を受けられないかな」
この世界には冒険者ギルド的なものはあるのだろうか?
……やっぱりチュートリアルもサポーターも無しの異世界はなかなか難しい。
もう一度顔役のオバチャンのところへ顔を出し、途中の店で買った果物を手土産に相談してみる。
「そう言う事なら斡旋所に行ってみるといいさね」
聞けばそれは、様々な依頼を受け付けて仕事を斡旋してくれる所らしい。
――どうも冒険者ギルドと商業ギルド、それに傭兵ギルドに職人ギルドや何かを足して割った様な所みたいだ。
その場所を書いた地図を貰って行ってみる。
それは街の広場近くに建てられ、とても目立つ大きな建物だった。横浜や神戸の大きなお屋敷レベルの洋館に似た建物の前にも中にも人がいっぱい。
建物に入ってまずあるだだっ広いロビーには壁面を覆わんばかりに幾つも掲示板が並び、書類が沢山貼り出され、彼らはそれを熱心に眺めている。
恐らくあれが依頼書なのだろう。
どの書類にも大きく何種類かのマークが記されている。
文字が読めない人用に、書かれた依頼内容を大別するための物らしい。
遠目で字がよく見えなくてもその印は見える。
それを頼りに目的の依頼が多く張ってありそうな板を選んで近付く。
この世界の文字が読めない彼らも印はありがたいようで、熱心に見入っていた。
その印の脇に数字が書いてある。
これは店で何度か見ているのでそろそろ覚え始めている。
どうやら目当ての依頼を見つけたら、この数字をメモして受け付けに告げると、その依頼を受けるに相応しいかの審査が始まり、それに通れば仕事にありつける、という仕組みらしいと人の流れを見ながら理解していく。
幾つか王都行きの商隊の護衛依頼が見つかったから、早速受け付けに並んだ。
ここも依頼の種類ごとに受付が違うらしく、窓口の上に大きく書類にもある印が掲げられていた。
――お約束で、ここで冒険者カードみたいなのを作らされるとか、そこで異世界人とバレる……なんてイベントは幸いにも起こらず、幾つか挙げた内の一つの仕事を紹介してもらえた。
出発は明日との事で、今日は顔合わせだけして元居た宿に戻った。
ちなみに王都までは3日かかるそうだ。
「王都まで3日……。それで情報収集して……それで? 本当に間に合うのか、間に合ったとして無事に帰れるのかも怪しいわね……」
「――確かに厳しい戦いになるだろうが……。お前だけは何としても無事に帰してみせる。俺たちは命懸けの覚悟でここに来てるが、お前はあくまで協力者なんだ。ここで死なせるとか後味悪すぎてたまんねぇよ」
ため息が出そうになる現実に、和貴が軽く請け負った。
「まあ、王都に着くまでは気楽に楽しもうぜ」
……その笑顔が何となく不自然だったのは……果たして私の気のせいだろうか?
それを聞いて、私は大いに迷った。
異世界の慣れない街道を旅するのは大変ではある。が、乗り合い馬車なら旅の安全は確保できるけど、その分、私達の常識を疑われ怪しまれるリスクは高まる。
どこかの田舎に向かうのならそれでも逃げてしまえば済むかもしれないが、これから向かうのは王都だ。当然出入りのチェックも厳しいだろう。
――これについては旅していくのでも同じこと。
「うーん、何か、荷運びの護衛みたいな仕事を受けられないかな」
この世界には冒険者ギルド的なものはあるのだろうか?
……やっぱりチュートリアルもサポーターも無しの異世界はなかなか難しい。
もう一度顔役のオバチャンのところへ顔を出し、途中の店で買った果物を手土産に相談してみる。
「そう言う事なら斡旋所に行ってみるといいさね」
聞けばそれは、様々な依頼を受け付けて仕事を斡旋してくれる所らしい。
――どうも冒険者ギルドと商業ギルド、それに傭兵ギルドに職人ギルドや何かを足して割った様な所みたいだ。
その場所を書いた地図を貰って行ってみる。
それは街の広場近くに建てられ、とても目立つ大きな建物だった。横浜や神戸の大きなお屋敷レベルの洋館に似た建物の前にも中にも人がいっぱい。
建物に入ってまずあるだだっ広いロビーには壁面を覆わんばかりに幾つも掲示板が並び、書類が沢山貼り出され、彼らはそれを熱心に眺めている。
恐らくあれが依頼書なのだろう。
どの書類にも大きく何種類かのマークが記されている。
文字が読めない人用に、書かれた依頼内容を大別するための物らしい。
遠目で字がよく見えなくてもその印は見える。
それを頼りに目的の依頼が多く張ってありそうな板を選んで近付く。
この世界の文字が読めない彼らも印はありがたいようで、熱心に見入っていた。
その印の脇に数字が書いてある。
これは店で何度か見ているのでそろそろ覚え始めている。
どうやら目当ての依頼を見つけたら、この数字をメモして受け付けに告げると、その依頼を受けるに相応しいかの審査が始まり、それに通れば仕事にありつける、という仕組みらしいと人の流れを見ながら理解していく。
幾つか王都行きの商隊の護衛依頼が見つかったから、早速受け付けに並んだ。
ここも依頼の種類ごとに受付が違うらしく、窓口の上に大きく書類にもある印が掲げられていた。
――お約束で、ここで冒険者カードみたいなのを作らされるとか、そこで異世界人とバレる……なんてイベントは幸いにも起こらず、幾つか挙げた内の一つの仕事を紹介してもらえた。
出発は明日との事で、今日は顔合わせだけして元居た宿に戻った。
ちなみに王都までは3日かかるそうだ。
「王都まで3日……。それで情報収集して……それで? 本当に間に合うのか、間に合ったとして無事に帰れるのかも怪しいわね……」
「――確かに厳しい戦いになるだろうが……。お前だけは何としても無事に帰してみせる。俺たちは命懸けの覚悟でここに来てるが、お前はあくまで協力者なんだ。ここで死なせるとか後味悪すぎてたまんねぇよ」
ため息が出そうになる現実に、和貴が軽く請け負った。
「まあ、王都に着くまでは気楽に楽しもうぜ」
……その笑顔が何となく不自然だったのは……果たして私の気のせいだろうか?
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