お一人様大好き30歳、異世界で逆ハーパーティー組まされました。

彩世幻夜

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異世界へ

情報収集

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    「ん?    ああ、この街がこんなに便利になったのはわりと最近なんだよなぁ」
    「そっかぁ、やっぱり田舎にゃまだ回りきってねぇのか」
    「羨ましいだろ、ってついこないだまでなら堂々と自慢してたんだろうけどなぁ」
    「ああ、マナ不足ってやつだろ?   あれ何とかならんのかねぇ?」
   街を少し歩き、市場で買い物をするだけで、情報はそれなりに集まる。流石物と人が集まる都なだけはある。
    そうして聞き集めたところによると、マナを使ったあれこれで便利になったのはかなり最近の事らしい。
    その時期から出てきた物の数々が、どう考えても地球にあった物に似せたとしか思えないものばかりで。
    「ある日突然、新しくお役所が出来てよぅ、何をおっ始めるんかと思えば色々と便利な物を提供してくれてなぁ。政治なんてロクな事しねぇとばかり思っていたが、あそこは違ったなぁ」
   「けど、マナ不足……」
   「そりゃそうだけどよ、作物だって肉や魚だって獲れねぇ時は獲れねぇもんだろ?    一時的なモンなら多少は我慢もすべきじゃねぇ?」
    「やはり、この世界の技術革新には彼が多大に影響していたようですね」
    「その何とか言う役所を使い物にならなくすれば任務終了って事で良いか?」
    「もう少し、外に施設とかないか調べてからだけど、基本的にはその方向で良いと思うよ?」
    「しっかし……三十年前とはねぇ……」
    この世界に飛ばされたらしい私の弟は、既にこの世の人ではなかった。
    というか、地球の情報を色々と喋らされた上で研究に協力させられ、途中力尽きるように亡くなったらしい。
   ……実の弟の死亡報告を聞きながら、私は大して知りもしない著名人の訃報でも聞いているかのような、酷く他人事の様な気分になった。
    ただ。死んでも姉に迷惑かけるのか、と。どこに葬られたかも分からない弟の亡骸を踏みつけてやりたい衝動にはかられたけれど。
    それから更に情報収集を進め、その極秘性の高い研究所は他になく、厳重な警戒の元にあると知れた。
   「そこは俺たちには魔法があるからな。……力尽くでいくぞ」
    そして、決行日が決められる。
    研究所を潰したら任務終了で、和貴達の世界に戻る。
    そういう計画だ。
    「当人は既に死んでるんだ。責任者は国の役人だろ?    ……それがどう言う事か。責任者の立場に居る俺達が分からないはずないだろ?    だから大丈夫だ」
    和貴がそう請け負ってくれる。
    「まぁ、こちらも元々個人で出来る事とは思っていませんでしたしね。こちらに被害が来ないなら、後はどうにでもなれで良いと思いますよ」
    ――だから。
    私は不安に押し潰されそうになりながらも、その日、全部の神獣と同化し、共に襲撃に加わった。
    
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